第一章 第9話 美少女たちがキャッキャウフフな結果・・・ その1
◆ ◇ ◆
て い う か !
て い う か !
開 い て ん じ ゃ ん !
マ ジ で !
なになになになに?
ま、ま、ま、魔法のロックは? どうしたのっ!?
引っ張っても開かないけどねじったら開くのっ?
う そ ん !?
単にそれだけの機構?
お前マジでふざけんなよ。
絶対開かないと思ってるから、こんなカッコでハメ外したんですよ!
クールガイ灰谷真太郎と在ろう者が、常時こんな全裸にヘッドホン靴下チンコケース装備で!
さらに、のぞきエンジョイ中なワケ無いだろっ?
なんなら人生初だっつーんだよ。こんなカッコ!
たまたま! マジでたまたま!
そして、そんなたまたまなカッコを、たまたま見られた。あばば。
脳内プロレスラーたち、大っ混っ乱っ!
頭抱えてドタバタ走り回る本能マン、理性マン、各感情所属のレスラーたち・・・。
若干一名ハァハァ言ってるのはエロマン。
見られて興奮してんのか?
なんでもいいんかお前はっ!(本人の一部です)
つまり思考が完全停止状態です。
ちなみにナギちゃんも固まってます。
無表情です。
「ちゃ・・・ちゃうねん」
かすれるような声で俺はつぶやいた。
「・・・ゃ」
ス ト ――――――――― ッ プ !
口を開きかけたナギちゃん。
俺は左手のひらをバッと前面に広げ、必死の形相。
口元に人差し指立ててシ~のポーズ。
お願いだ!
ナギちゃん!
どうか!
どうか静かに!
手を合わせ拝む俺。涙目。
でもムリだろうな。
ナギちゃんからしたら、びっくり箱とか言うレベルじゃないだろうからね。
この一瞬後には、叫ばれて・・・。
アイツらの前に放り出されて・・・。
かなみと瑠璃に中、見られて・・・。
ポーチから引きずり出されて・・・。
あ、ダメだ。
いたたまれない。
エロマン一人喜んでも無理。
全体的に精神持たない。
やっぱもう死ぬしか・・・。
ナギちゃんの口元が動く。
ああ・・・終わった。
・ ・ ・ ニ ヤ リ 。
あれ?
ナギちゃん?
なんか、悪い笑顔です。
「開いた~?」、背後からかなみの声。
「いいえ~。開かないですぅ」
「だよねー?」
え?
ど ど ど、どういう?
え?
あ、開いてますが?
ナギちゃんはポーチの中をじっくり見回す。
そして、納得したように頷くと、指でオッケーサインを出してウィンク。
そして、フタをパタンと閉め、ポーチをベッドの上にもどした。
み、見逃してくれた?
・・・のか?
しかし目の前の画面に映るのは白い壁である。
あれ?
ちょ、ナギちゃん!?
逆、逆向き!
にしても、ナギちゃんはこの状況をどう思ったのだろう?
目の錯覚とか、勘違い・・・というようには認識してないよな?
あの悪い笑顔の感じからして・・・なんか、こっちの状況を完全に理解したような・・・。
理解した上で、バラさないでいてくれた?
いや、でも、普通に考えたらありえないぜ?
オカルトだぜ?
ファンタジーだぜ?
魔法だぜ?
さっき会ってウナギ食ったばかりの友達のにーちゃんが・・・。
ポーチの中でチーポぶらぶらだぜ?
ウナギぶらぶらだぜ?
普通「キャ~(悲鳴)」とか、「ギャー(絶叫)」とか、「ウワァ(ドン引き)」とかだぜ?
状況理解したとしたら適応力ありすぎじゃない?
いやあの子、適応力半端なく高そうだけれども。
「かなみ先輩、かなみ先輩っ!」
ウキウキ声になっているナギちゃん。
ヤバイ?
やっぱバラす?
「こないだの、あの雑誌どこでしたっけ? はるんちゃんが表紙のやつ」
え?いきなり何いってんの?
ナギちゃん?
かなみは、「どこだったかな~」なんて言いながらゴソゴソと棚を漁っている・・・音がする。
正面はもはや白い壁なんで、音声のみですわ。
「はい、これ」、「ありがとうございます」なんてやりとりをして、しばらくはページを捲ったり、お茶を飲んだり、なにか食べたりしている・・・音。
・・・おい!
音しか聞こえないのって中途半端にツライぞ!
カメラをスクロールするも、かなみたちはどうやら完全に背面だ。
あちこち動かしても壁と寝具とクローゼットしか見えない。
その時、突然!
「ところでかなみ先輩!」
とナギちゃんの声。
力強く、楽しそうな・・・。
いや、でも、その中に邪気というか・・・サディスティックな空気を感じるのは俺だけ?
実はポーチを逆向きに置いた時から、ナギちゃんの悪魔的計画がスタートしていたことを、俺は知る由もなかった。
さ あ 、 レ ッ ツ 悶 絶 タ イ ム !!
その2へつづくタイム!




