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凍えた大地と温もりの在りか

童話 凍えた大地と温もりの在りか

作者: 枯谷落葉



 氷に閉ざされた冷たい大地の上。


 人々は身を震わせながら生きていた。


 太陽はなく、照らす光も温もりもない。


 体が冷えれば、心も冷えきっていく。


 凍てつく大地の人々は、笑うことも、喜ぶこともなかった。


 はるか昔に太陽をなくしてから。


 それきりに。


 いつしか、そこに住む人々は氷の民と呼ばれるようになった。





 そんな中、一人の少年が旅立ち、数か月後に戻ってきた。


 小さな手の中にあるのは、温もり。


 少年は、凍えた大地を温めるために、一人で過酷な旅に出ていたのだった。


 戻ってきた少年のコートや手袋は、ボロボロだった。





 少年は温もりを差し出す。


 ほんのりと熱をもつそれを手にした者たちは、ゆっくりと溶かされていった。


 ひえきって満足に動かせない体も、動かなくなっていた心も。


 すると、人々の中にもともと眠っていた温もりが目を覚ました。


 それは気がつかない場所にあっただけで、ずっとそばにいたのだとそう主張するように。





 ぬくもりを取り戻した大地の上で、人々は生活していく。


 互いにふれあい、笑いあい、交流しあう。


 これまでとは違う、温かみのある生活を。



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