第二十二話:新たなる地へ
どうも、8日?7日?ぶりかの更新となります、新人小説家のハルトです。
はい、FGO(Fate/Grand Order)にのめり込んでて少しサボり気味でした、すいません。
まぁ、そんな話はさておき。
二章の開始を此処に告げます、新たなる地で新たなる仲間と新たなる敵、新たなる物語。
いつか、収束する物語の一つ。
その始めをお楽しみください。
朝、A.M.6:30。
布団から出た自分は静かに制服に着替え、無駄な行動はせず顔を洗い、朝食を摂り。
あの蒼御邸宅跡に、有った姉さんの遺品である歳寒松柏と書かれたお守りを制服のポケットに入れ。
仏壇に正座し手を合わせた後にキャリーバッグを手に取り眩しい太陽の光に照らされ、学園へと向かう。
学園長、もとい私と同棲をしているルシファーは、既に今日から始まる南方遠征課外授業。
南の方に在ると言う学園への申請書類と言った物の整理で、学園の執務室で忙しなく動いてる事だろうな、等と考えながら歩いていれば
「よっ!」
私の背をさぞ昨日はよく眠れたであろう様子の花火が、元気よく叩き一日最初の言葉を交える。
「おはよう、花火」
「おう、つか早いこったな」
微笑みながら其の様子に声を返し、二人で並びまだ人の少ない街中を歩いていく。
時刻はA.M.6:50、この速度ならば7時には学園に着くだろう。
あの事件から約1ヶ月、休暇を挟んで6月に入り事件から街並は落ち着きを取り戻していて、今では見る影も無い。
私は、あの事件後、学園長と共に蒼御邸宅跡地に向かった、そして見つけたのが御守り。
崩落"事故"から、それなりの年月が経っていた為に御守りは糸が解れたりなどしてボロボロになっていたのを、学園長に継ぎ接ぎでも直してもらった。
唯一の姉の遺品、大切にしなければと意気込む私の顔を見兼ねたのか
「もう着いたんだし、あんま暗い顔してんなよ〜」
と頬を指で突く花火、少しの出来事を思い出す間にか、学園前に到着。
その花火の声に私はハッ、として口角をぎこちなく上げる。
「そんなぎこちなくしなくても、オレらが居るからさ、な?」
「ごめんなさい、あの事件の事が忘れられなくて」
「1ヶ月だもんな、まだ……無理、すんなよな」
心配気な花火に、私は改めて微笑み返し言葉を返す。
「大丈夫、いざとなったら頼らせてもらうから」
「おう!いつでものしかかって来い!」
そんな会話をした後に各々用事のある場へ、また後で、と向かう。
花火は部活の朝練の為、体育技場女子更衣室へ。
私は……。
「準備はいい?深呼吸をして」
「分かってます、先生」
櫃の前に立ち、深く深呼吸をして思い出す。
あの戦いで私は契約族を失った、と言うよりも元から騙されていた人の真似事をした災獄に、だからこそこれから行うのは新たな契約。
「じゃあ、始めるわね」
保健室の先生でもある天止は端末を操作し、それに合わせ静かに淡い蒼色の光を放つ櫃。
その中で、私が契約に応じた契約族は……。
それから約二時間後。
学園正門前で南方遠征課外授業の出発式が行われている、第一部隊から第三部隊までの全員がしっかりと整列。
各々顕現させた承器を構え、学園長からの言葉を聞く。
「私達は勝たねばならない、これからの人類の未来を掴み、明日の生活を保証する為に強く在らねばならない、人として人類最後の守護者として」
「故、今回の南方遠征は、人類の守護者たる君たちが成長し強くなる事を願われ行われるものであるという事を忘れてはならない!」
その言葉に、生徒の顔には動揺も何も無い。
契約者達に託されているのは目の前に立つ学園長通りの、人類の未来であるから。
何方かと言えば決意の顔。
「各々(おのおの)の思いが実る事を私も願い、期待していよう」
その言葉の後に拍手の嵐、出発式は終了し契約者は各部隊に用意された装甲車と言えるか如くの堅牢な、運転席さえ無人のバスへと荷物を積み、各々の自由な席へ座っていく。
静かな駆動音を鳴らして進み始めるバス、教師の同行は無い。
課外授業とは言うものの、学園自体から教師が少なくなると労働的な意味で人手が足りなくなるのだとかで、生徒のみの課外授業となるらしい。
最新AIを搭載した装甲バスは、砕けた瓦礫やズレた崖や荒地となった"元"街を窓に映しながら目指すは新京都にあると言う日本南部連盟立対災獄学園()フロントライン。
私達がこれから向かうのは、比較的に災獄による被害が少ないが一番災獄への対処に専念していると言う新京都市である。
「……京都かぁ」
真逆の窓側に座る北風 南が呟いたのが聞こえ、その様子が何処か私は首を傾げ問いかけた。
「どうしたんです?何処か浮かない顔をして」
「ヒェアっ!?あ、嗚呼……なんだぁ、凍花ちゃんかぁ」
「?…なんだか様子が…」
何処か俯きがちな北風の様子、いつもの北風 南であれば好奇心というのから自分たちの中で最も喜ぶ様な人だと言うのに。
「な、なんでもないよ、うん」
「そうですか?なら良いのですが……」
この時の違和感を、気にしておけばと今の私は何も気にしなかったことを後悔するのはまだ先のお話。
数刻後……太陽が空の真上に登るP.M.12:36程。
フロントラインまで後、数十kmという所に突如として高速道路上でバスが停止、バス内の無線を利用し流れてくるのは女性の様な電子音。
「警告、数百m先、複数体小型災獄の出現確認、出撃選定……契約者三神 暁のみで出撃して下さい」
のみ、という言葉に皆は違和感を覚える。
当の本人である彼も同じく
「なぁ、他の部隊は着いてったらダメなのかよ」
「その問いかけにはYESとお答えします」
花火の質問にYESと答えるAI、クラス全員が三神が座る席の方へ顔を向けた所。
三神は既に、承器すら持たずして外に出ていた。
「来たか」
ゆっくりと、先へ進み正面。
そこに居たのは小型などではなく大型の災獄、人に近い全身骨格ではあるものの其の見た目は竜人と呼ぶに等しいもの。
体長は恐らく3mと少しほど。
「……何者だ」
「その前に、擬態は上手かったろう?」
「何?」
擬態、恐らくバス内の災獄探知のAIが複数の小型災獄と勘違いしたのはそれが原因。
「…そうだな…そんな事はどうでも」
「良くないんだなこれが、もしもオれがあの後ろのバス?とかいう乗り物に攻撃したらどうする?」
「お仲間は吹っ飛ぶぞ」
両者の間に風が吹く。
一触即発とも伝えるような風が、優しく静かに。
「……まぁいいさ、お前、そんな顔がよく出来たものだ」
ひたすら、ただひたすらにまるで野生で鍛え上げられた巨大な熊を相手に吠える仔犬の様な眼をしていた此方の眼を見て相手はそう呟き。
「何だと……?」
「サヨウナラ、怪物、また会おう」
まるで友人が如き態度で獄門の中へと去る竜人の災獄。
……何なのか、とざわざわと鳴る胸を押さえながらバスへと戻り。
「災獄殲滅確認、進行ルート再設定出発します」
再発進したバスは、生徒らを乗せて静かに新たなる物語の始まりを告げる。
目前に見える和を重んじた街並み、そして大きく街の後方に見える学園フロントライン。
「到着致しました、荷物を回収し下車してください」
電子的な到着を伝える音声。
それは新たなる物語への祝福か、はたまた……。
to be continued。
「次回予告」
日本南部連盟立対災獄学園フロントライン。
我々と同じ契約者が居る大きな学園の一つ、比較的に付近の街も平和な日常を送る程度には防衛などは安定している。
そんな中、
深海に揺れる巨影、地平の影に息潜む偶像。
厄災の訪れは直ぐそこに。
次回
「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」
第二十三話:フロントライン
「左腕の男か……はっ、化け物め」




