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彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花  作者: 新人小説家ハルト
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第二十.五話:それぞれの休暇【第二部隊編】

はい、皆様どうも。

六日ぶりの更新となります新人小説家のハルトです、中々これまた最近暑いですね。


溶けます、四回ぐらい熔けます。

普通に暑すぎですよね、はい。

5月というか、まだ6月ですよギリギリ。


まぁ、頑張りましょう。

時刻はA.M.7:00、布団篭もりの一人の少女が自身の部屋のカーテンを開かれ、その眩しさにゆっくり、まるで蝸牛(カタツムリ)の様に出てくる。


「…ひん…陽の光……」


「起きましょ、ね?」


「かっ、喜成ちゃん……」


眠そうな声と共に布団から起き上がったのは、大きなクマが着いたミント色の目に、第二部隊 紫煙の隊長である御珠 縁。


「まぶじいよぉぉぉ〜」


「はいはい、これから皆と戦闘訓練するんだから、早く準備しようね」


と、それを起こそうとする魔女の末裔である少女にして副隊長の喜成(かなり) (ゆき)の姿があった。


この二人はあの作戦から数週間、彼女達の傷は隊員含め全員、深くは無く、寧ろ第一部隊の支援にだって行けるはずの余裕があったと言うにも関わらず。


隊長、副、全員が心身ともに疲労が激しいという理由で一度学園への撤退を余儀無くされた事を悔やんでおり、部隊全員で改めて今後の事も考え、学園内に建てられている寮の空き部屋を借り戦闘訓練を行っているのだ。


「さて、行きますよ、隊長」


「き、き……緊張するからやめてくれないかなぁ、その呼び方」


お気に入りの洗剤の匂いが着いた制服を二人は着用、軽い朝食を取った後に、同じく学園内に位置する体育技場へと向かった二人の耳に飛んできた第一声は。


「遅ぉーーーーいっ!」


派手な金髪ポニーテール少女である。

佐々(ささくれ) (みさき)


「そうッスね、遅いっスよ」


その隣に立つのは地味そうな銀髪ぼさぼさ少年である裏腹(うらはら) (かず)


中学校からの幼なじみの二人らしく、喜成(かなり)ちゃん曰く「かなりくっついて欲しい、喜成だけに」って事らしい、私にはよく分からない。


「…ひっ、ひぃ…ご、ごめんなさい」


「まぁ、お二人ともそう言わないで下さい」


むすー、っとした顔を崩さない佐々(ささくれ)喜成(かなり)は宥めつつ、裏腹(うらはら)が口を開く。


「と……始めるんスよね」


「そうだね、訓練と言っても今回のは特別違うものをやるよ」


喜成の(かなり)目付きが変わる、真剣……と言うよりもその場の空気全てを根底からひっくり返すようなものだ、約一週間近く、できるだけ実戦に近い戦いを行ってきた第二部隊。


ただ今回のは、と。

喜成(かなり)は腰にぶら下げたデバイスから、体育技場全体へ実戦型の仮想空間を遠隔操作で展開していくと同時に。


「隊長、構えてください」


「へっ……?」


瞬間。


仮想空間の壁へ、風切る勢いで叩きつけられる御珠(おたま)


叩きつけた相手は無論、喜成(かなり)であると其の近くに居た佐々(ささくれ)裏腹(うらはら)は直ぐ様、己が承器を各々構えるも。


「邪魔」


魔女の末裔である喜成の"魔術(そうさ)"によって、容赦なく左右方向へ吹き飛ばされていく二人。


其れを改めて視認して、御珠(おたま)もその意を察すれば己が背後の壁を。

全力か、いとも容易く蹴り砕きながら喜成(かなり)の居る方へ跳びつつ、承器を右手に握り其の脳天目掛けて振り下ろしていく。


「隊長、隙が多い」


「……どうかな」


遅く振り下ろされた承器に動揺の目はなく、横に半歩移動することで回避、末裔(かなり)による四度目の魔術(そうさ)の行使。


不可視と言えど、詠唱無しでの魔術というのは私が見ているアニメでも漫画でも範囲や強さは限定される、つまりそれらの空想と同じ様な物であれば、と。


まるで軟体動物が如く、腰やら足やら、角だらけの人間としての圧倒的限界を越えた180度を空中にて捻り、正面切って飛んできたであろう魔術(そうさ)を回避。


右手から振り下ろし、半歩で躱され地面を削りながら突き刺さった斧を、軸として利用し微笑み満ち溢れた顔をしながら末裔(かなり)の顔面向かって、右膝蹴りを叩き込んでいく。


その対処を怠った末裔(かなり)は、軽い布を蹴ったかのようにフワッと体勢を崩し。


三人剣(サード)ッ!」


笑み溢れる顔は一切崩さず、切れ掛けの息なども関係ないというような顔で下される命令を聞いて、それを待っていたかと言うように三歩、左右より挟撃を狙うか。


駆け抜けてくる裏腹と佐々呉。


これが、三人剣(サード)

隊長である御珠がアニメ、ゲーム、漫画好きで、ある漫画に実際にあった戦術(タクト)より生み出された産物。


先ず御珠が相手の正面切って、体勢を強制的(むりやり)に浮かすか、(こわ)させる事により発生した隙を。


すかさず左右方向より待機、又は相手から攻撃を受け、やられたフリをしている隊員二人が挟撃という形で三歩以内に其の(こわ)した相手へ接近し同時攻撃するというもの。


それで相手が(こわ)れなければ更に前に一歩、三人同時で踏み込み、確実に相手を叩き潰す一方的に殴り散らかす確殺戦術(キリングタクト)


実践での訓練ともなれば、これを使用することは副隊長である喜成(かなり)にも予測は出来ており……。


「安直です」


正面切った二人、逆に其の突っ込んできた勢いを利用し首元(くびもと)に素手でのラリアットをぶち込んでいく。


「げぇっ!?」


「ぐっ…ッ…」


魔術ばかりが彼女(かなり)の手に在らず、暴力的面も在るというのが彼女の強さである。


まるでカエルが子供に潰されたような音を鳴らしながら、ラリアットを喉に直撃とあらば物凄い勢いで裏腹(うらはら)、佐々(ささくれ)に直撃する。


普通なら死んでもおかしくないが其処は喜成(かなり)、流石かギリギリ気絶する程度に留めているのだ。


この時点で勝ちの目は無くなった、何せ三人剣(サード)は二人の勢いに更に相手の堂々正面突っ込んだ御珠(おたま)の一撃が必須、それ以前に左右の二人が潰されたのなら意味が無い。


軽くその場で二人を支え寝かせた後に、両の手を払うように喜成(かなり)は叩けば。


「終わりですね」


「か、喜成ちゃんツヨすぎ……」


「まぁ、実戦ですし」


さも当然のような顔をする彼女(かなり)に私は少しの恐怖を覚え、その日の戦闘訓練は終わり私たちは共に寮の方へと戻ってご飯を食べて、お風呂入って、歯を磨いて眠る。


明日もきっとこんな感じでキツイ運動とか訓練をする。

あの時、(みかみ)が凄い力を出してなかったら……彼女達(だいいちぶたい)は死んでいたかもしれない。


もっと強くならないと、とそんな事を胸に常に抱き今日も彼女(おたま)は眠るのであった。


場面は変わる。

地球の裏側の空間「深淵」より、何処か分からぬ場にて紡がれる会話、八体の影が玉座に座する「王」の座へ集い膝を着く。


八転獄道。

災獄の中でも指折りの怪物(わざわい)、それを圧倒する巨いなる「力」を持つ王、その指から下される(めい)は。


「……蹂躙しろ」


至極、"普通"のものだった。

そして次に指を指すのは膝を着く内の一体、愉悦を求める道化師、人のフリをして、人にナろうとする怪物(わざわい)


次なる災いは既に近いらしい。


「次回予告」


第三部隊、滅多に照らされることの無いライト。

休暇、個人の自由、以上。


……というのも冗談じゃない、皆それぞれの休暇を過してるから邪魔すんなよ。


次回

「彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花」

第二十一話:第三部隊の休暇


「え?他に喋ろって?やだよ、めんどくさい」

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