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春夏冬秋の悩み事7
硬い無表情のまま、白雪の部屋を出て、一応先生と白雪の母親に形ばかりの挨拶をして有栖川家を出る。
去り際に何か言われた気がする。
1歩1歩が重い。
「本当に最悪」
薄暗がりの中、街灯が点滅しながら役割を果たす。
胸の中にあるのはなんなのか。
車が通り過ぎる。
一瞬だけ伸びた影。
罪悪感なのか。
「なんで、私が……」
掠れ、吐き捨てるような言い方。
周りに誰もいないような田舎。
しまった。帰りは歩きになる事を失念していた。
白雪の家から歩いて30分程度。
私はこの帰り道で、白雪の事で頭がパンクしそうだった。
「ほんと、最悪」