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第15話 『以心伝心(?)』~『晩餐会①』~

織姫復活編って感じかな。

  織姫のバッドエンドは阻止出来たものの、高梨の予想以上のクズ加減のせいで消化不良のままだ。


  ――「絶対に俺の女にして、アヘらせてやる。」――


  駄目だ、悪寒がする……



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 前期定期考査の結果が発表されたのは、5月ももう終わり、梅雨が顔を見せるかどうかという頃のことだった。学年のフロアに張り出された順位表を、グループの友達で見に行った。



 1位 A組 久我美波

 2位 B組 妙蓮梓(みょうれんあずさ)



 1位はまあ、俺だ。前世で日本最高学府を出た身として、一年生で最初の定期テストくらいなら大差をつけてぶっちぎり、とかじゃないと格好がつかない。



「さすがです、妙蓮さん!」

「ふふ、これくらいは普通、なのよ。」



 2位は、俺たちのグループの隣で話し合っている、前世だと時々首席を奪われた妙蓮さん。ぬばたま、とい言葉がよく似合う黒髪ロングヘアーに、すらりとしたモデル体型がトレードマークのクールビューティだ。

 都内にある『妙連総合病院』の院長の長女で、幼い頃から後継者として育てられてきたそうだ。子役時代の友達が医療ドラマで、『不治の病におかされた少女』役をやった時に、ロケで使ってたから印象に残っている。




 5位 A組 白川紫

 6位 A組 高梨裕也


 6位は高梨。よし、ざまあみろ!あんなことがあっただけに実に清清しい気分である。



 5位は俺のグループの白川(ゆかり)ちゃん。ハキハキとした眼鏡っ娘の学級委員長で、真っ先にLINEを交換してくれた子だ。前世ではその声とまっすぐさに萎縮していたが、よく話せば真面目で正義感の強い良い子である。

  まあ、友人だからというのとは別に、側にいてもらいたい()()()()もあることにはある。

 


「けっこういけたと思ったんだけどなー」

(ゆかり)ちゃんだって5位でしょ?私はまんなかくらいだもん」

「陽菜ちゃんは可愛いからいいんだよー」



 うりうりうりーと頭を撫でると、きゃっきゃと笑って陽菜ちゃんは俺の頭も撫で返してくれた。控えめに言って天使。


「私たちは」「順位はともかく」「「ムラが激しいのです」」


 同じく美波グループの藤堂奈々(なーちゃん)理々(りーちゃん)の双子姉妹は前世では恋愛を巡って骨肉の争いを繰り広げていた。文系のなーちゃんと理系のりーちゃんは、たぶん二人あわせてキメラになればちょうどいい、とのこと。


 俺の周りにはこんなにもいい子達が集まって俺は幸せだ。やっぱり友達っていいもんだな。前世がぼっちだっただけに、友達の良さってものをよく理解できる。


 こうして俺は、無事1位を獲得でき、やつは6位という、前世から比べたらざまぁな結果に収まり、高校生第1学年一学期中間試験は、幕を閉じた。




 ところで、今日は金曜日だから本来なら料理部(月・金のみ)の活動があるはずだが、家庭の用事があるので欠席届けを陽菜ちゃんに託しておいた。

 仕方ないとはいえ、今週はベイクドチーズケーキだから楽しみだったんだけどなあー。うう、部長さんのお母さんが考案したスペシャルレシピ…。

 そういえば、俺って、転生してからだいぶ甘いものが好きになったよなあ。味覚も女の子に体につられてるってわけか。確かに、可愛い服着るの、全然嫌じゃないしな。むしろ好んで着ている。恋愛対象は、女の子のままだけどな!


 今晩の俺の服装はノースリーブの白いワンピースに、柔らかなピンクのカーディガン。腰のところに淡い緑のリボンを通して、後ろ手にリボン結び。髪は同じ色のシュシュを使って側頭部の低いところでゆるくくくって、左に流す。


 子役に成り立てだった3歳の頃から幾度となく繰り返してきたせいか、俺は身支度が得意なのだ。今ではもともとは男だったとかそんなこと関係なく、ひとつの芸術品を作り上げるように楽しんでいる。


 ぴこんぴこん


 スマートフォンには、「大岡莉江」と通知が出ている。

「(。-人-。)今日は父の友達の家でホームパーティーだから話せない…」

 と送った返信だろうか。最近の金曜日や週末は、電話で話すことが多いのだ。


『返信遅れてごめんね人( ̄ω ̄;) 実はこっちも親の知り合いとディナーなの。急に決まったならすぐ言ってよ、って感じなんだけどー』


『そっかー。また明日話そうね。ところでなんで連絡遅れたの?』


『あー、私の学校、カトリックだから金曜は礼拝があるのよね。』


『そっかそっか。お疲れ様! ホームパーティ楽しんできねっ』


『そちらこそ~ 』


 莉江ちゃんの通っている『聖アグネス女子学院』は校則が厳しいだけではなく金曜日の最後に毎週、礼拝の時間があるとかで連絡できなかったらしい。お疲れ様です。

 それにしても、同じ日に2人ともホームパーティがあるだなんて奇遇だなあ。もしや利江ちゃんは俺の運命の人? なんちゃってー。てへぺろ。


 最後にお母さんから誕生日プレゼントでもらった香水をしゅっしゅっ。

 これで出掛ける準備万端だ。栗原さんはまだ俺の事を呼びに来ていないけれど、リビングに向かうことにするか!



 ディナーが楽しみだなー♪


キリが悪くてごめんなさい。中途半端な感じですよね。16話はもう書きあがっているので、近いうちに投稿します。

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― 新着の感想 ―
[一言] 斬新で面白かったです! これからも読み続けるので頑張ってください! 私もTSが好みなのでオススメされていた作品も見てみたいと思います^^
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