おまけ
「逆さ虹の森の紹介の歌」 作詞・作曲：リコちゃん
はじめまして、みなさん。こんにちは。
ようこそ。「逆さ虹の森」へ。
ここは大きな広い森。
あまりに広くて大変さ。
川が半分に森を分ける。
その川で魚が泳いでる。
キツネがたくさん魚を捕るよ。
そこには橋がかかっている。
だけどボロボロのオンボロ橋さ。
下を覗いちゃダメだからね。
少し高くて怖いから。
川は窪んだとこにある。
川の両脇は河原になってる。
河原は緩い坂道さ。
河原を歩いて川を泳げば、
実は橋なんて渡らずに済む。
それでも急いでいるときは、
みーんな橋を渡るのさ。
川より北には3つの畑。
栗の木、銀杏、りんごの木。
栗の木畑にキツネが住むよ。
コンちゃん、コンちゃん、こんにちは。
優しい嘘つくお人好しのキツネ。
栗の木畑にタヌキも住むよ。
タキくん、タキくん、優しいね。
自慢のお腹の太鼓をぽこぽん。
銀杏の木の上、リスが笑うよ。
スーくん、スーくん、やられたなぁ。
いたずら好きのムードメーカー。
りんご畑でヘビさんがにょろり。
トイくん、トイくん、食いしん坊。
お話しするとき語尾を伸ばすよ。
川より南にも3つの畑。
柿の木、梨の木、木の実の木。
柿の木畑にアライグマの家。
ライくん、ライくん、プンプン、スン。
暴れん坊だけど、寂しがりやさん。
梨の木畑にクマが隠れてる。
マイクやマイク、出ておいで。
怖がりだけど、勇気があるよ。
木の実畑にコマドリが歌う。
リコちゃん、リコちゃん、上手だね。
この森の歌姫は作詞も出来る。
この7匹が森の住民。
みーんなみんな、仲良しさ。
こんなに性格違うのに。
不思議で不思議で仕方がない。
それじゃあそろそろいきますか。
この森の見どころの紹介さ。
キツネのコンちゃんのお家の隣。
人間の建てた古小屋がひとつ。
コンちゃん時々人間に化けて、
古小屋でクッキー焼いてるよ。
古小屋なのに綺麗なのは、
コンちゃんがお手入れしてるから。
銀杏畑の中にぽつりと、
人間の建てた倉庫がひとつ。
森のみんなが食べ物貯める、
大事な大事な貯蔵庫さ。
それぞれの家に食べ物を貯めるが、
それだけじゃ困ることがある。
お客が来たとき、食べ物がないとき。
遠くにあるもの取りに行けないとき。
そんな時のため、みんなが貯める。
いろんな、いろんな、食べ物を。
この中の食べ物はみんなで使う。
だから食いしん坊のヘビでさえ、
ここのものだけは食べ過ぎないのさ。
人間の建物がどうしてあるか。
それは誰にも分からない。
ドングリ畑には広場がひとつ。
広場の名前は根っこ広場。
ここでは嘘は、ついちゃダメダメ。
根っこが捕まえて離さないからね。
いたずら好きのリスでさえ、
ここでは嘘はつかないほど。
柿の木畑にお池がひとつ。
柿畑なのにドングリ池さ。
ドングリ沈めて願いをどうぞ。
きっと願いが叶うはずさ。
だって今までも叶えてきたから。
たくさんのたくさんの願い事を。
北の森にもお池があるよ。
りんご畑の、名無し池。
これはただの澄んだ池。
願いは何にも叶わない。
みんなここで食べ物を洗って、
手を洗ったり体洗ったり。
なのにいつまでも澄んだ池。
だからある意味不思議な池さ。
そうそうこれを忘れちゃいけない。
北の森にある広場から、
大きな大きな虹がかかるよ。
北の広場からはじまって、
反対の端は根っこ広場さ。
でもでも、ただの虹じゃない。
皆さん覚えておりますか？
そう、ここの森は『逆さ虹の森』。
その由来はそう、この虹ですとも。
逆さまにかかる、自慢の虹さ。
ここは逆さ虹の森。
誰でも自由に暮らせる森。
いろんな不思議が詰まった森。
今の住処が住みにくいなら、
さあいらっしゃい、この森へ。
いつでも森は、待ってるよ。
もちろん私たち、動物たちも。
ちなみに（歌に関する作者あとがき）。
『はじまり はじまり』や『めでたし めでたし』には書いてあった「古小屋や貯蔵庫があるわけ」や「動物にしか分からない薬草畑」のくだりは、本当の「逆さ虹の森の紹介の歌」にはありません。物語のプロローグとエピローグ的な立ち位置に置いたので、それなりにちゃんとその役割を果たすように編曲しました。
また、『「ようこそ」の歌』にあった「今野むぎの紹介」ももちろんありません。
また、『「ようこそ」の歌』ではタキさんが話している間や回想している間の歌詞を抜いてあります。また、「古小屋や貯蔵庫があるわけ」や「動物にしか分からない薬草畑」のくだりも『「ようこそ」の歌』では当然のごとくカットされております。
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました！
