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彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花  作者: 新人小説家ハルト
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第四十話:天界に座する真実

どうもこんばんは、新人小説家のハルトです。

仕事で靭帯切りまして。


なんと、全治4週間。

つらいです。


……小説の更新も遅れてしまって申し訳ない。

ですが、小説家になるという夢は諦めません故に、よろしくお願いします。

では、佳境となる第四十話、どうぞ!

神威原(かむいばら)は語る。


「…例えば、そう…人類の生き残りたい、死にたくないという集合的無意識は分かるね?」


「特に花火(はなび)、君の……いいや、君ともう一人、君の中にいる彼女の力は集合的無意識を利用したものだ」


集合的無意識。

霊長の頂に在る人類が誰しもが意識の根源に抱いていながら、誰もが気づかぬ底。


花火が新京都攻防戦にて目覚めた乖離。


それは、人類の無意識の一部である『平和を謳歌したい』というものから。


花火の意思そのものと北風の犠牲を管として繋ぐ事で、膨大なエネルギーが送られたのを収束し打ち放ったもの。


そして。


「天止はそれ、そのもの、世の中で未だに専門家とからの口から語られる人類の進化種、異星からの生命体ではない」


「つまり、天止は人類の無意識から生まれた守護者なんだよ」


人類史にて、まず有り得ぬ存在である天止。

所詮は創作の偶像だと考えられて来たからこそ、有り得る真実だ。


この惑星(ちきゅう)において、今の今まで生きてきた人類の「生き残りたい」という無意識。


それが、災獄という人類種の淘汰を目的とした「敵」の出現を察知し、現世に産み出されたのが天止だと神威原は語る。


「何を言って────?」


その場に居る神威原兄妹、ルシアを除き。

全員の顔が変わる、青ざめているものに近い。


「そうだったね、御珠ちゃんにも説明し損ねていたみたいだ」


「へ……? あ、あの、天止は災獄と同じ、人を何時か滅ぼす様な意識を組み込まれた化け物なのでは……?」


動揺。

御珠だけが利用されていたという事実に、本人含め、周りの私達も動揺と怒りが隠しきれなかった。


「神威原ァァァァァ!!!!」


花火は途端に駆け出した。

其の速さ、今までの戦闘含めてのどんな時よりも速かったであろう。


そして神威原 嵐之丞の余裕綽々と言った表情の顔面を、見事に膝蹴りにて崩すだろう。


「私たちとの離別を果たすというのね、貴女は」


膝蹴りを食らい、地面に叩き付けられながら吹き飛んでいった神威原を他所に。

ルシアは、己が承器たる二つの鎌刃を花火へ向ける。


「当然だ!手前らなんかに付き合ってられっか、無意識がとか天止がとか、俺はそんなこと知ったこっちゃねぇ!」


「……そう、なら」


一呼吸置き。

その眼は、感情なきものへ変わる。


「死になさい」


「死んでたまるかァッ!」


ルシアは、言葉を交わした後に

横薙ぎに挟むように一閃。


普段からの運動神経の良さと反射神経の速さもあってか、承器を踏みつけ。


それを躱す花火(はなび)は、反撃と言わんばかりに飛び蹴りを顔面に叩き込む。


「馬鹿な人、そう熱くなるから貴女は行けないのよ……!」


鼻が折れてしまえども、構わない。

ルシアの肉体から放たれる白と黒の粒子。


「ルシア!こんな所でそれを使───!」


叫ぶ神威原(かむいばら) 傘守(かさもり)

そして、喚び出されるルシア・エスペランタ・A・アテルマの契約族。


「ウロボロス……!」


石像にて出来た身喰らう(ウロボロス)

だが、その本質は今明かされよう。


崩れ去る円環の龍、顕になるのは罪。

災いとの契約者は、もう一人(・・・)


「またの名を、グルゼ・バグス……蟲の王、冥王星からの救世主」


その姿は、底知れぬ人型の蝿。

全長目視約5m程の蝿人間(はえにんげん)


肉体を構成するは小さな人喰い蟲の集合体。


そして、吹っ飛ばされた神威原(かむいばら)はゆっくりと自分の承器たる盾を支えとしながら立ち上がり、またも真実を語る。


「この惑星は、生きている」


「そう、災獄共は……この惑星が創り出したんだ!」


この時、三神(みかみ)が何よりも誰よりも速く反応した。

なんと表現したらいい表情だったのだろう、悲しいとも怒っているとも捉えられるもの。


涙ぐんでいる様にも見えるし、怒りに満ち溢れているようにも見える。

そんな表情をして。


「この惑星には人類という本来、淘汰されるべき種が生き残り、環境含め、何もかもを消費し尽くそうとしている」


「人類は、とっくの昔に絶滅しているのが正しい歴史なんだよ」


つまりは、こうだ。

恐竜などの時代から、人類に近い知性などを持つ原始人というのが存在していて、それらはその時点で絶滅しているはずのもの。


様々な脅威、恐竜にしても原生生物らに食糧にされてしまっていてもおかしくはなかった、と。


だが。


「無能故の狡賢さで猿は、生き残ってしまった」


「西暦を迎えても、人類は一つにならない、環境の汚染や消費、冷戦、紛争、テロ……争いも奪い合いも何も終わりはしなかった」


「だと言うのに、生きたいだと?まだ死にたくないだと?巫山戯るなよ!この……知性の低い考え無しに生きている猿共が!」


神威原は今まで出したことの無いような怒りに満ちた聲で叫び、一度深呼吸。


「惑星は、その事を危惧、己の身をあんじてのこと原初たる宙に座する八つの仲間へSOSを送った」


「己の身体に住み着く害虫共を今すぐに殺して欲しい、とね……だが」


それで終わりはしなかった。


今まで人類の行く末と、生物の行く末を見守ってきた我らが母の(ちきゅう)にとって。


それは均衡とは言えないものだ。


その為、天止と人類の共闘という均衡を取る事で、地球自身の人類を滅ぼすという意識の組み込まれた終末装置との均衡を取った。


星の意識在る災獄(さいごく)と八つの天体に対応した(つみ)

人類の無意識により生まれた天止と人類。


だが。


「それでもね、例外もやはりあったらしくてね」


三神(みかみ)ぃ……キミだ、キミが唯一のルールの外に出たイレギュラーだったんだよ」


そう、地球の人類を滅する意識が組み込まれたはずの災獄の一部を宿し、それでも尚人に危害を加えることなく生きており常人として過ごすもの。


それは、誰もがよく知る遠い(ツキ)にて生まれた運命を変える一雫。


"契約族"と(ハコ)を持ち込んだ張本人にして地球のSOSに逆らい。

月にて産まれ、月の人間によって育てられ。

地球が創り出した災獄の脅威すら享受するもの。


「……それが、三神(みかみ) (あかつき)という人間の正体だ!」


三神は何も語らない。

記憶喪失であったということが嘘であったことすらも、彼自身が偽りそのものであったことも。


「─────(あかつき)


私は、驚きとも軽蔑とも捉えられる表情をしたのだろう。

語られる真実の連続に、耐えきれなかったのかもしれないし。

はたまた、何かしら別の要因で精神を疲弊し切ってしまったのかもしれない。


「……俺は」


「──────何者だったんだ?」


月から来た男は呟いた。

真実は語られた以上、世界は元に戻らない。

希望は捻れ、歪み、断たれ。

絶望が畝り、荒れ、襲う。


────to be continued。

「次回予告」


そらが、おちる。


ちじょうが、くだける。


ちのかたまりとなるひとびと。


───────────────────────


終。



次回

「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」

第四十一話:終焉。


「おわりだ」


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