第一章 第4話 四次元ポケット手に入れた結果・・・ その4
◆ ◇ ◆
・・・。
・・・え?
・・・なんだって?
四次元ポーチ?
四次元ポーチっつったか、今。
うん。
言ったね! 確かに。
もしかして・・・キタ?
キタねこれ!
ついに!
団塊ジュニアから少年少女全ての憧れ。
全人類の夢!
それが!
それこそが!
『 四 次 元 ポ ケ ッ ト ! 』
いや、これポーチだけども!
倒れ込みそうな勢いでポヨンに跳びかかり、ポーチを引っ手繰る。
ついでにポヨンを掴みあげ、投げる方向を見もせずに適当にポイする。
ウワァという声が背後から聞こえたが、そんなことより、今、手の中にあるコレ!
四次元ポーチ!
どうする? どうするコレ?
周りくどいことはすべきでないよな。
天下を取るような超アイテムを手に入れて、面白がっていろいろ試しているうちに、墓穴掘ってドカーン、チャンチャンw・・・ってパターンは、元祖四次元ポケット保持者ドラなんとかでも王道だし、過ぎたる力を手に入れた後に台無しになるパターンは今まで数多の作品でもスタンダード型だ。
むしろ成功例のほうが少ないかも。
俺は、そんな法則には縛られない!
アンチェインだ!
俺を閉じ込めるモラルや、どこぞの社会的都合などという縛りなど、気にするものか!
つまり! 周りの評判とか、後世の評価とか、ボツとか、発禁とか、青少年保護条例とか、俺にとってはどうでもいいのだ! ウハハハハ!
だから!
最適なひみつ道具を!
最短の時間でチョイス!
無駄なタスクを一切踏まず!
そう! やるべきことは―――――。
「 か な み と 『 × × X 』 っ ! 」(最後の一文字は伏せ字ではありません)
俺は、ベッドの上で、仁王立ちになり、ポーチを掴んだ拳を天に突き上げ叫んだのだった。
ビキニアーマー姿で。
・・・あ!でも! ちょっと! ちょっと待とう俺。
どんな時にも冷静さが必要だ!
ゲット! 冷静さ!
ゲイン! クール!
愚かな情熱的ヒーローはいつも焦るがゆえにヒロインにフラれるのだ!
すなわち冷静と情熱の間にポジショニングするのだ!
さすれば俺様に死角はない!
急いては事を仕損じるけど、急がば回る隙は与えたくないし、石橋も多少は叩きたい。
つまり、重要なのは計画だ。
プランニングだ。
必要なのは綿密なシミュレーションであり、具体的な行動指針を明示して可及的速やかにそれを実行すべく、今すべきことは脳内をクリアに!フラットに!
この煩悩をクリーンナップして志向性思考しなければならないのだ! ハハハ!
つまり!
えーと、あーと・・・。
だから・・・、まずは・・・かなみと××Xするでしょ?
じゃなくて!
あれ? そのまえに・・・。んん?
最終目的はハーレムエンドだから・・・。
かなみの前に、マコ姉と××X・・・は人妻だからちょっとなぁ・・・///。
いやあり?
もう、この際、ボバーン人妻アリですか?
モラルなんかくそ食らえですか?
・・・瑠璃は・・・だ、駄目だろ!
マジで駄目だろ!
でも、あれか?
なんでもかんでも出来るんだし、なんかの道具で血が繋がってないってことにすれば万事オケー?
あぁ、でもなんか俺の理性の本質的深淵の根本の魂的何かが本気で駄目って言っている気がする。
というより候補に瑠璃が上がった時点で人間失格な気がするから、瑠璃の友達の時々ウチにも遊び来るナギ(なぎさ)ちゃんとかならイケるかも!
ナギちゃん明るくて可愛くて結構なついてくれて、なんなら妹よりも妹キャラだし、瑠璃の友達だからタブー視してたけど実は無問題じゃね?
あ、タブーといえばむしろ我がサブヒロイン、生徒会長の黒崎蓮子会長だろ。
蓮子会長。
いつもいつも庶務である俺を虐げる(ちなみに嫌がってません)、あの上から目線。
最強武士姉キャラで剣道部主将(個人戦全国大会二連覇中)という鬼の蓮子会長を、ああしてこうして魅惑のアソコをフルバーニアンとかデンドロビウムとか・・・。
ああでも俺ってば童貞だし、知り合いで最初に失敗すると色々禍根が残るし、むしろフラグは立ってないけど練習台としてさっきのたいやき屋のおねーさんくらいが軽いノリでちょっと色々したりしてもらったりするにはなんだかいい気がすrヤバイあわうわぁぁあああ。
ビキニアーマーのぴっちりパンツから我がおいなり&キャノンがはみ出しそうになってk・・・
じ ゃ な く て っ !
全然クールをゲインできてねぇよ!
冷静さ欠片もないよ!
理性失ってんよ!
だから・・・えー・・・。
そう、現状把握だよ。すべきことは!
だから・・・えー・・・。
つまるところ、どんな秘密道具があるかとかが・・・大事?
OKそれだ!
そして、もしもボックス的なものがあったら、即座に『 女 子 葉 っ ぱ 隊 令 』を発動!
『可愛い女の子の制服は、葉っぱ二枚のみ! どこにつけるかは、まぁ本人の自由とする!』とか!
そしたらかなみはどこに葉っぱつけるのかな?
やっぱパイオツですかね? でも葉っぱを両方の胸につけちゃうと下がイヤ~ン&ワァ~オな感じになるから・・・やはり葉っぱは下と片パイで一枚づつ?
でもそうすると常に片パイ一つは手ブラで隠さないといけないわけだから、左利きのかなみは左手は常に空けておきたいだろうから、右手で右パイを隠すとして、葉っぱはVラインと左胸で間違いない!
うん! ホームズもびっくりの完璧な推理だ!
じ ゃ な く て っ っ っ !
ああああああもおおおおぅ!
なんだよぉおお!
全然頭が回らねぇよおおお!
出てけ!
でてけよぉおお!
俺の頭の中からぁ!
裸の女ども――――――っ!
うぉ―――っ! おっぱぁあ――――――い!
ベッドの上、ビキニアーマーで頭を抱えて地団駄を踏む俺を、部屋の隅でポヨンが奇怪なものを見る目で見ていた。
何だその目は。このやろう。ヌッコロスぞ!と思ったら、ちょっと冷静になれた。
ゲットクール! ビトゥイーン冷静&情熱!
「あ、あーーー。ゴホンゴホン。えーと、ところでポヨンくん?」
「な、なにポヨ?
クン付けとか、気味が悪いポヨ。
悪い予感しかしないポヨ。
あと、今、顔がすげー気持ち悪いポヨ」
うん、自覚ある。
鏡見る勇気はない。
「いやいや、キミ。この、あれだよ。
四次元ポーチってのは、あれかな?
こんなちっちゃいポーチの中に、物理法則を無視して、いっぱい物が入っちゃったりするアレかな?」
「そ、そうポヨ・・・」
イエス! よっしゃ! 間違ってない!
・・・っと待て、中に入ってる道具が重要だ。冷静に冷静に。
ダメだ。俺、破顔してる。ニヤニヤが止まらん。
いやいやストップ。
まだ中の道具がしょぼかったり、中に入れられるけど最初は何も入っていないとか、そういう感じでぬか喜びする可能性もある!
なんだったら、俺はさっきからずっとぬか喜びばかりしてるんだから、ここは確定するまで喜んじゃ駄目だろ!
落ち着け~俺~♪ ララララ~♪
「うんうん。いいよいいよ~。
四次元だもんね。いろいろ入るよね。
・・・で、中には、どんな道具が入っているか知ってるかな?」
「道具?」
「まさか空っぽじゃあ、ないよね?」
さぁ! ここ! ここ重要だぞ!
「ええと、一般的な四次元ポーチの道具は、初期装備として、すでに揃っているポヨ・・・。
道具には不自由しないと思うポヨ」
・・・うん。
よし。
中は空ではない。
そして・・・必要な道具は・・・揃っている。
・・・しかもたいていの物はある。
不自由は・・・ない! ときた!
うん。 そうね。
もういいね。 だいじょうぶね。 よし・・・では、言わせてもらおう。
さんっ! にーっ! いちっ! はいっ!
「ッシャァア―――ッ!
キ タ―――――――――――――――ッ!
キタキタキタキタ―――――ッ!
キ タ コ レ !
キ ッ タ ァ ッ !
キマシ! キマシ!
キ・マ・シ・タ・ワ――――ッ ! 」
フゥフゥ、ハァ、ハァ・・・・。
ベッドの上でビキニの男が仁王立ちで大絶叫。
近隣から通報されるレベルで叫んだ後、どうにか呼吸を落ち着ける俺。
ポヨンはなぜか壁際に・・・。
ン~? ドシタ? コワクナイヨ~?
さて!
俺は別にドアをくぐって瞬間移動もしたくないし、頭皮に過度な負担をかけて空も飛びたくない。
過去や未来に行くといろいろ大変そうだから行きたいとも思わないし、テスト勉強のために大量のパンを食すのも嫌だ。
なので、直近の目的である俺ハーレムを達成するために、とりあえず、とりあえず!「ウソツ機」、「ソノウソホント」、「ウソ800」、「もしもボックス」などの虚構実現系アイテムのいずれかがあればいい!
ミスはしない。
綿密に文言を考えて、副作用なしに非常に的確に自身の願望を具現化させる自信がある!
というかウソをホントにしたり、言ったことがホントになる系の道具はコレ一つでほぼ全ての願望を満たせるよな。ほかの道具ほぼイラン。
携帯性を考えるとウソツ機かソノウソホントがいい。口につけてしゃべるだけだし!
もしもボックスはかさばるし、何で出来てるかわからん液体のウソ800をゴクゴク飲むのは気が進まん。腹下しそう。
あ、悪魔のパスポートとか階級ワッペンとかYロウもいいな。催眠洗脳系。
対個人に関してはほぼ万能だし、俺の欲望は対個人がメインだからな。
さぁ、ここから俺のサクセスストーリーが始まるぜ!
サクセスとセクロスって似てるよね。似てない?
あ、そう。どうでもいいわ、グヘヘ。
その5へつづく
評価、ブクマ、ありがとございまーーーーす。