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俺がビキニアーマーでどうすんだ!?  作者: ダラリノコトダマ
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第一章 第1話 かなみがエロい結果・・・ その1

◆ ◇ ◆ 


 さて。


 夜明けだ。

 朝だ。


 さぁ!灰谷真太郎のゲームをコンティニューだ!

 オートセーブでリセットもロードもない、現実という名の無理ゲーが今日も始まる。

 ちなみに、強くてニューゲームもないから。



 あぁ、申し遅れました。

 僕の名前です、灰谷真太郎。

 妹は瑠璃です。

 親は、まぁいい。


 さて、灰谷真太郎の朝は・・・弱い。

 小学生のうちは母親が、中学生までは妹が、そこそこ優しく、時には暴力気味に起こしてくれたのだが、いつのまにやら二人とも起こしてくれなくなった。


 妹が起こしてくれなくなったのは、多分朝立ちをモロに見られてしまったのが原因だ。仕方ない。

 なぜあの日の朝、俺のパンツは脱げていたのか。神よ!



 なので、今はひたすら優秀なるケータイのスヌーズ機能と戦う日々である。

 ちなみに勝率はプロ野球ペナントレースの優勝チームほどであり、まぁまぁな確率で朝は駅まで誰得な全力坂を強いられている。

 下り坂なんだけどね。


 今朝は、圧勝だった。

 昨晩あんなことがあった・・・ではなくて。

 あんな夢を見たのにも関わらずスッキリと起きられたので、テレビがだらだら流すテンションの高い朝の占いなんぞを視界の隅に入れつつ、定刻通りに用意された若干冷え気味のトーストを頬張ってみている。

 パジャマのまま。


「にぃに、何座だっけ?」

 既に中学の制服に着替え、ほぼ朝食を食べ終えている妹が、興味なさげに聞いてきた。


「ぺ、ペガサス座?」


 イ エ ス !

 朝イチの渾身のボケが決まった!

 妹よ、どうだ! 流星拳!


「・・・ごちそうさま」


 視線も合わせぬまま、ツッコミどころか反応もせぬまま、コーヒーカップを置き、足元の鞄を手に取り、席を立つ妹の瑠璃。


 肩で切り揃えられた黒い艶のある髪は一糸の乱れもない。

 姿勢もいいし、制服の着こなしも居住まいもすごく模範的だ。

 そしてボケに対する冷淡な反応も含めて、妹は今日もクールビューティーである。

 昔は人懐こく笑ってくれたし、つまらないボケにも笑ってくれたのにな。



 母親の、「もう行くの?今日は早いのね」という言葉に、「委員会の当番だから」と返す妹。

 妹は風紀委員長らしい。

 竹刀持って校門立ってんのかな?

 似合いすぎぃ。


 ダイニングを出ていくとき、振り返り、ちょっとキツめの視線をくれる。そして

「ペガサス座は、全星座でぶっちぎりの最下位だったよ。よかったね。

 お救いアイテムはウサギのぬいぐるみ、じゃあね」と軽く呪詛の言葉をくれた。


 ありがとう。

 ペガサス座は十二位どころか八十八位らしい・・・。


 残念ながらウサギのぬいぐるみに高校生男子が接する機会はかなり低いので、甘んじて最下位を受け入れよう。

 バニーガールなら良かったのに。

 むしろ、バニーガールならアンラッキーアイテムでも別にいい。

 その身に降りかかる不幸を受け入れても有り余るぜ。



 ところで、朝の占いって最下位だと各局ともたいていアンラッキーを回避するためのお救いアイテムとか、ヘルプアクションとか、何らかのフォローがあるけど、十一位の星座ってそのままスルーだよな。


 実質的には十一位が最不幸なんじゃなかろうか、などと思いながら、俺はトーストの最後の一口を冷めたコーヒーで流し込んだのだった。



その2へつづく

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