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第1話 『宣戦布告』

初めましての方は初めまして。初めてじゃない方はこんにちは。そらです。


一応明記しますが、この作品に登場する人物、団体名は、実在する人物、団体とは一切関係がなく、全て架空のものです。




 15年。


 その年月はとても長かった。自分が()になったのだとわかったあの日以来、俺はこの日の為に努力してきた。

 絶対に、コイツの無駄に高い鼻をへし折ってやると決めてたから。

 その為だけに今まで生きてきたようなものだ。


 それがここで報われる。


 そう思うと、とても感慨深いく感じられる。

 そして俺は、口を開いた……。『宣戦布告』する為に。



「あなた、高梨祐也さんですよね。あなたに言っておかなければならないことがあります。私、あなたのこと――」


 ――絶対許しません。大っ嫌いです。そう、言おうとした俺の言葉は、途中で遮られる。


「いや、その先は言わなくていいよ。こういうものは、男の方から言わなくちゃね。そうでなければ男が廃るってもんよ、お嬢さん。」


 は? コイツ、何言ってんの?


「オレのこと、好きになっちゃったんだろ? 気にすんな、よくあることだから。それよりキミ、あの天才子役の美波ちゃんだろ? 仲良くしよーぜ。」


 背筋が凍りつく。コイツ、ナニヲイッテイルンダ?


 一瞬遅れてようやくコイツの言いたいことを理解する。


「はあっーーーーーーーー!?」


 入学式早々、体育館裏に一人の少女の悲鳴が響き渡ったのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 俺の名前は、久我美波。自他共に認める美少女だ。もう引退したが、中学までは子役をやっていた。一人称が俺なのは、俺はどうやら転生したらしいのだ。それも、女の子に。まあ、15年前の事だが。


 元々の俺はどんな人物だったのかと言うと、勉強しか取り柄のないしがない大学生だった。大学は一応、東大。現役合格はした。他人に何か誇れる事があるとしたら、ほんとそれくらい。

 顔面偏差値は、45程度。特技はなし。運動神経はゼロ。サッカーなんてやったら玉乗り競技になってしまう。そして、彼女は当然いるはずもなく、年齢イコール彼女いない歴の体現者だった。



 そして、俺は大学3年のとき、享年21でこの世を去った。




 俺がコイツ――高梨祐也にそこまで執着する理由、その理由は2つ。1つは、俺はコイツに馬鹿にされまくったからだ。なんで、そこまでこだわるのかと思うかもしれないが、コイツの態度は度を超えていた。


 俺とヤツは同じ私立高校だった。俺とすれ違う度にガリ勉ガリ勉と言ってきて、体育の授業で俺がミスする度に笑ってきたのだ。さらには、俺の顔面まで、「おい、ブスにはいつまで経っても彼女は出来ねえなあ」などと馬鹿にしてきた。ほんとにヤツの性格は劣悪だった。


 俺がこの私立高校を選んだ理由はただ近かった、ただそれだけ。ヤツもどうやら同じ理由らしい。まったく、そんな理由で、同じ高校だとはほんとに不運だった。

 俺の見立ていくと、自分で言うのは何だが、ヤツは周りの人達よりはよっぽど勉強は出来たが、俺程までには頭が良くなかった。精々、私立難関大に行く程度だと思ったが、俺の予想を裏切り、東大に入ってきやがった。


 そして、ヤツが合格発表後、ニヤケながら


「おい、氷川、大学でも宜しくな。」


 とのたまったのだ。ようやくヤツから離れられると思って喜んだ俺の束の間の幸せ、はヤツの一言によって、むざむざと合格の喜びなど忘れるくらいに。


 2つ目の理由は、俺の初恋相手を目の前でとられたことだ。

 高校1年の二学期、俺は勇気を振り絞って好きになった女の子を体育館裏に告白する為に呼び出した。彼女の名前は、桃井陽菜。天然で笑顔の可愛い、小動物的な女の子だった。


「桃井さん、実は俺、君の事が――」


 俺の言葉は遮られる。どこからもともなく現れたヤツによって。


「おいおい、こんなところでガリ勉君が何してるんだぁ? もしかして、割にも合わなく告白か? んなわけないか。お前に付き合ってくれる女なんていないだろうからな。


 それより、そこにいるのは陽菜ちゃんじゃん。オレ、キミとお話したかったんだよね。これから帰りにお茶しない?」


「祐也くん! 私に声をかけてくれるなんて……! うん、喜んで!」


 俺は、一人体育館裏に取り残され、悔しくて涙が溢れてきた。その涙の味は海の味がした……。


 それから数日すると学年内に、ヤツと陽菜ちゃんが付き合い始めたという噂が流れた。ヤツはまたハーレム要因を増やしたのだ。もう何人の子がヤツの笑顔に騙されて喰われただろうか。彼女達は、ヤツが何人とも付き合ってるのにも関わらず、ごめんねとヤツがニコッとするとイケメンフェイスに騙されてヤツを許してしまうのだ。ヤツはほんと、女癖が悪い。


 それから俺は、絶望感に襲われ、勉強だけに精を出すようになった。



 まあ、俺がヤツを嫌いな理由はこんなところだ。


 ちなみに、俺の死因は、トラックに轢かれたことによる出血多量だったらしい。



 そして俺は久我家の長女として生まれ変わり、ヤツのハーレム計画をぶっ壊す計画を立てるのだった。

死因は、お約束のトラックね。


氷川亮太君が亡くなったのは、今より未来だと思ってください。だって、生まれ変わった時、21年前じゃあ、スマホとかなくて話の便宜上不都合だから、少し未来の話ってことです。


よく知らないですけれど、20年前ってポケベルとかの時代なのかな? ポケベルって電話ができるんじゃなくてただ鳴るだけらしいですね。ちっちゃいガラケーだと思ってたから、お母さんから聞いて驚きました笑


あと、思ったんですけれど、最近のローファン、ダンジョンものやたらと多くないですか?


第2話は明日出すと思います。

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