二章〔6〕バカとアフロとメガネと、
「カイン、? え、?」
「行くっしゃよ! 牛たちも頑張るっしゃよ!」
〈なんとよ? この男、頭おかしいとよ?〉
〈フンス!〉
俺とトヨの助は困惑、牛一号はいつも通りだ。少し思ったんだが、トヨの助は割と頭が良い方なのではないだろうか。ちゃんと会話が成り立つ。牛一号はあんまりしゃべらない。
そんなことを思っていると牛車が走り出した。
【加速】
カインがスキルを唱えると、牛車が加速した。そういえばチアキと洞窟を走ったときもだが、加速は繋がっているもの全体にかかるのだろうか。自動車のようなスピードで騎士庁舎に戻ってきた。
「着いたっしゃ! アケボシ、速く中行くぞ」
手を掴みカインは中に連れて行った。
「お帰りなさいませカイン様! お帰りくださいませアケボシ様」
入ってそうそう、魔法で追っかけてきたメイドが出迎えてくれた。
なんか、ひどいことを言われた気がするが気のせいだろう。
「話はフユミ様から聞きました。先程は、申し訳ありませんでした。お客様でしたのね。すぐに救護室に案内しますわ」
「分かった、頼んだぞリアさぬ! また後でぬアケボシ!」
そして、救護室に案内された。
終始、引きつった顔で臭い臭い消えろ消えろと言われていた気がするが、気の所為だろう。こんな可愛いメイドがそんな事を言うわけない。
「では、こちらになりますので、早く死んでくださいまし」
「ありがと、リアさん?」
「名前で呼ばないでくださいまし、汚らわしいですわ」
「すんません」
「あ、そうですわ。掃除の手間が増えるので早くその体毛全部抜いておいてくださいまし。ではお大事に」
怖い。でも、なんか少しいいと思ってしまう。異世界に来てから自分の新しい世界に目覚めそうだ。女性にけなされるのを少し、喜んでいる。
まぁ、とりあえず今は傷を直してもらおう。救護室のドアをたたく。
「ハイッテイイデスヨ〜」
中から片言外国人のような声が聞こえてきた。
「失礼します」と中には入り前を見ると褐色サングラスのアフロおばさんがいた。
「ヨロシクネ〜、ホントニミノタウロスダネ〜」
隣には薄桃色の髪の小さい女の子がペコペコしてる。
「夢?」と思わず呟いてしまうほど異常な光景だ。
「ドウシタノ〜? イタイノ〜?」
「なんか、褐色アフロおばさんが目の前に見えて、その夢かなと」
何も考えずに話してめちゃくちゃ失言してしまった。もはや怖くて前を見れない。
「オバサン? キミ、ブチコロスヨ〜?」
ブチギレている。俺の次の墓場はここかもしれない。
「あの、この人、? この、魔物? 疲れてるみたいなので、あの、えっと今のは聞かなったことにしてあげつけださい!」
神様だ。天使だ。桃色のかみの子が助け舟を出してくれた。
「すんません。すんません。あの、申し訳ないです。ほんとにすごく似合ってます! あの、すんません」
少し沈黙のうち「ハァ」とアフロは溜息をつくと
「トリアエズ、メウエノ ヒトトハナストキハ、キヲツケテナ〜」
許してもらえた。
「ありがとうございます! 気をつけます!」
「エト、カタエグレテル。カラ、ワタシノマホウ ジャ、ドウニモドキナイネ! リフ! ホウタイマイトイテ!
「あ、えっと分かりました」
桃色の子はウロウロしながら包帯を見つけ、こちらに近づき巻いてくれた。
「あ、えっと、できましたよ。あの、痛くなかったですか?」
「ありがと、大丈夫だよ!」
俺はチアキ一筋だが割と悪くない。この子も可愛い。オドオド系女子も意外といい。この世界にいるとみんな可愛く見える。
「ジャア、オダイジニネ」と部屋を追い出された。
多分忙しいのだろう。案内されているときもいろんな人がアワアワとしていた。心当たりはある。きっと洞窟でのことだろう。
死んでからのことはしらないが、あの強さの敵だ。きっとたくさんの負傷者が出ている。
まぁとりあえず、今は自分のことだ。周りのことを気にできるような状況じゃない。モンスターの姿で人の世界で暮らすことが困難なのが分かった。モンスターは恐れられる。
いつ殺されてもおかしくない。
「おっひゃぁー! みっけったぁ!! モンスターくん!!」
気配なく何かが飛びついてきた。
「すっごぉ! 突然変異! 触っていい? 解体していっい?」
ここには変なやつしかいないのか、丸メガネをかけた女が体をガシガシ触ってくる。
「あ! まずは自己紹介まだだったっよねぇ! わったし、七番隊のリサ・エルボって言います! 主に研究してまぁす!」
ラヴィルってまともだったんだな。
「アサヒ・アケボシって言います。帰っていいですか?」
また、変なことになりそうだ。
次回は11/14(金) 16:30に更新いたします。




