プロローグっぽいなにか
それは、大昔…でもない、つい64年前の事であった。
5月、すでにヒトラー亡き今、首相となったゲッベルスも家族を巻き込んで自殺。
その後ドイツは降伏し、ここにナチスは消滅した。
しかし今でも残党は多く残っている、その子供や孫、影響された人々は今もナチス復権の為
活動をしている。しかし世はナチス=悪ととらえており時には捕まる事もある。
彼らはネオナチともノイエ・ナチスともいう。
もちろん、日本にもいた。
その1人が彼、佐藤洋介である。
「…」
彼は現在高校2年生で春日部に住んでいる、だがノイエ・ナチスである。
学生運動、というものが一昔前盛んであった。
似たようなものでナチスの同盟があった。
洋介は春日部第一高校(もちろん架空の高校)に通っていた。ここは文系の学校である。
ちなみに同校に存在する共産主義の同盟とは敵対関係にある。ナチスを志す彼にとって反共と
いう立場は当然であった。
ちなみにどちらも公安からマークされている。
ガチャッ
ナチス埼玉方面軍というノイエ・ナチスの埼玉県の高校生による同盟があった。
ここは第6榴弾兵師団の総司令部としても機能していた。
「ジーク・ハイル!」
ナチス式敬礼にこの叫び声はもはやナチスの定番である。
この部屋には28名の男女がいた。いずれも人生のどこかで影響をうけ現在に至る人々である。
ただし不良と違い、妙にぴしっとしており礼儀も正しい(ナチス的な意味で)
洋介は大佐という階級を貰っている。
-翌日の朝-
近くに軽音学部の部室があるのでそこから楽器の音が聞こえるがそれよりも大音量で
党歌であるホルスト・ヴェッセルが大音量で流される。
「Die Fahne hoch!die Reihen dicht geschlossen!S.A. marschiertmit mutig-festem
Schritt, Kam'raden die Rotfront und Reaktion erschossen marschier'n im Geist
in unsern Reihen mit 」
もちろん教師からも目をつけられているが手をだすにも出しようがないほどの熱狂ぶりであった。
ここまで忠誠を誓っていると逆にすごいと褒める人も少なくはなかった。
ガララ!
朝の集会が終わって党員(彼ら曰く)
ただしの部屋をでると党員たちは普通の学生である。
2-1組-
「ナチがきたわ…」
だが、洋介らは噂はされていた。
戦後教育をうけ特に知識もない大半からは嫌われていた。
「将来クーデターとか起こさなければいいけど…」
(ったく、そこまで危険ではないぞ俺らは)
(選挙で勝つのがアーリア人である)
10分後、教室に先生と見覚えのない少女が入ってきた。
「転校生だ」
先生は転校生の名を書く。
「えっと、北海道から来ました佐倉櫻花です、よろしくお願いします」
(櫻花?親は無知か?娘を特攻させる気か?)
洋介にとって櫻花とは特攻兵器ぐらいしか思いつかなかった。
しかし少女はとてもかわいらしい女の子であった。
髪型はセミショート、黒髪黒目のいかにも日本人であった。
「とりあえず佐倉さんは、…はぁ佐藤君の後ろで」
なぜか佐藤というまえにため息をついた、そう先生だから当然知っている。
洋介がネオナチだということを。
しかしあそこ以外スペースがなかったのでやむをえなかった、というのが先生の見解である。
ため息をついた先生に櫻花はすこし違和感を覚えた。
(?)
この時彼女が知る余地もない、洋介がネオナチだということを。
朝の会らしきものが終わると当然転校生の周りには人がたかる。
「ねえ北海道のどこからきたの?」
「札幌」
「たべとかなまらとかって言わないの?」
「言わないよ〜、札幌そんな田舎じゃないし」
「ラーメンサラダとかって本当にあるの?」
「あれおいしいよ!」
だが洋介の所には誰も近寄らない、多くの人は洋介を危険人物と思っていた。
(まあ、回りにうざいのがいないほうが落ち着くが)
そう思っている洋介にはあんまり関係なかった。
後ろに転校生がいながら話す事もなかった。そもそも話題がない。
昼休み、学食を食べにいったがつきそう奴など同じ党員しかいない。
「ナチの下衆がぁ!!」
そうやって襲ってくる人はいるが洋介は喧嘩は強いほうであった。
「赤に言われる筋合いはない!」
バキィ!
こうして撃退するパターンのほうが多かった。
放課後、いつものように党員で集まるのだった。途中ドイツ軍将校クラスの偉そうな軍服を
来た洋介がその部屋を出た、そこをたまたま櫻花が歩いていた。
(あれ…佐藤君?)
(あの服装…)
「あれ?どうしたの櫻花?」
櫻花にはもう友達ができていた。
「いや、なんでもないよ」
「…ああ、あいつね、佐藤洋介」
「やめといたほうがいいと思うよ、あいつ本物のネオナチで」
「ネオナチ?」
「えっと…その、今ものこるナチスっていうか…ああもうよくわからない!」
「ほぉ…」
だが櫻花の目は洋介を追っていた、彼女には思想やらなにやらよりも見た目が一番
なのだろうか?
-イメージ-
「おい!あの女を狙撃しろ!」
「イエッサ!」
「…食らえジャップ!」
アメリカ兵は恋のキューピットのように胸に銃を放った。
その銃は見事櫻花の胸を貫いた!
「!!」
(悪い人には見えないわ…きっとかっこよくていい人よ!)
勝手に片思いされ、そしていろいろな人物から貰われる洋介だがどうなる事やら。
戦争ものばっかり書いてるので気晴らしに、という事
で半分おふざけの小説をってことで勘弁してください。
次回:
いつもどおり活動を続けていたら共産主義者の集まりが攻めてきたので
第6榴弾兵師団は校庭へ迎撃に向かう。かも