表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星喰者  作者: K瀬
一章 目覚める明星

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/45

一章〔10〕望まれた逃亡



 お兄ちゃんが死んだ。


 私の大好きなお兄ちゃん。ずっと側にいたお兄ちゃん。みんなにとって憧れだった。


 でも今はそんなことを考えてる時間はない。足元には私が回復して命を繋いでる人がいる。私のことを好きって言ってた。目の前にはマーズと名乗る『星』がいる。昔、私が生まれるより前にお父さんが倒した。


 転移して逃げる。戦っても勝ち目はない。


 騎士として死ぬ。この人を見捨てることになる。


 私はどうすれば。


 「俺が用があ゙るのはアースだけだ。逃げるなら勝手にしろ。どっちみちこい゙つは死ぬ」


 「逃げろ、チアキ。俺はチアキが無事ならそれでいい。頼む」


 「お兄ちゃんは命を張って戦った。私が逃げたら他の騎士たちに会わせる顔がないよ……」


 「死ぬ覚悟はできたんだな。思ったより騎士隊ってのは下っ端でも根性あ゙るんだな。なら見せてやるよ。俺のとってお゙きをよ」


 世界が燃える。そんな感覚。私にはよく分からない。たぶん私死ぬ。でも騎士として最後まで誇りを持って死ねるなら、それでいいのかもしれない。


 「お兄ちゃん。今会いに行くからね」


 《フレイジングマグナード》


 たくさんの火球が一つの大きな火球の周りを渦を描くように回っている。


 手を引かれた。そのまま後ろに倒れた。目の前に立ち上がる人影。


 「アケボシ君……?」 


 「逃げろ、チアキは逃げろ」


 「撃つぞ、早くしろ」


 「なんで、待ってくれるの……? 私達のことをいつでも殺せるはずなのに。なんで待ってくれるの?」


 単純な疑問だった。星は全員悪いやつだと思っていた。本当は話せば分かり合えるのではないか。そう思ってしまった。小さく「ゔるせぇ゙」と相手が言った気がする。その瞬間大きくなった火球がこちらに飛んできた。

 

 《ガイアード》


 血を吐きながらアケボシ君が魔法を使う。もうアケボシ君は助からない。こちらを見ながら逃げろと訴えて来てる気がする。炎は全くと言っていいほど防ぎきれてない。実際は少し弱まっているのだろうと思う。火力が高すぎて実感がわかない。


 死ぬって怖いんだ。騎士の覚悟とかどうでもよくなるくらいに。私って最低な人だと思う。許してほしい。


 「ありがとう。少しだけ好きになったよ。アケボシ君」


 《テレポ》


 私はそう言い残して、燃え盛る戦場から離脱した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ