一章〔20〕魂喰者
〈俺が初めて転生したときアースってやつだったんだが、もし俺の転生する能力が、元々の相手の命を奪う能力なら俺は星の力が使えるはずだ〉
〈星の力ってなんとよ?〉
〈俺もわからんがとにかく強いだろうと思う〉
スターランクが強いことは分かったが、どんなもんなのかは未だに分からない。
星を倒す程の力だとしたら、この転生を繰り返す能力も星の力なのだろうか。俺の力は元いた者から魂を喰らい身体を奪う力だと思う。まだ確証はできないし、他に力がある可能性もある
プチュン___
頭の中に電撃が落ちフリーズするような感覚。
そして、意識の中に文字が見えた。
【魂喰者】
前の反芻の時と同じだ。願えば見える。
これが俺の力。予想通りだが、いざ文字にして見えると怖い。魂を喰らう能力はかなり強いが、自身が死んでからじゃないと使えない。生きてるうちに使えない能力だ。そして、おそらく、もう一つ星の力があるはずだ。
〈どうしたとよ? 目が変な方向向いてるとよ……〉
〈見えたんだ。俺の力が 。俺は元の肉体の魂を食べ、自分がそこに入るのだと思う。だから、本当の2362番はもう助からない。ごめん〉
少しの間沈黙が訪れる。彼のおそらく友達だったはずだ。友達を失って暴れ回ったマーズを知っている。俺のベストフレンズは俺の死を悲しんでくれたのだろうか。
〈病気だったとよ。たまにふらついたり、よくご飯のあと吐いていたとよ。最近は特に酷かったとよ。ずっと寝て、吐いてみたいな感じが多かったとよ。たまに連れてかれて検査とか受けてたらしいとよ〉
俺が倒れたときお爺さんはいつものの事のように過ごしていた気がする。ラヴィルは怪しんでいたがお爺さんはすぐに返してくれた。
〈ずっと、苦しい苦しいって言ってたとよ。その能力が傷つけずに送れたのなら、とよは恨まないとよ〉
病気、そういえばアースは転生したとき体中が骨折していた。この能力は、弱っている個体のみに有効なのかもしれない。ランダムに転生しておると思っていた。それだとしたら牛から牛になったのはおかしいが、なんか他にも条件があるのかもしれない。
〈とりあえず生きてここを出るとよよ!〉
〈そうだな!〉
少しだけ能力についてわかった気がする。もう一つの能力はラヴィルに会ったときに使おう。魔法は使えなかったがスキルは使える。
俺はまだ戦える。
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その頃、洞窟の跡地では二つの影が話をしていた。
「ほんとに上手くいくのか?」
「冥王の疑似核、勇者の遺体、天王星の力これを混ぜることで、最強の星が生まれるはずです」
「そうか、これですべての神ランクを滅ぼせるのだな。あれがいる限り世界征服等できないからな」
「契約通りに実行致しますよ。冥王様を復活させ、天王様は魂の力で強化して、冥王様より強い存在になってもらいます。最後に残るのは天皇様です。ご安心ください」
彼等は各々の目的のために動いている。
「それでは、冥王様を復活させますね」
{呪混復活}
廃墟になった洞窟を明かりが照らし魂が蘇る。
それは砂漠に落ちてきた太陽のようだった。
「我の星の力は今どこにある? 」
目覚めた冥王が口を開く。
「冥王様、現在マップ外にあるかと。おそらく、黒薔薇の砂漠の中かと。」
魔王は金色に輝く勇者が使っていた剣を手に取り、
「これが、すべてを切り裂く聖剣デュランダル」
かつての勇者アーサー・ブレードが使っていた剣を取りそう呟く。
「冥王プルートいや、冥王ハルトと名乗ろうか、。我、力を取り戻す故に、星喰者を排除する」
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かつての主人公、そして現在の主人公。
物語が動き出す。




