第一章 第1話 かなみがエロい結果・・・ その4
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「・・・と思うんだぁ。ねぇ?シン?」
「はっ、はい? お、おう!」
「また人の話聞いてない・・・。
シンが入れば男子ももう少しマシになるって言ったの!
女子も私と主将だけじゃさぁ・・・」
ボストロールに外道な妄想をしていたら、脳の処理が遅くなり、耳からの外部入力も鈍くなっていた。
ま、要は我が校の弱小剣道部のテコ入れのために俺に入部してくれと・・・。
この話、対外試合が近づく度に言われているので別に今更聞かんでもね。
かなみの道着姿はめちゃ可愛いから、舐め回すように視姦するためだけに入部するのもやぶさかではないのだが、それ以外(つまり剣道)は結局、やる気がもはや無い。
「や、もう剣道は、いいし」、目を合わせずに答える。
「なーんでよー。強かったじゃん」
そうね。惰性でやってた割には、そこそこね。
「ま、もう、充分。 ・・・飽きたし」
クールに、ちょっとシニカルに言ってみる。
そう、飽きたのだ。
正確には中三の春くらいで。
決して、その頃から
かなみに全然勝てなくなったからとかではではないのだ!
つーか、強ぇんだよ。かなみ。
全国大会でもかなり上のほうなんだよ。
全ての打突が物凄く速くて正確なんだよ。
無駄な動きないんだよ。
巨乳のくせに。
試合後、面を外したときの上気したおでことか、おくれ毛が肌に張り付いてたり、うなじをつつっと流れる汗とかとか最高色っぽくてたまらんし。
竹刀捌くのも上手くてこっちの打ち込みは全然当たらないんだよ。
それで、一切のスキもなく完勝しても、全然、奢らないしバカにもしないし。
素振りの時には巨乳が揺れるし。
負けて落ち込んでたら、一緒に頑張って強くなろうねって、純粋に応援してくれる感じなんだよ!
・・・あれ?ところどころに邪念が入った?
ま、全然勝てなくなった俺は情けなくなって地元の剣道クラブにだんだん行かなくなりましたとさ。
中学の部活は仕方ないから卒業まで続けたけれど、高校では剣道部に入りませんでした。
はい!以上。
クールだろ?
だいたいその主将にしても、隣の区の剣道クラブで超強かった人だからね。
交流試合とかで何回か手合わせしたけど、練習ですら瞬殺されたぞ?
ちなみにその人は本名を黒崎蓮子と言い、我が校の生徒会長でもある。
俺はなにげに生徒会で庶務なんぞやっているため、交流はある。
小っちゃくて綺麗カワイイので勝手に俺のサブヒロインにしている。
・・・が、怖いので攻略する気は毛頭ない。
「でもさぁ、部に入るかはともかく、中少剣(中森少年剣道クラブの略である)にはたまに顔出しなよ? あ、なんなら一緒に行こうよ?
師範も会いたがってるしさ。
小学生カワイイよ?」
ちょっと残念そうというか、寂しそうなかなみ。
俺は無言で肩をすくめた。
小学生カワイイとか、俺が言ったら捕まるわ。
かなみは週末はいまだに地元の剣道クラブにも行ってるんだよな。
で、今は子どもたちの指導とかしてるんだろう。
今年か来年にはもう三段取るだろうしな。
俺は初段どまりだが。
誘ってくれて正直嬉しい。
体の一部に血液が集まるくらい嬉しいんだけど・・・。
でも、ごめん、好きな子に瞬殺されるのってよほどマゾじゃないと、難しい。
ふたりきりならプレイとしてありだけど、ガキどもや師範の前で普通にボコられるのはキツイわ。
その5へつづく。