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俺がビキニアーマーでどうすんだ!?  作者: ダラリノコトダマ
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第一章 第10話 ポヨン再び、な結果・・・ その6

◆ ◇ ◆ 


 俺は、ベッドの上で憤慨して跳ねまわるポヨンを見ながら、PCデスクの椅子にドッカと腰を下ろした。


「おまえなー。

 だいたい何が『ついに』だよ?

 俺がこうなったの今朝じゃねぇか。

 今、夕方だぞ。

 今日の今日とか、早すぎるわ。

 心の準備ってものがあるだろうよ」


 椅子をギシギシ貧乏ゆすりしながら行かない言い訳を考え中。


「じゃ、じゃぁ、今回は他の騎士に譲って・・・明日とかなら出撃するポヨか?」


「いや、まだまだ早すぎだな。

 高卒ルーキーがいきなり一軍デビューとか普通しないだろ?

 初年度はじっくり体作りからやらないと、せっかくのドラフト一位が壊れたらもったいない」


「な、何を言ってているかわからんポヨが、結局いつなら敵と戦う準備ができるポヨ?」


 俺は、んん~っと考え込むふりをしてから、

「ま、弥勒菩薩が来る頃には・・・だな」

「みろく・・・」


 俺の中では本日二度目の登場、弥勒菩薩。


 ポヨンは俺の例えの難解さに埒が明かないと思ったのか、例のパッドをポンッと出して調べ始めた。

 まぁおまえが最初から弥勒菩薩知ってたらマジビビるわ。

 その『こちらの世界の詳細なレポート』を書いた奴にな。


「えー・・・ミロクボサツは・・・オシャカサマ?の亡き後、56億7000万年後にやってきて、人類を救済する、と・・・」

 ふむふむと読み進めるポヨン。


「オシャカサマの没年が・・・む、いろいろ説があるポヨ。

 でも大体、・・・2500年くらい前ポヨね」


 へえ、そうなんだ。

 色々載ってるな。すげえな君のP-pad。


「ということは・・・ミロクボサツが来るのは56億6999万7500年くらいポヨ。

 つまり大体56億7000万年後ポヨ!」


「 そ の 通 り っ ! 」と膝を打つ俺。


 そこまで言って、ポヨンは静止する。

「・・・・・・」

 無言だ。

 どうした?



「 ・・・っ お っ せ ぇ っ ポ ヨ ! 」



 たっぷり溜めたのち、P-padをブンッと投げ捨て、ガッデム!のポーズ!


 ブチ切れですやん。


「ブッダが入滅して大分たってるのに、ほぼ誤差なレベルでおせぇポヨ!

 こっちの世界の危機もアルカトピアの戦争もいろいろさすがに終わってるポヨ!

 シンタロだって死んでるポヨ!」



「 な め ん な !  俺 は 生 き て い る ! 」



 ふんぞり返って親指で自分を指す。

 ハッタリが大事。


「え? な、なんでポヨ?」

 ほらね? もう雰囲気に飲まれてる。


「健康に気を使っているからだ!

 人はなぜ死ぬ? それは健康じゃなくなるからだ!

 健康ならば人は死なん!

 弥勒とともに必ず来る!

 だから、今は行かん!

 アルカトピアにも行かん!

 まだ行かん!

 ず っ と 行 か ん ! 」


「なっ? 誓いの言葉はウソポヨ?」


「 バ カ ヤ ロ ウ !

 俺が嘘を言うような男に見えるかっ!」


「う、み、みえない・・・ポヨ」

 力強いぜ、俺!

 押しきれるな、これは。ハハッ。


「な? だから、俺は56億7000万年後にも生きてるし、その時が来たら、ちゃんと、えーと、なんとかとか言う奴らと戦って、敵をぶっ飛ばしてこっちの世界もそっちの世界もバッチリ救済するよ。

 俺か・・・もしくは弥勒が」


「絶対、ミロク頼みポヨ・・・。

 でもシンタロ、もしシンタロが戦いに行かなくても、敵が攻めてきたらどうするポヨ?

 現に今、近くに出現する信号が来てるポヨ」


 え?近いの?

 ん~~~。あっちから来るのは想定してなかったな。

 逃げて、他の奴らが倒してくれるのを待つとかそういうのダメかな?


「出現ポイントは、距離にして、こっちの単位で7メートルほどポヨ」



「 近 す ぎ る わ っ ! 」



 勢い良く立ち上がり、逃走の体勢に入る。

 椅子がガタンと倒れた。


 7メートルって家の中か?

 玄関の外か?


 まさか・・・。


「お、おいポヨン。て、敵ってどんなやつだ!

 ま、まさかメリーじゃないだろうなっ?」


 ありうる・・・っていうかそれしか考えられん。

 アレはあっちの世界の化け物だったんだ。


 異世界のエージェントが、いずれアルカトピアを救う英雄となるこの俺を抹殺しに来たのだ!

 間違いない! 俺ツエーからな!


「は? メリー? 誰ポヨ?」小首をかしげるポヨン。


「メリーっつったらメリーだよ!

 白いコート・・・マントかもしれんけど。

 髪の長い女で、人形を肩に乗せたヤツだよ!

 青紫の顔で、眼球が空洞で、爪は全部剥がれてて、歯が全部抜かれてて!

『シンタロォ・・・、来たよぉ・・・』ってヤツだよ・・・こ、怖ぁ」


 後半は妄想でした。


 ポヨンはP-padを拾ってポチポチやりながら

「そんな奴はいないポヨ。

 大体怪人に女とか聞いたことないポヨ。

 予想によれば、今回来るのは・・・85%の確率で『ハト怪人・ポッポー』ポヨね。

 アークマーダーの怪人の中では、全然弱い方ポヨ。D級ポヨ」



 は ? ハ ト 怪 人 ?

 ポ ッ ポ ー だ ぁ ~ ?



 何だそのファンシーなのは?

 俺の脳裏に、遊園地にいそうな、ずんぐりしたハト頭の着ぐるみが思い浮かんだ。


 明らかに・・・弱そうだな。



 その7につづきそうだな。

 


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