第二十六話:天国、地獄、大地獄
どうも、七日ぶりの更新となります。
新人小説家もとい作家になりたいハルトです。
一日遅れとなっております
「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」。
申し訳ありません。
グラブルの古戦場……え?そんなのはいいからさっさと読ませろ?早く更新しろって?
まぁ、はい、まさに「仰る通りだわ〜!」って感じです。
申し訳ありません。
では、本編のほど、どうぞ。
新京都街にて、学園へ避難する一般人すら入り乱れる中、災獄ら蹴散らさねばならない状況。
大規模な侵攻自体、FL所属の契約者らは始めてと言える。
その為、FL所属第二、第三部隊は危機的状況の為、学園正門前にて防衛線を展開。
災獄の殲滅は二つの第一部隊、蒼刀、阿吽、WO所属の第二、第三部隊に託された。
「これって、物凄く不味いのでは……?」
「不味いですね」
少し離れた街外れ。
一体の深手を負った破級位災獄を追った先。
罠と言うべきか、突如として小型の災獄に囲まれる蒼実と逆壬。
ざっと数え二十体程が群れを成し、今にも二人を喰らい殺し尽くさんとハッキリと分かる殺意を持ち。
牙を剥き出しにして、謎の粘液を垂らしている。
「ただ、此処で負ける私たちでは無いでしょう?」
逆壬の方へ視線を向け、納刀された承器の鯉口に左親指を添え蒼実が言う。
「えぇ、ですが少なからずこの程度の"雑魚"にやられて死ぬなんて事はありません」
雑魚。
その通りであるからか、小型の災獄らは余計に其の言葉に反応を示し。
一斉に、二人を殺した後にでも嬲り屈辱でも与え喰らってやろうと飛びかかっていくが……。
「遅い」
「鈍い」
同じく二振りの刃が風を斬り、斜上より飛びかかる怪物共向かって振り抜かれていく。
二人による抜刀の一撃は、一匹たりとも逃さぬという意思の表れ、全て等しく胴体を輪切りに薙ぎ払う。
「弱い、この程度で」
「え?えぇ……」
輪切りにしても尚生きている災獄の頭部を足で踏み潰す蒼実。
其れを見た桜花、彼女の瞳は何処か死んでいた。
これが普通であり、当たり前。
元は普通の少女、転生したとでも思っていた姉と思わしき契約族へ成っていた災獄に騙された挙句の果てに、幼少期から人生を滅茶苦茶にされていたのだから。
「あの、凍花さん?」
「何ですか?」
慎重に、一時の休憩も兼ねて死した瞳をする彼女へと話しかけていく。
「背中は、任せてください」
桜花が掛けてあげられる言葉は、精一杯という中でこれだけであった。
桜花はこれが辛かった、私も失ったものはあれど、彼女の背負った過去というのは本当の意味で救ってあげられはしない。
痛みも辛さも今は手を取り合う戦友と、友人として接する事でしか寄り添ってあげられない。
そんな似ているようで、似通う事は無い二人。
一方で場面は変わり、新京都街上。
空間を削りながら、まるで其処に地平があるかの様に疾走する白翼の少女。
空間を回り込むように転移しつつ其の加速を破壊する尼剌部陀。
「喜劇の劇場を飛ぶ蝿の様に……」
「少なからず、貴方の様な屑が言うべき台詞に非ず」
手厳しい、と尼剌部陀は納得しつつも其の表情は天止という存在への嘲りを持ちながら、数km離れた天止の娘から放たれた空間を抉る光の矢。
其れを黒い物質の様な右手に創り、光弾として放つことで相殺していく。
黒く、底の見えぬ何か。
其れは其れが存在する空間だけを歪曲させ、呑み込み続ける。
暗黒天体に等しい質量、ただそれとは違う性質を持つ物。
「消し飛ぶといい、喜劇の為だ」
「其れを用いるのであれば貴方諸共、今、この場で消し飛ばします」
あの物質の正体を知り得るからこそ、使用をその眼で確認。
天界から彼女へと流れ、落ちゆく光、奇跡の解錠を神より許された証。
彼女の頭に刻まれる、本来は秘匿されるべき機密。
「見よ、彼の者を」
「七つの機密、秘蹟、奇跡を以て我が白き翼を祝福する彼の者」
「我が父、我が神、御許しを」
「私が殺し、私が正し、私が裁き、私が滅す、そして悪は掻き消え正義だけが現世に残る」
「──奇跡・解錠──」
「洗礼奇跡、祝福の銘剣」
光り輝く洗礼の奇跡にして人類の歴において、最も偽、真実で名を与えられ、王と神の祝福を受けし銘剣。
光そのものとも言える刀身。
両の手に握りしめる純白の光を少女は堂々と厄災へと振るう。
そこから放たれる更なる光。
白く、白く、黒き意思さえ垣間見えぬ介入できぬ光は刀身より厄災を穿つという意思から放たれていく。
ただ、その光が大きな影を落とす物だとは知らずに巨大な爆発が一つ、そしてまた一つと思えば段々と増えて数え切れぬ爆発が起き、後に……。
「なるほど、小指一つ、か」
「…な…」
小指が落ちる。
祝福を受けた"程度"の銘剣何てものは所詮、尼剌部陀にとって災獄にとって大きな力の源でしかない。
光が訪れるのなら、大きな影が出来るのは必然。
彼等の存在自体がそうであるように。
災獄の存在自体が、大きな影であると気付けぬのであれば、正義という光が招くのは単なる厄災にしかならないのだから。
それ故に、受けた傷は小指一本が消し飛んだ程。
残りの光は彼の影となりて力に変わり己の力の一端を示す。
「प्रथमं मया अनुभूतं वेदना, तीव्रवेदना, कष्टप्रदः, कष्टप्रदः, भयङ्करः अपि」
「अग्रिमः विषयः मया अनुभूतः आनन्दः आसीत् ।」
瞬間、轟音響く。
瞬きなど許されぬ、許さぬ、許さぬ。
何もかもが黒焦と成りて引き裂かれる翼。
獄の力の一端、恐怖と激痛に満ち地へと堕ちていく天止の娘の顔は彼、尼剌部陀にとっての悦である。
嗚呼、何とも可哀想に。
先まで美しく麗しいとも感じる姿をしていた、かの神の娘が翼は折られ斬られ羽毛はちぎれて、身体は焼かれて丸焦げと来た。
嗚呼、何とも
「麗しい、今の君はとてもとても美麗であるよ、アぁーサーァ……」
舌舐り、まるで餌を見付けた野犬の様とも。
神の娘の名を呼ぶ姿は悪鬼外道とも言うべきか、否、それこそが本質也。
「……さて、続きを始めよう」
場面は変わり、学園付近街。
地平に蔓延る小型災獄と三神、白刃。
「キリがない……!」
「弱音を吐く気か、俺を殺すとほざいていたというのに」
「黙れ、此の外道が!」
獄門より次々と現れ、何の影響かは知る由もないが活性化しながら其の動きを活発化させる小型の災獄。
二人は少なからず、罵りあう程度には余裕というものがあれど段々と押され続けてきているのが現状で、そんな中、丁度上空。
空より落ちる、一つの白き羽。
宙より敗け堕ちる、一人の天止。
「三神!」
「空から誰か……降ってくる?」
正面の災獄を斬り捨て、潰しながら頭を上げると降ってきたのは少女。
少なくとも三神の眼にはそう、堕ちて来る姿すらも美麗に見える少女。
だが其の姿は、まるで何者かに敗北を期したか。
来るべき危機的状況下で少女と少年の邂逅、宙より其れを視認する厄災。
そして、何処か遠く。
誰も知らぬ、誰もが見えぬ場で其れを見つめる彼女及び彼、外套者の姿。
to be continued……。
「次回予告」
溢れる様に出現し、何者かの統制によって動く災獄によって、撤退を余儀なくされる二つの第一部隊。
防衛線は未だ崩されてはいないものの。
あくまで一時の柵の様なものでしかない。
そんな中、尼剌部陀に敗北し空より
学園へ落ち来る天止。
アーサー・E・マキナ。
彼女は伝える、この指揮が八転獄道によるもの、災獄の仕掛けた二つの巨大な指揮系統がある事。
そしてそれが、齎された光であると同時に。
絶望の始まりである事を、まだ知らない。
次回
「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」
第二十七話:囮作戦
【人とは死を乗り越えられぬ、
愚の象徴たる生物だ】




