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亡国日本  作者: ND
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あんた、誰だ?

前回の話は...

単身鯨島のもとに向かった和楽、その運命は!




「ここか...」


俺は園長室の前まで来た、しかし...


「結構入ることに勇気がいるな...」


部屋の前で悩んでいたら、ドアが開いた。


「居るんだろ?早く入っておいで。」


なぜ俺が部屋の前で止まっていることがわかったんだ?俺はそんな疑問を抱きつつ、部屋に入る。


部屋は薄暗く、パソコンと多数のモニターが置かれていた、モニターには、全ての部屋が映し出されて死角はなかった。


「なるほど、さっき俺の存在に気付けたのも、監視していたからか。」


「そうだよ。」


「そこまでして俺たちを国家のいいなりにさせたいか!!!」


「まあ落ち着いて。」


「こんなん落ち着くわけねぇだろ!」


「・・・」


すると鯨島は黙った、しかし鯨島から殺気は全く感じられない、一体何を考えている...


「実はね、この施設に君たちが来たのは偶然ではなく、必然なんだ。」


「どういうことだ!!」


「僕が君たちを引き取るように言ったんだよ。」


「一体俺たちを引き取って何をするつもりなんだ!!」


「まだ思い出せないのですか?和楽坊ちゃん。」


「そ、その呼び方まさか...嘘だろ...!」


「そのまさかですよ、坊ちゃん。」


「父ちゃんが政治家だった頃の秘書の鵜飼うかいさん...!?!?」


「やっと思い出してくれましたか、坊ちゃん。」


「え!?」


俺は驚きのあまり座り込んでしまった。


狩次かりじ様が島に流されてから私も職を失って、まあ双子の兄とも喧嘩別れして、寂しかったのでコツコツ頑張って孤児院を建てたんですよ。」


狩次とは俺の父親だ。


「いや待って、鵜飼さんってもっとヒョロヒョロだったよね!?!?」


「そりゃあ私も2年もあったんですから変わりましたよ、私も自分の身を護身しなければいけなかったですし。」


「ああ、そうなんですね...」


しかし俺はここで疑ってしまう。


この人は本当にあの鵜飼さんなのか?それならまずなんで偽名を使っていたか、また俺の父ちゃんの秘書だった時の思い出を知っていたが、何せ決定的な証拠がない。




「うーん....あっ!」


ここで俺は思い出した、昔鵜飼さんと親父と俺と母ちゃんと葉で撮った写真があったはず!それがなくなるはずがない!あの鵜飼さんは親父の事をすごく慕っていたのだから!


「どうしたんですか?和楽坊ちゃん。」


「鵜飼さん、一つ疑っても良いですか?」


「まだ疑うのですか、私の信用も落ちたものです。」


「すみません、ですがどうしても気になるのです、昔撮った写真ありましたよね?誰が写ってましたか?」


「それはもちろん和楽坊ちゃんと狩次様と狩次様の奥様と私の4人じゃ...」


あまりにも図星だったので、つい俺はニヤリと笑ってしまった。


「あんた、誰だ?」


「誰って...私は鵜飼ですが?」


少し声が震えた、これは確定だ。


「みんなぁぁああああ!!!!」


俺は叫んだ!


「私は鵜飼ですよ?何を疑うんですか?」


「お前は鵜飼さんじゃない、あの時写ってたのはもう1人いる!」


「何!?あいつはそんなこと言ってなかった!嘘をつけ!」


「あいつって誰だ?」


「あっ...くそっ!!がぁぁあ!!!」


そしてドアが開く。


「和楽!大丈夫か!?」


隼人だった、流石の足の速さだ。


「ああ、こいつは俺の父ちゃんの秘書を偽った国家の犬だ!逃げるぞ!」


そして俺たちは逃げようとする、しかし...


「うっ...!!」


俺の脚を掴む鵜飼さんと名乗った鯨島。


「お前だけでも殺せば!反逆の火種は消えたも同然よ!!!」


そう言って鯨島はナイフを出して、俺を刺そうとする。


「うっ、、うわぁぁぁぁあ!!!」


「和楽!!!!」


結局子供の俺じゃ何もできなかったのか、そう悔やんでいたその時....!!


「うっ.....」


鯨島が気絶した。


「え?」


俺は間一髪助かった。


「な、何があったんだ?」


「すみません、この縄を解くのに時間がかかりまして助けるのが遅れました、坊ちゃん。」


その声...その姿...!!


「まさか...!!」


「そのまさかですよ、坊ちゃん、私です、鵜飼です。」


そこにはヒョロヒョロではなかったが、細マッチョのメガネを掛けた七三分けの男がスタンガンを持って立っていた。


「本物?」


「そうですよね、偽物が現れた直後ですし、疑うのも当然ですね、鷲尾様のお嬢様の葉様はお元気でしょうか?」


ここまで知ってるのは間違いなく鵜飼さんだ、そうとしか思えない。


「鵜飼さん.....助けてくれて、ありがとうございます。」


「いやここ私が管理してる園ですし。」


「え?じゃあ園長ってのは?」


「私ですよ。」


「ええー!!!!」


俺は腰が抜けてまた座り込んでしまった。


「和楽!大丈夫!?!?あっ、えっ?鵜飼さん?」


「葉お嬢様、お久しぶりでございます、私、鵜飼です。」


「え?どういうこと?」


「あとで説明するから。」


「和楽わかった、でも絶対説明してよね!」


「しかし鵜飼さん、どうやって縄なんて解けたんだよ。」


「え?あぁ、私1人では解けませんでしたよ、子供達が助けてくれたんです」


「オイラ達だよ!」


「灸太、まず疑わないといけないところだろ?」


俺は笑いながら言った。


「いやー、俺たちなんかほっとけなくてさ、味方のような気がしたんだよね。」


「幹太さんまで...」


「まあ和楽も助かったんだからいいじゃん。」


「うぉっ!だから染子はいつから居たんだよ!」


「最初からよ...」


「うん、ほんとごめん。」


「はあ、全く。」


「とりあえず大広間まで行きましょう坊ちゃん、ここでは狭すぎます。」


鵜飼さんの提案で大広間へ行くことに...

次回!明かされる秘書の現状!職員たちの自己紹介!和楽たちはどう動く!?

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