第一章 第10話 ポヨン再び、な結果・・・ その5
◇ ◆ ◇
とりあえず落ち着きを取り戻した俺は、ムクリと上半身を起こす。
床も体も汗でベタついていた。
油汗か、冷や汗か・・・。
ふわぁとカーテンが揺れる。
さわやかな風が吹き込んできて、体表の汗を気化させる。
ひやりとした感覚が気持ちよかった。
そして、ふと、そちらに目を向けると・・・。
いましたよ。
今朝、俺にリアル死の恐怖を味あわせたクソポヨンが。
俺の服を何枚も無駄にし、いろいろ込みで15万円ほど債務を抱えているカスポヨンが窓から部屋に入ってくる。
ゼーハー、ヒーヒー、呼吸が荒く、なんか・・・えらくヤツレているね。
どうしたのかな?
「シ~ン~タ~ロ~」
息を切らしながらも怒気をはらんだ声。
大空の彼方へぶっ飛ばされて、ここに戻ってくるまで、なんかいろいろ大変だったようだな。
相当怒っている様子だ。
よ し 。 先 手 を 打 っ て ぶ ン 殴 ろ う !
「オラァ!」
ガバっと起き上がり、殴りかかる。
俺のパンチを紙一重のところで避けたポヨンは驚愕の表情。
「な、な、な、いきなり何するポヨ! ムチャクチャポヨ!」
「いや、だっておまえ、俺に攻撃するつもりだったろ?」
指をポキポキ鳴らしながら、にじり寄るビキニ男。
「ご、誤解ポヨ! たしかにちょっとはイラついてたポヨが、攻撃するつもりなんて・・・」
「 問 答 無 用 ! 」
ハイヒールキックをまたもや紙一重でかわす。
「やるじゃねーか、借金まみれのクソ玉が・・・」
「ちょちょちょっと! 話を聞くポヨ!
今大変な事態に・・・。 え? 借金?」
「20万、返さんかい!」
「な、何を言って・・・?」
大振りパンチ!
かわすポヨン。
「とぼける気か? 21万、ビタイチ負からんぞ?」
「増えてるポヨッ!」
「利子だ!こっちの世界じゃ常識だ。ほら、22万!」
パンチを空振りする度、利子が増える。
そういうシステム。灰谷金融。
「ちょ、待つポヨ!
蹴り飛ばされて、電車の屋根に落ちて感電して気絶して、終点まで行って、必死に数時間飛び続けて、ようやく帰り着いたことに対する恨み事とかはもういいから、その利子はやめるポヨーッ!」
おぉ、大変そうだな。
道理で帰りが遅かったわけだ。
終点というと埼玉の中ほどまで行ったのか。
いっそグンマーまで行けばよかったのに。
そして極限の野生に埋もれてしまえばよかったのに。
グンマーに行ったらお前なんかただの食材だからな!
しかし、まぁ、そりゃ怒っても当然かもしれん。
つーか、そのまま上りの電車に乗ってくればよかったんじゃねぇか?
アホめ、と思ったが、まぁ別にいいや。
「分かった。23万で打ち止めにしてやろう。俺とお前はパートナーだからな」
「そ、それは助かるポヨ・・・じゃなくて!
敵ポヨ!
ついに敵が出現するポヨッ!
他の守護騎士より先に倒して、栄誉を勝ち取るポヨ!
キューティールナーの力を今こそ見せつける時ポヨッ!」
ポヨンが力強く拳を掲げた。
おお。
なるほど・・・。
敵か・・・。
敵が来たのか。
よし!
「 あ 。
俺 。 そ う い う の
行 か ね ぇ っ す !」
「 な ん で ポ ヨ ------- ッ !? 」
ポヨンが愕然という概念を3Dモデリングしたような顔で叫んだ。
その6へつづくんだ。




