プロローグ
この小説は、悪役令嬢を演じる優しい女の子が、人の心を操る魔法使い"洗脳の悪魔"に助けられて、王子様と結婚するというお話です。
*こんな人にオススメ
ザマァが好きな方
心理学が好きな方
どんでん返しが好きな方
ハッピーエンドで終わりますが、どんでん返しの為の伏線を入れる予定です。上手く書けるかどうか分かりませんが、楽しんで頂けると幸いです。
私は今、お城の大広間に通じる控室に居る。大広間では、本日、結婚式が行われるのだ。王族や貴族、地位の高そうな方たちが着飾って、大勢、大広間に集まっている。
素敵な白のウエディングドレスに袖を通し、私は大きな鏡の前に座っている。宝石で散りばめられたティアラや首飾りを付けた自分を鏡越しで見ている。不相応な自分の姿に戸惑って、私は苦笑いをする。
そう、今日は私の結婚式なのだ。お相手の男性は、この国の第一王子。スゴくイケメンで、ハンサムでカッコいい、私には勿体ない相手だ。
貧乏な農家の一人娘の私が決して嫁げるような相手ではなかった。では、なぜ、私はこの王子様と結ばれる事が出来たのか? 私は悪魔の力を借りたのだ。
私は鏡の中へともう一度、視線を移す。私の右後ろで腕組みをして、立っている男が鏡に映っている。この男こそが私を王女の地位へとのし上げた悪魔だ。
控室には私とこの男しか居ない。男はボロボロのフード付きのマントを羽織っている。この豪華な結婚式の招待客としては、いただけない格好だ。
この男は、かつて千人を超える人間を無慈悲に殺して来た悪魔のような魔法使い。
彼は"洗脳の悪魔"と呼ばれていた。人の心を思い通りに操って殺す、大陸の四悪魔と言われた四人の魔法使いの一人だ。
この結婚式までに多くの人が命を落とした。私はただ死にたくないという気持ちと両親を助けたいと言う気持ちで懸命に生き延びた。この悪魔と共に。
その結果、王子様の妃の座が転がり込んで来たのだ。私は後世の人達に悪女と呼ばれるかもしれない。
振り向いて、悪魔と呼ばれる魔法使いを見つめる。彼と目が合う。私も彼も笑みを浮かべる。
私はまだ、この魔法使いに洗脳されているのかもしれない……。
小説を読む方は頭が良く、人の気持ちの分かる人だと聴きます。
そんな優秀な読者の皆さんの為に、面白い小説を書いていきますので、これからも読んで頂けると大変嬉しいです。
もし良かったら、今後も宜しくお願いします。