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彼は誰の紅 蒼く咲く凍りの花  作者: 新人小説家ハルト
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第二話:適正検査

第二話の投稿となります。

無論のこと、今回もしっかりと設定を練り、日常パートが続いておりますがどうぞよろしくお願いします。

3時限目、歴史の授業は普通の話だ。

誰でも知っているような、歴史の話と主な三種族についてのおさらい。


三種族(さんしゅぞく)とは……」


退屈ではない、知識としてしっかり学んでおくに限るが、どうにも眠い。

眠そうに大口を開けて、欠伸をしながら肘を着いて授業を聞いていく。


「天止は、天界(パラダイム)、要は空の次元を越えた天門(ルナゲート)の奥にある日本に続く第二国に住まう、神から授かった奇跡を行使することが出来る奴らを指す。

堕天止は……まぁ、今度で良いだろう。


天止は勿論、今では人類も他の種族も行くことが出来る、天、つまりは空の次元の中にあるため天候はしょっちゅう変わる、冬場でなくとも雪が降ったり、な」



「人類は、まぁ変わりない、地上に住んでいる。

旧暦(ロストヒストリー)からな、だが少なからず、旧暦の人類とは違い、環境への配慮などはしっかりとできているようだし、成長したとも言えるだろう」



「災獄は言わずもがな、推定十年前に深淵(アビス)、地球内部にある、そもそも人も他の種族も住めるような環境では無い、次元の狭間とも言うべき場所に文明を築き、そこで力を蓄え復活を果たした。

そしてそれ以来、何を企んでいるのか、定期的な災害のように地上に獄門(ゴクゲート)と呼ばれる場所を通り、現れる」


「目的などは不明、だが幾つか分かっていることはある。

災獄のランク付けがされていること、そして主導者、天止や人類のように意志を持つ存在が居ること、八転獄道(やてんごくどう)と呼ばれる八卿議会のように強力な力を持つ連中がいること、そして災獄のランクは弱い順に」


魔獣(フンババ)級、魔指揮(ジェネラル)級、魔人(ウィザード)級、都市破壊(マルドゥーク)級、国破壊(ティアマト)級となっているが、あくまで私達、八卿議会の決めた枠組みに過ぎない、もしかすれば越えて来る可能性も……」


そんな授業の中、終わりのチャイムが鳴れば号令と共に皆、俺も含めて立ち上がり。


「起立!!」


「気を付け!!、礼!!」


と終礼をして、四時限目までの少しの休み時間が来る、四時限目は適正検査。

言わば定期検診のようなもので、承器(しょうき)契約族(ミスラズ)の適正を調べるらしく、俺は適正検査ではなく適合準備、皆と行く場所は同じだが、やる事は違うらしい。


契約族と呼ばれる、各々の想像や心内、身体の状態などに影響され形を固定化する種族がおり、その種族らと契約を結び、契約族の強力な力を引き受ける器、承器、言わば武器が必要なのだとかで、中には特殊な契約族もいるらしい。


移動していたりする同級生へと着いていきながらそんなことを考えていれば。


いつの間にか先に教室を覗き見かけたオドオドしてそうな、女か男か分からない中性的な、顔をした緑髪の俺より身長の低い何となく頭の良さそうな奴の隣で歩いていた。


「き、君……」


何となく話しかけてきた声は、やはりというか想像通り中性的であり、女性味もあるが男味もあるような感じで。


「なんだよ、なんか用か、あってんだろ?四時限目こっちで」


「え、あ……う…うん」


そのまるで犬のように落ち着かないで、焦る感じ何となく面白いが、ウロウロされるのも気に食わないし、名前は聞いておこう、と。


「お前、名前は?」


「きっ……北風(きたかぜ) (みなみ)、15歳」


「北風なのに南なのか?」


「う、うるさい、僕だって気に入ってるわけじゃない」


「へいへい、南でいいか?」


「へ?あ、えと……うん」


照れるように顔を隠すな、なんか俺が悪いみたいだろなんてことを考えながら;呆れたように顔を赤くする北風 南の様子を見ながら、適正検査室とやらまで、歩いていけばモニタールームのような場所に辿り着き。


中へと入れば丁度チャイムが鳴り、少し狭いか広いかぐらいの部屋の中に、2年C組、15人程が集まり北風 南はルシファーの後ろにある席に座り。


モニタールームの方からは強化ガラス窓から適正検査用の何かしらの装置と思う下の方に、"()る"、鎖だらけで地に繋がれた巨大な(ハコ)のようなものがある。


授業の始礼は無く、堕天止ルシファーとモニタールームの制御盤のようなものに座る北風 南が口を開く。


「適正検査を開始する、北風、準備は出来てるな?」


「は、はい」


「良し、各自出席番号の順で行う」


「各自承器を持ち、下の適正検査場(てきせいけんさじょう)へ並べ、三神は此処で北風と待機だ」


各々生徒がモニタールームより見える、ルシファーと共に下の適正検査場へと向かえば、各々がデバイスより、まるで空間から飛び出してくるように承器を取り出し、自分はモニタールームで待機して、北風はよく分からない、ES、レベル、とやらのなんかがモニターを制御し映しだしていく。


「なぁ、これってなんだ?」


レベル、ESなどの表記を指を指して北風に聞けば


「これは、レベルで適正率を表すものだよ、契約族との絆や連携が強い人ほど高くなるんだ」


「出力、つまりES、エターナルスパイラルはそのレベルの分、力を引き出せているかって言うやつで、これを見るのが僕は楽しみで、平均は80レベル以上、ESは90くらいなんだ。

最大値レベルは900、ESは500」


「ほーん、お前は適正検査受けないのか?」


「あ!もしかしてモニターに興味ある?操作とか……僕は放課後やるんだ、どちらかといえばオペレーター向きだからね」


「そーなのか。

いや、ない」


「そ、そっかぁ……」


苦笑いをしながらそう返す、北風に真顔でそう返し何となく気軽に話せる仲になった北風と、そんな雑談を交わしながら一人ずつ、適正検査を受けていき、2年C組のは全員高めな事を覚えておき、最後の一人蒼御 凍花となった。


「次、蒼御!!」


そして、下の適正検査場では、特殊な拳型承器を両手に装着する赤髪の女と金短髪のハープ型の承器を持つ女が話していた。


「彼奴はいっつも出力もレベルも桁違いだよな」


「でも可愛いから許せちゃいますよね」


「いいや!許せねーな!俺がいつか越えてやる!」


「ふふふ……はなちゃんはいつもそんな感じですね」


「はなちゃんって言うな、花火でいいだろ」


「わかりました」


なんてことを二人は交えながら、蒼御が櫃に承器を翳せば出た結果は。

レベル:100 ES:100、クラスの中で最高値を叩き出し、場面は変わりモニタールーム。


「もうすぐルシファー先生に呼ばれるんじゃないの?暁」


「そーだな、準備しとく」


返事を返し、改めて蒼御の数値を見返し、此奴の数値狂ってやがる、なんてことを思いながら下の適正検査場へと向かい。

適正検査を受けていた、生徒らとルシファーはモニタールームへと移動し、その移動の最中ルシファーは


「硬くなるなよ」


そう此方の肩に手を起きながら、耳元で囁き肩を軽く叩いては送り出すように背中を押し。

適合準備に入る。


「適合準備だ、三神 暁」


「左腕の包帯を外せ」


先の話。

学園長執務室での、話はその事だった。

適合準備の際は、左腕の包帯を外して受けろ、とそれで一時間ほど揉めていたが、2年C組の生徒には何とか納得させるという条件付きで話は納まった。


故に、鎖だらけで繋がれた櫃の前に立ち、左腕の包帯を一気に外し投げ捨て、そこにある姿にモニタールームの制御を行う北風すら立ち上がり、蒼御、五十風、赤髪の花火と呼ばれた女に金短髪の女ですらその驚きの顔は隠しきれず、ただ一人ルシファーのみが、何かを噛み締めるようにしてその様子を見つめていて。


「なっ……!?」


「先生!!あれは……!!」


「ちっ……やっぱ隠してたのかよ」


「まぁまぁ……おやおや」


「なんだありゃ!?」


各々がそれぞれの反応で、三神暁へ驚きや恐怖、又は軽蔑を抱く状態であった。



「次回予告」


適合検査を遂げるため、今まで他人には見せることの無かった左腕を2年C組の皆に見せた三神暁、皆が驚愕する中、適合検査は無事終わらせることはできるのか……


そして開かれる。

獄なる門、そこより現れる災いの獄。


それに呼応するかのように、何処からか現れる謎の存在。

波乱の転校初日、果たしてどうなってしまうのか!


次回、彼は誰の紅、蒼く咲く凍りの花

第三話:災・獄・暴・破


この物語の果てに、キミは何を見る?

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