第一章 第12話 初めて魔法を使ってみた結果・・・ その5
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で、えーと、何の話してたんだっけか・・・?
「・・・そんなわけで、役割の交換も、騎士を辞めるのも無理ポヨ」
ああ、そうだ。
エロエロできない童貞の俺はキューティールナとして、あの黒騎士を羨みつつ、コソコソ生きていくしかないって話だっけ?
俺は、またもバフッとベッドに顔を埋め、「おまえさぁ・・・」、気だるそうに言う。
「なんで俺があのハト怪人に勝てると思ってたわけ?
無理じゃね?
俺になんの力があるんだよ。
いくら身体能力がオリンピック級になったところで、敵はゴリラのパワー越えてんだぞ?
人類最強とゴリラ最強が戦ったら、そりゃゴリラ勝つでしょ?
あの黒騎士みたいにハト野郎を一発で殺す武器とか一瞬で燃やし尽くす魔法とかあればいいけどさ。
カメハメ波とか、なんも出なかったぞ?
オマケにあの猫も魔法使えるみたいだったのに対して、おまえはなんだよ?
ただ無駄に耐久力の高いフーセンガムじゃん。
無理だわ。 死ねよ」
「ムッ! ポヨンも魔法は使えるポヨ!」
「 え っ ? 」
ガバっとベッドから顔を上げる。
うそ? マジ? いや、たしかに使えないとは言ってなかったけど。
「ちょ、おまえ? え? どんな魔法使えんの?
あの黒い炎出したり? あ、もしかしてベホマ的な回復魔法?」
「使ってみるポヨ?」
俺はコクコクと頷く。
いやー、魔法使えるなら早く言ってくれよなぁ。
いっつもコイツは言葉足らずなんだよ。
それがあらぬ誤解を生み、自らに向けられる鉄拳を誘発しているってことに気づくべきだ。
攻撃魔法や防御魔法や補助・回復魔法があれば俺だって戦えるかもしれんよ。
「いくポヨー・・・∠・∀∬・・◆・●×」
例の聞き取れない言語。
そしてポヨンの体がパアッっと発光した。
思わず目を瞑る。
光が収まると、ポヨンの体はメタリックな塗装が施されていた。
「えーと・・・。な、なにそれ?」
「今ポヨンの体はカチカチになっているポヨ。
打撃も炎も氷も効かないポヨ。
最強の防御形態ポヨ。
ただ、動けなくなるのが玉に傷ポヨ」
「お、おう・・・で?」
えーと、うん。
ゴムボールがボウリングの球になったって感じ?
昔のドラ◯エでそんな魔法があったと思う。アストロンだっけ?
敵の攻撃効かないけどこっちも動けない呪文。
なんのためにあるんだ?って思ってた。
敵の魔法をカラ打ちさせるためとかだったかもしんないけど、とりあえず重宝した記憶はまったくないね。
つーか、そもそもこいつハナから防御力高くないか?
蹴っても殴っても引っ張っても全然破れたりする気配なかったし、確か魔法にも耐性強いって言ってた。
てことはこの魔法・・・。
た だ 動 け な く な っ た だ け じ ゃ ね ?
でも、本人自信満々だ。
ドヤ顔だ。
そっとしておこう。
「・・・・。(そっとしている)」
程なく、ポヨンは元のピンクゴムに戻った。
「どうポヨ?」
「うん。他には?」
「は、反応薄いポヨね?」
「いや、殴らねぇだけマシだと思うぞ?
硬そうだから殴らなかっただけだけど。
じゃなくて、ほら、敵にダメージ与えたりとかさ・・・そういう系は?」
ポヨンはニヤリと笑って
「フフン、まかせるポヨ」
そしてまた呪文を唱えた。ピカっとと光って・・・。
メ タ リ ッ ク に 。
「 お い ! そ れ 、 今 見 た ぞ ? 」
「焦るなポヨ! ポヨンには重ねがけがあるポヨ!」
「重ねがけ?」
「重ねがけは我が種族の特殊能力ポヨ!」と言って呪文の続き。
そしてメタルなポヨンが更にピカっと光る。
トゲトゲの生えた、ボウリングの球がそこにあった。
あと、ドヤ顔やめろ。
えーと?つまり?
相手が攻撃してきたら、そのトゲトゲに刺さって・・・痛い・・・的な?
「どうポヨ?
ポヨンは動けないけど、相手が攻撃してきたらこのトゲトゲで敵にダメージがいくポヨ!」
あ、やっぱり? 寸分違わず予想通りにそんな感じ?
「いや、うん。 でも、相手が武器で攻撃してきたら?」
「硬いから痛くないポヨ」
「いや、敵も痛くないだろ?」
「お互いさまポヨ」
「・・・・・・」
「・・・・ポヨ?」
いや、でもこっちが求めてるのは一方的にダメージ与える感じの魔法なんですけど?
「そのトゲ・・・飛ばせないの?」
「シンタロは自分の皮膚を剥がして飛ばしたりできるポヨか?
仮にそうできたとして血だらけにならないポヨか?」
つ ま り 、 で き な い ・ ・ ・ と 。
その6につづく・・・と。




