第四話:乱入者
どうも、新人小説家のハルトです。
第四話、皆様お待たせ致しました。
漸くと待ちわびたことでしょう。
それでは、第四話:乱入者。
一体どう言う展開が待ち受けているのやら、それは読んでみてからのお楽しみ。
どうぞ。
崩れた都心ビル内を駆け抜ける第三部隊。
その目の前に立ちはだかるのは、人型の災獄。
無論のこと、未確認の災獄であり、その左腕は歪み巨腕化している。
第三部隊は銃撃戦術の包囲網を得意としており即座第三部隊の五人全員が取り囲むように銃弾を、災獄向かって約一秒間200発は超えるだろう連射速度を以て放っていく。
ばら撒きのように見えるが、一番に魔物級などにはこれで対応ができる。
サイズはほぼ普通の人間の災獄だ、魔物級よりも小さいくらいだし何とかなるだろう、と第三部隊はそう思い込んでいた。
だが、まるで一切、それらを諸共せぬように異形の左腕を持つ災獄はその銃弾全てを難なく叩き落とせば、先ず一人、巨腕を持っているがために速度は遅いだろうと油断していた生徒の顔面を歪み肥大化していない右手のみの目玉が飛び出、歯が頬より溢れ出る程の威力でぶん殴り、即死。
「……え?」
「臆するな……一人やられたのみ、俺がやるッ!!」
そして後の四人、否。
一人向かってくる者がいる、と感情の起伏を探知した災獄は、顔面に着いている100は超えるだろう眼球を動かしながら、背面と正面に着いている口の口角を上げ、その果敢にも向かってきた第三部隊の隊長を左手で腹をぶち破り頭から丸呑みするようにして全身を呑み込み。
まるで前菜を食し終わった紳士の如く、力を抜いていた戦士のように恐怖に染まったその他三人を、音も立てずして1秒足らずという速度で顔面を右手の手刀で破り抜き、都心部中心の交差点で、その四脚を地に突き刺し動かぬ災獄テスカトリポカの元へ、まるで嬉しそうに喜ぶ子供の様に跳ねて戻って行った。
これが、第一部隊、第二部隊より分かれた数秒後の出来事である。
場面は移り、モニタールームでは啜り泣く声が聞こえる。
「あ……ぁぁ……」
第三部隊には友人の者もいたようで、オペレータールームの中心に座るオペレーターリーダー風見鶏 都は、他のオペレーターを何とかオペレーションを行いながら宥めている。
「……第三部隊、全滅です、学園指揮官」
「分かっている」
そう冷たく、だがそれが戦場だとわかっているかのように都へ返した堕天止は冷たい顔をしながらも、悔しそうに唇を噛み締め。
三神 暁は、静かに北風の近くで口を開く。
「……こうなのか、オペレータールームは毎回」
「いや、今回は緊急だよ。
規格外の災獄の確認が二体目だし、あんなに一瞬にして第三部隊が全滅だから。
下手をすれば第四から、第十、全部が出るかもしれないし、議会からも来るかもしれない」
「……笑えないな」
「全くね、まぁ、少しだけなら、希望があるかもしれない」
「……どうしてだ?」
「暁の適合、さっきは出来なかったけれど警告が鳴る前に一瞬だけ反応があった、ただESもレベルも0、時々マイナスになる状態だった」
「なら、俺は無理だろう」
マイナスか0は本来有り得ない。
マイナスは人として、死んでいるような状態だ、0はそれはもう旧暦の人間と言っても差し支えない。
その両方が観測された、つまり俺は……。
「取り敢えず、今はオペレーションに集中するよ」
北風より答えを返され、ルシファーの近くに行き、誰にも聞こえぬように、小さな声で。
「もし、全滅したのなら俺が出る、この左腕を使って」
「やめろ」
返ってきたのはその一つのみ。
暁の目に映った顔は、今にも何処か泣きそうで悔しそうな顔であり、その剣幕から俺は何も返すことは出来ずに場面は第二部隊周辺へと切り替わる。
「此方、第二部隊、第一部隊応答しろ!」
「第一部隊、目下戦闘中、第二部隊長どうぞ!!」
蒼御が通信を返せば、都心部中心より離れた瓦礫の近くなどで魔物級の殲滅をしながら、人命救助に当たっていた第二部隊らは、都心部中心に立つテスカトリポカの異常を確認した。
「オペレータールーム、第一部隊へ共有通信!」
「災獄テスカトリポカ、何らかのエネルギー充填を始めた模様、注意されたし!」
「オペレータールーム了解!」
「第一部隊了解!」
天界からの天止の協力もあってか、建物被害はそれなり程度で済んでおり倒壊も酷い所は酷いと言うだけで少なく、損害軽微な所は多い。
ただ都心部中心から離れていくだけ軽微な所が多いのみ、主要建造物の多い中心こそ倒壊建造物だらけである。
それよりも、問題はテスカトリポカに充填されているエネルギーの事である。
放つ?いや、にしてもタイミングが遅すぎる。
何に使うのか、と第2部隊隊長はそんなことを考えていれば、遂に。
動き始めた、100mはあるだろう体の半分である脚をゆっくりと動かし、地を破砕し揺らしながら歩き始めていく。
歩く方向は、学園方面。
「不味い、全第二部隊退避ッ!!」
その声でテスカトリポカから見れば、子グモが散るがように足が降りてくる場所より退避しつつ、要塞のような巨体を持つテスカトリポカの周りを第一部隊が崩れたビルを足場とし、魔物級の災獄を殲滅しながら、駆け抜けて行っているのを視認する。
「厄介ですね、この大きさは」
「そーだな、で?どーするよ隊〜長?」
蒼き髪を靡かせながら、右手に刀を握りしめ、人型の幽霊のような契約族を周りに浮遊させ、警戒する蒼御が駆け抜ける中でそうボヤく。
その隣には、何処か竜のような顔をつきをした背鰭が焔のように成っている2m弱の体躯を持つ存在を連れ、拳をガンガンとぶつけ鳴らしながら適当そうにボヤキに答える赤髪を結んだポニーテールの両手に巨大な拳型の承器を装着する少女がいる。
名を、花火 蓮華という。
第一部隊副隊長にして、北風 南が専用オペレーターとして着いている学園の中でもトップクラスの精鋭をかき集めた2年C組第一部隊の五人の内の一人。
五人目のメンバーは作戦中に災獄に食われ、既に死亡しているのだが、人員補充は無い模様で……そんなことを考えながらも副隊長の言葉に、私は答える。
「とりあえず、まだ攻撃は止めましょう、危険です」
「リョーカイ、人命救助ってか?」
「そうです、春巻さんも良いですか?」
「いいわよ〜、蒼御ちゃんの指揮は的確だもの」
その後方より、飛びながら現れたのは春巻 光。
先輩であるが、三年生の部隊はほぼ過去の作戦中に死亡か行方不明となっており先輩と10人くらいしか生き残っておらず、残りはオペレーターか承器の技師をやっているのだとかで……。
「第一部隊!!離れろ!!」
第二部隊隊長からのデバイスからの無線で、ハッと気づき、退避指示をハンドシグナルで現し、ビルの中へ逃げ込む形で入っていけば。
テスカトリポカの胸部と思われる部位が、八方向へ花のように開き、飛んでくるのは怪光線、100、200、否。
一万を超える細い剣のような光線が被害の少なかった建造物を一瞬にして塵芥と化させ、人さえ逃がさぬというように現場に来ていた軍人、第二部隊を消し飛ばし、同部隊の春巻さんでさえその一本を防ぎ切る事が出来ずに、体を何本もの光線に貫かれ死亡し肉片と化した。
ビル中を私と花火は駆け回り、学園前に飛び出せば、その光線は狙いを変えるよう私たちを過ぎ去りESウォールと呼ばれる、百重なる出力防壁を一気に、後、三枚になるまでにその光線で穿ち抜いた。
なんという、規格外さ。
二発目が、即座に装填され、学園校門前にて立ち尽くす私と花火。
防ぎきれない、その確信と共に目の前の災獄テスカトリポカが放たんとする光線を前にする。
そしてそこから場面は瞬間、オペレーションルームから駆け抜け出る、三神 暁へと変わる。
「行っちゃダメだ、暁!!」
「行くんじゃない、暁!!」
そんな北風とルシファーの己の行動を止める言葉も聞かず飛び出していく。
感じてしまった、感じ取ってしまったのだ。
二体目の、乱入者とも言える存在の気配を。
無論のこと、それは予想"していた"通りとなってしまう。
場面は一転、光線が放たれる寸前、校門前三神暁も到着し、三人の真上の空が割れるように引き裂かれ、隙間から"紅"の光を放ち、その姿を遂に、現す。
時刻は、12:00。
否、三人とオペレータールームに居るもの等にも、災獄災害用のシェルターに居る住民らにも、その目に映った空は。
逢魔ヶ時であり。
声が、響き渡る。
「彼は誰ぞ、誰は彼ぞ」と。
「次回予告」
降臨するは逢魔為る者。
それに立ち会うのは。
異形為る腕を持つ暁の者。
逢魔と暁。
黒と紅。
叫べ、逢魔ヶ時の下で。
駆け抜けよ、其の刃を以て。
次回
「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」
第五話:逢魔と紅
「紅は彼は誰なのか、逢魔の時、誰は彼なのか」




