国家の犬!
前回はシャット国本土へ向かう途中の船の中で和楽たちの決意が固まった!
「ここか......」
そこは刑務所と言っても過言ではないくらい逃げ場の無さそうなコンクリート製の建物であった。
ここを孤児院と言って良いのだろうか、子供達を洗脳する怪しい施設じゃないよな....と、思いつつも俺たちには中に入る以外選択肢は無いため入ることにする。
「和楽にいちゃん、ここ大丈夫なの?」
「わかんねぇ、でも今は行くしか俺たちに生きる術はないんだ。」
施設に入る俺たち、するとそこには軍人と見間違えるほど体格のいい大人が居た。
「私がここの園長の鯨島 直柔です、みんな今日から家族なので仲良くしてくださいね。」
声と性格は優しそうな人である、しかしこいつは国家の犬だ、容易に信じてはならない、疑いをかけまくってその化けの皮を剥いでやる!
「・・・」
誰も答えるわけがない、両親が殺された今、俺たちは俺たち以外を何も信じないと決意したからだ。
「なるほど、信じてはくれないようだね。」
「当たり前だ、お前のような国家の犬、誰が信じるか!」
「ちょっと和楽!殺されるかもしれない時に何言ってるの!?」
「そんときはそんときだ。」
「鷹爪 和楽君だっけ?今日の夜8時に私の部屋に来なさい、時計は部屋に置いてあるから時間ぐらいわかるだろう?」
「.....あぁ、行ってやるよ国家の犬!」
俺に初めて死ぬかもしれない想像が脳裏をよぎる、覚悟は決めたはずだったのに、これが死への恐怖ってやつか....!!
「じゃあ待ってるよ今は夕方の4時、まだ4時間ある、食事はこちらが用意してあるからしっかり食べるんだよ?」
「・・・」
「やっぱりか、まあ仕方ない、じゃあ僕は事務室に戻ってるから、大広間に入っておいてね。」
そう言って鯨島と言う園長は去って行った、さあここからどうするか...
夕方の5時
「調子、何かあの男の情報を掴めたか?」
「ごめん和楽、あの男はどの国家機密をどう探してもコスモス園の園長以外はノーデータ。」
「まじか....ノーデータで突撃するのはまずいな....いや、いい、俺があいつの皮を剥ぐ、何もかも吐かせる。」
「ほんとごめん和楽。」
「調子が謝ることねえって。」
「和楽、いざという時は叫べ、そしたら俺達が駆けつける、力になれるかはわからないけど...」
「そうだね幹太さんでもあの体格差はキツすぎる、その心持ちだけ預かっておくよ、とりあえず俺が叫んだら逃げてくれ。」
「とりあえず和楽、あんたも生きるようにアタイも何か策を練っておくから、あんたもとりあえず生きることを意識しなよ!」
「琴美さん....ありがとう。」
そろそろ7時になる、夕食が配られる。
「わーい!飯だぁ!」ねえ、和楽にいちゃん!食っていい?」
「良いわけないだろ!その飯に毒が盛られてるかもしれねぇんだぞ?あいつは国家の犬だ、何をしてくるかわからねえだろ!」
「ごめんなさい和楽にいちゃん...」
「いや、灸太、わかってくれればいいんだ。」
そして飯を放置したまま8時前になる....
「そろそろ行ってくる。」
「生きて帰ってきてね和楽!」
「葉、努力はするよ。」
そう言って俺は単身で鯨島の所に...
次回!鯨島のもとへ単身乗り込む和楽!
果たして何か見つかるのか!