確信
裏切り者は誰なんだろうか……
そう思っていた間際にノック音が鳴る。
「坊っちゃん、いらっしゃいますか?」
鵜飼さんの声だった。
「どうしたんだ?うか……」
「どうされましたか坊っちゃん?」
こいつは本当に鵜飼さんなのか?さっきのことを考えると声を変えている可能性がある。
俺はすかさず調子に監視カメラの起動をサインで指示する。
すると管理室には鵜飼さんの姿がはっきり映っていた。
…………こいつは誰だ?
「坊っちゃん?」
「鵜飼さん、開けてもいいよ」
「いえ、軽い用事ですので声だけで大丈夫ですよ」
「鵜飼さん」
「どうされましたか坊っちゃん?」
「なぜドアを開けないんだ?」
裏切り者は黙った。
「今だ!」
俺たちはドアを開けた!
しかし…………
「ん?何をしているんですか坊っちゃん?」
そこには確かに鵜飼さんの姿があった。
一瞬戸惑った。しかし俺はさらに疑いをかける
「鵜飼さん、煙草吸わないよね、鵜飼さんの周り煙たいんだけど、何?」
「え?ああ、他に煙草吸ってる人でもいるんではないですか?」
「はっきり言えよ…………お前は誰だ!!」
「私は鵜飼ですよ?」
「じゃあなぜ管理室に鵜飼さんがいるんだ!とっとと素顔を見せろ!」
俺は殴りかかる、鵜飼さんなら避けるはず!
「…………やっぱあんた鵜飼さんじゃねえな」
「なぜそう思うのです坊っちゃん」
「お前は俺の拳を避けずに受け止めた、それも左手だけで、だ」
「それがなにか?」
「鵜飼さんなら避けるんだよ!!!」
その瞬間、俺の背後からバットを持った幹太さんが偽物の頭を叩く
「………たちの悪いクソガキが!覚えておけ!必ず貴様らを潰してやる!シャット国の病原体どもが!」
そう言ってやつは霧と共に消えた……
やはり偽物だったのだ
しかしこれでより一層確信した
この中に裏切り者は確実にいる!と……