楽園です!
よろしくお願いします!
初裁判から3カ月程度が経過した
俺は正式に神官となった
二つ名まで与えられた
これも俺を悩ませる
[真聖]のブラド
そう世間では呼ばれている。
真実を見極める聖人だそうだ
やめて頂きたい
俺は前世でもしんせいではない。
か...やめておこう。
とにかくこの世界にそう言った単語がないにしろ
真聖のー
あれが真聖かー
あんなに小さいのに真聖なのね!
みたいな事言われてみろ!
死にたくなるぞ!
既に100回は死んでいる。
ったく
それもこの街の筆頭裁判官として配属された。
まあ裁判でしか役に立たない能力だしな。
だけど
補佐神官にキースの野郎が...
「ブラド神官!なぜ野菜を残すのですか?」
美味しくないから
「農家の出でしょう?ならば作る大変さを知っているはずです!ちゃんとお食べなさい!」
勿体ないか俺に野菜ださなくていいよ
「そういう訳にもいきません。ブラド神官はまだ5歳ですから、肉体的にも成長期です。好き嫌いせずバランス良く食べなさい!」
もうコイツおかんやん。
そう、キースは最初こそ尊敬してくれたが、今となっては毎日小言ばかり。
今も食堂で好きなもん頼もうとすると「昨日も一昨日もそれでした!」とかいって野菜たっぷりのメニューに変えたのだ
好きなもん食わしてくれよ...俺こう見えても35歳よ?
「いいえ、どう見ても5歳です。それとこちらが話しているのですからブラド神官もちゃんと話しなさい!失礼でしょう?」
ええやん別に
会話成り立ってんじゃん。
正直
仕事も
教会にいても
何をしていてもキースが付いてきては世話をやく
窮屈だ。
そういう時は夜遊びにでるのだ。
ストレスが溜まっては良い仕事はできないしな。
うん。
神官服を脱ぎ捨て
街にでる。
街に出ると夜でもやってる食堂や
服屋
風俗店がある
ふむ、何でもあって良い事だ。
だが流石に風俗はいけない。
この街で顔が売れ過ぎてるし、そもそも5歳では入れない
あと7年の我慢だ。
なに、35年耐えてきたのだ
7年位あっという間さ
しかしこの年齢での楽しい遊びが思いつかない
前世ならPCさえあれば一日中時間が潰せたものを
そんな事を考えていると前から見知った奴がこっちに近づいてくる
ジャイロだ
こいつは貴族も通う王立の学院に通う生徒なんだそうだ。
結構暇なのか街にでると高確率で会う
なんでも匂いがしたら挨拶にくるんだと
ちゃんと風呂には入ってるぞ!
「ようブラド、調子はどうだ?」
こいつ見た目はマジでチンピラなんだよな。
「退屈だ。なんか楽しい遊びないか?」
こいつに取り繕っても仕方ない
ついでにいつも遊んでるし、この街の遊び方を教えてもらおう
「あぁーブラドはちっせえからなー真聖なんて大層な二つ名ついてっけど大抵のとこじゃ遊べねえんじゃね?」
うっさい!
小さいと真聖は一緒に言うな!
誤解されるだろ!
「んじゃこの街で5歳は夜なにしてんだ?」
暇で仕方ないだろう?
「この街に限らず5歳はこの時間は寝てる。夜更かしする悪い子はブラド位なもんだ」
さよけ
「つっても遊ぶ場所がねえわけじゃない。ちったぁ神官様には刺激が強い場所になるが構わねえか?」
刺激が...強いだと!?
「そこは5歳が入っても違法ではないか?」
ジャイロが笑う
「大丈夫だ。流石に神官に違法は進めねえっつっんだよ!」
こいつはなかなかに使えるのだ
遊びは知ってるし、法の抜道も知ってる
グレーであっても黒でなければ問題ない。
「なら頼もうか。金は俺が出すぞ。」
こう見えても神官だからな。
教会員は全部で7000-8000人位も全国でいるらしいが
神官ともなると俺も含めて5人だけ
特に最近は連日裁判だったからな
給金も引く位良い
「ははー!いつもありがとうございます、ブラド神官様!」
大袈裟に傅く
だが気分は悪くない
「よいよい、さあ連れて行くがよい。」
いいや
気分は最高だ!
連れてかれたのは大型のカジノだ
超キラキラしてる
「おい、ジャイロ。俺カジノとか入った事ないんだが?」
ぶっちゃけちょっと怖い
だって
黒い大きな人が入場審査とか
かけてたら何もしてないのに「お客さーん困りますよー」つって裏に行ってボコボコにされるとか
なんかもう怖いイメージしかない。
日本にはなかったしな。
「なーにビビってんだよ!普通に入れるぞ?滅多にいないが子供連れとかもいるからな?」
ビビってねえし?
余裕だし?
「んじゃいくか」
俺は意を決して人生初のカジノに足を踏み入れた
中に入るとそこは楽園だった
天国と言い換えてもいい
魔術による適切な温度管理
煌びやかな店内
そして美しいバニーガール
それもかなり際どい
何がとは言わんぞ?
「ジャイロ、今日は好きなだけ食べて飲め。俺が全て奢ってやる。値段は気にするな。」
店内に入っただけで最高の気分だった
「気に入ったか?ブラドはマセガキだかんな。ぜってぇ気にいると思ったぜ」
今なら何を言われても構わない
毎日通いたい
「あぁ最高だ。ここはどうするのがスマートだ?」
何が?とはいわない
「あぁ、あっちの席で飲み食いできんだよ。そこで注文するとさっきのバニーちゃん達が受け付けて飯もバニーちゃんが持ってくる。ついでに2時間に1回そこのステージでバニーガールによるショーがある。カジノはギャンブルだけが楽しみじゃねえんだぜ?」
こいつはわかってる
俺がなにを求めてるのかも全てわかってる
次のショーまでは帰らんぞ!
「因みに飯も酒も高級なもんばっか使ってるから美味い。値段も高級レストランと比べれば安い。まあそれでも食堂の5倍はするがな?」
なんと!
バニーちゃんに注文できて、バニーちゃんに持ってきてもらえて、2時間に一回バニーちゃんのショーも見れて...
食堂の5倍で済むのか!?
間違いない、ここは天国だ。
「ブラド早速注文しに行こうぜ腹ぁ減ったぜ!」
あぁ!
そうしよう!
結論から言おう
カジノは最高だ!
飯は美味い
ジュースも美味い
バニーちゃんはみんな可愛い
そして何より
「ブラド、注文し終えた後と飯もってくる時が最高のタイミングだ。チップを渡せ。すると胸に触れるぞ」
なんと!!
まずは手本をというジャイロに日本円で言うところの1000円程度、銀貨を1枚渡す
すると注文を取りに来たバニーちゃんに最後チップというと胸を出される
そしてその豊満な谷間にチップを挟むのだ。
ジャイロの指は軽く胸に触れる
しかしバニーちゃんは喜んでいる
これぞwin-win!
なんて幸福な関係なのだ。
次は俺が!と意気込むとジャイロに待てと言われる
「一つの席で同じバニーちゃんに違う奴がチップを渡すのは厳禁なんだよ。だから次に飯持ってきた時もさっきのバニーちゃんが俺のところにもってくる。んで俺がもっかい触りたければもっかいチップを渡す。そうやって関係値を作っていって馴染みになるんだ。だからブラドはどのバニーちゃんにするかしっかり選べ。選んだ上で注文で呼べ。んでチップを渡せ。んで飯持ってきてもチップを渡せ。それを繰り返せ。」
ジャイロ...お前はなんていい奴なんだ。
俺はジャイロにチップ用に銀貨を10枚渡す。
俺の分はまだ軽めの軽食とジュースだけだ。
まだまだ食える。
いける、いけるぞ!
誰だ、誰にする?
狩人の如くバニーちゃんを見渡す
まずい!
どの子も可愛い!
選べない!
...
俺が苦悩していると事件が起きた。
ガシャン!
静かな音楽の中に揉め事の音がする
そちら側を見ると謝ってる従業員とバニーちゃん
で客らしき奴がなにやら怒っている
なんだ?
「どうなってんだよこの店は!俺ぁまだ賭けるつってんだろ?」
すると従業員が口を開く
「大変申し訳ございません。ですがこうも連日大勝され続けますと経営支障がでます。大変申し訳ございませんがポーカーやカード類は禁止させて頂いて他の賭け事にしては頂けませんか?」
ふむ。
「ジャイロ、こういったことはよくあるのかあれはイカサマなんじゃないのか?」
ジャイロは首をふる
「イカサマはねえな、ブラドも入場する時審査を受けたろ?あれでスキル系を確認されて不正が出来そうなものは出来ない決まりになってる。だからイカサマはねえな。ましてやポーカーは店側が配るもんで客は触れねえ、まあ強運が数日続いた...にしてはちょっと妙だなとは思うけどな」
ふむ。
スキル、か。
「カジノでスキル判定を受けて問題なかった奴が賭けられねえなんて話し聞いたこたぁねえ!どうなってんだこの店は?」
にしてはあいつ強気が過ぎる
なんかありそうだな。
あぁ、あのバニーちゃん震えちゃって可哀想。
「ブラド、ここは裁判じゃないし、あいつはスキル検査を受けてる。ならシロだ。余計な真似すると痛い目にあうぜ?」
わかってはいる
だけどみろ!
あのバニーちゃんを
あのバニーちゃんが震えると胸もプルプルと...
あぁダメだ!
耐えられん!
「済まないな、話しに加えさせて頂けないだろうか?流石にこれだけの騒ぎを起こせば見過ごせん」
大柄な客は俺を見る
こいつムッチャこえーな
虎系のハーフとかか?
「黙れガキ、怪我したくなけりゃさっさと失せろ。死にたくねえだろ?」
死ぬのは怖い。
そして今も漏れそうな程には怖い
てかそれ以上顔近づけんな
漏れるぞ!
「これは失礼をした。確かに私はまだ子供だが神官をしていてな。この時間でも美味い飯が食えると友人に誘われてきてみればこの騒ぎ、少々不愉快でな。私の持つ権限の範囲内で決着をつけようと思ったのだよ」
そう言って神官のバッヂを見せる。
決まった!
これで解決すればバニーちゃんからの評価も急上昇だ!
「神官、てぇと噂の真聖様はてめえの事か。権限の範囲内で決着ってなぁどういう事だ?こっちはてめえのママゴトに付き合うんだ。もし俺がシロならどんな事してくれるってんだ?」
怖い怖い怖い!
顔近づけないで!
ファーストキスは女性って決めてるんだ!
「ならばどうだろうか、そのママゴトに付き合って頂き貴方がシロだった場合は貴方が望む限りポーカーを続けるというのは?但し、クロだった場合は貴方の全財産を没収。それでいいだろうか?」
ニヤァと笑う虎ハーフ
あれ?もしかしてシロなのかな...
従業員も顔が青ざめている。
やべ
しくったっぽい!
「どうすんだよ!ありゃあ仮にクロでもスキルによる判別はつかねえって自信満々な表情だ。なんなら普通にシロの可能性もある。ブラド、俺の馴染みの店潰す気か!」
ごめんジャイロ
天国は今消えようとしている。
多分謝っても許して貰えなさそうだから失敗したらキース様になんとかしてもらおう
とりあえずやらないと殺されそうだからやっちゃおう
あいつ怖いんだもん。
「これより簡易裁判を行う!裁判長は私、神官のブラドが務める。異論はないな?ここで話した内容は全て公的な物として扱う。虚偽は認めない。また裁判内容は被告人のイカサマか否か、もしイカサマなら被告人から全財産の没収。シロならば被告人の望みだけのギャンブルを。この内容で問題ないな?」
従業員も虎ハーフも頷く
従業員はもういつ倒れてもおかしくない程の顔つきだ
ごめんよ。
あとでなんとかするから
キース様が
「問題ねえよ。とっとと心でもなんでも読めよ。俺ァなぁんもしてねえからよぉ」
キース様...
本当にごめん
野菜もこれから食べるいい子になるから許してね。
「それでは始める!まずはカジノの従業員の方に事情を伺おう。私がした質問に対して虚偽を返せば私スキルが貴方を襲う。必ず真実を、貴方が思った事を話すのだ」
従業員に触れたのちに伝える
「被告人がイカサマをしていると疑いを持ったのは何故だ?」
すると従業員が口をガタガタさせながら開く
「さ、最初にお客様が来店したのは1ヶ月程前でした。その時は勝ちも負けもせずにじっと見てるだけでした。勝たれるようになったのは2週間ほど前からです。2週間程前からただの一度も負けず、その賭け金は上がっていくばかり。このまま進んでしまうとあと1月もしないうちにうちは潰れてしまいます。ですからイカサマがどうのというよりは賭け自体を辞めて頂きたいのです。」
ふむ。
2週間一度の負けもなし
これはイカサマの臭いがプンプンする
しかしこの絶対の自信
なにかあるな...
「それでは被告人、今の意見に対して何か弁明はあるか?」
被告人に触れスキルを使う
「何もねえよ!俺はなんのスキルも使ってねえ。バカ勝ちしてなにが悪いんだ?ここはカジノだ。運が向いてるうちにやらねえと負けんのはこっちだぞ?」
こいつも発動しない。
スキルを使ってない...
こいつ自身ではない?
「では質問を変えよう。貴方は本日1人で来店されましたか?」
ああ?というと虎ハーフが答える
「俺ぁいつも1人だよ!カジノに1人できちゃいけねえのか?」
テクノブレイクは発動しない...
もうわかんない!
お手上げ!
キース君ごめん!
「なんでぇ!もうおわりか?あぁ?」
怖い怖い怖い
なんか質問を...
「ひ、被告人はどんな職業を?」
なに聞いていいかわかんない!
無理無理!
「お、おれぁただのギャンブラーだ、ぁあああああっんっ!!」
自称ギャンブラーは逝った。
盛大に逝った。
俺はびしょ濡れになった
もうお嫁にいけない!
...でもなんで?
なんで職業を?
もっかい逝かすか?
「もう一度質問します。被告人はどのような職業を?」
...
....
.....
軽く五回程質問すると虎ハーフはもう限界というばかりに答えた。
うん。
最大の絶頂を5回だ。
下手したら死ぬ。
「お、おれぁ奴隷商人だ。奴隷を集めて売る仕事をしている...」
ふむ。
奴隷商人自体は違法ではない。
なぜ嘘をついた。
「被告人、何故嘘をついた?そろそろ嘘をつけば命を落とす。覚悟して答えよ。」
虎ハーフが真っ青な顔になる
足腰もガタガタしているし
床はずぶ濡れだ
ついでに滅茶苦茶臭い
「そ、そこの女が奴隷で、逃げたのを追いかけてきたんだ。奴隷であるのをバラされたくなければ1ヶ月付き合えってな。そいつがポーカーの答えを教えてくれる。そいつスキルで!どこにいても教えるように脅したんだ!」
ふむ
このバニーちゃんは奴隷だったのか
それでは
「確保ー!こいつの全財産没収!」
虎ハーフは抵抗しなかった。
だけど
「ハハッ構わねえさ。金なんてくれてやる。だけどなぁそいつは逃がさねえ。そいつは一生逃がさねえんだ!」
とてもお漏らしした男とは思えない程に怖い
結構離れているのに殺気が撒き散らされる
「そんな...私約束全部守った。なんでもした。その度に解放するって...解放するつもりなんてなかったの!?」
バニーちゃんは泣いていた。
あぁ、バニーちゃん
だけど
「何言ってる?お前の今回の刑は全財産の没収だぞ?全財産。その中になんで奴隷が含まれてないと思ってる?当然没収。そしてこのカジノの物だ、決してお前のものではない!」
決まった...
これでこのバニーちゃんは...
「渡さねええ!こいつは俺の奴隷だぁーーー!」
怖っ!
あっ!バニーちゃん!
と思ったらジャイロ!?
「みっともねえのは下半身だけにしようぜ、虎の旦那ぁ。女泣かせて満足かよ?」
ジャイロ!
よくやった!
後でチップ追加しちゃう!
ジャイロは虎ハーフを抑えて手錠をかける
そのまま近くの詰所に連絡して引き取られていった...
バニーちゃんが従業員と話している
いくら奴隷で命令されていても店の情報を売ったんだ
何も無しってわけにはいかないだろう
「リザリィ、君の奴隷紋に新たな主人として僕を登録するよ?いいね?」
リザリィちゃんっていうのか
また奴隷になっちゃうのか。
流石にフォローできんな
「奴隷紋に刻むのは、僕と一生を添い遂げること!君の過去なんて関係ない!...構わないかな?」
ふぁ?
「はい、はい!オーナー、私一生あなたについていきます!」
つまり
「ドンマイ。まあオーナーとバニーちゃんができてるなんて別珍しくもねえだろ?」
もう帰る!
あ...その前に
「すいません、浴場と、なにか服をお貸し頂けないでしょうか?」
そうして立派な女性物の子供服を頂いたのだった。
「くくっブラド似合ってるぞ?顔可愛いからなんならバニー見習いにでもなるか?」
「うるさい!黙って教会まで護衛しろ!」
死にたい...
ジャイロさんは強いんです