あたしはドラゴンかもしれない
気のせい?
ほんのさっき気づいたんだ
あたしってば じつはドラゴンなのかもしれない
確信まではないけど
嘘だって決めつけるんなら
ドラゴンの絵を描いてごらんよ?
龍とドラゴンはちがうのかとか
ヘビなのか トカゲなのかとか
つのがなくちゃいけないかだとか
難しく考えないで
思うまま あなたのドラゴンの絵を描いてごらんなさい
そんでもって 出来上がった渾身のイラストを
どっかのだれかに
「はぁ? こんなのドラゴンじゃねーよ」
なんて 言われてみたらどぅ?
「はぁあ?! あんたこそ
ほんもののドラゴン見たことあるのかよ
こっちだって見たことないけど
じゃあ だれにも正解なんてわかんないじゃん」
そんなふうにちょっとムキになって
言い返すのも悪くないと思うわ
ドラゴンのすがたはだれも見たことないんなら
どんなすがたならドラゴンじゃないのかだって
だれもわかりゃしないじゃん
だったら あたしだってドラゴンかもしれないし
あたしがドラゴンじゃないなんてことを
だれかに決めつけさせてやる必要もない
あたしがじぶんで
「はぁい♡ あたし じつはドラゴンなの」
って言い張るのなら
そこによけいなツッコミや検証は無粋ってもの
あたたかく見守ってとまでは要求しないにしろ
そっとしといてとはお願いする
だから きみも
じぶんがこうありたいって思うものがあって
それを名乗るのに資格や認定がいらないものなら
好き勝手に名乗ってしまえばいい
じぶんがじぶんのことを
どういうものなのか名乗るかは
履歴書や証明書に記載されてるものじゃなくて
いわば 魂のありかただ
魂がどんなかたちと色をしてるのかなんて
それを燃やしてる本人にしか
ちゃんとはわからないはず
ドラゴンのすがたといっしょで
わかったふりをしてるやつらだって
そいつをじかに見たことはないんだからね
だから きみも
じぶんの魂がそうあるなら
遠慮なく それを名乗ればいいじゃん?
よそからの疑いの目や よけいな口出しは
どうでもいいや どうでもいいの
きみが自信をもって それを名乗るのなら
その点にこそ いちばんの信憑性を置けるって
あたしは思うんだけどなぁ
だから やっぱり
あたしもドラゴンかもしれないし むしろ
あたしはドラゴンな気がしてならない てゆうか
あたしこそドラゴンにちがいないのだ
がぁおお!!
そんな気がします。