第一章 【バグ・ヒロインの第8学年シンドローム】 第零話 バグが始まる千日前・・・
真夜中。
神社に、少年が独り。
古びた社の前、悲壮な表情で何度も柏手を打ちながら、少年は願った。
神様・・・お願いです。
もう、レベルMAXで異世界へ行って世界を救いたいとか言いません。
すごい退魔のチカラを手に入れて妖怪退治したいとか、努力もなしにサイキッカーに目覚めて闇の組織と戦いたいとかも言いません。
あと、空から女の子が降ってきて欲しいとか、ディスプレイから女神が出てきて欲しいとか、曲がり角でチコクチコク美少女とぶつかりたいとか、エルフとか女騎士とかクノイチとか、いきなり妹や姉が十二人くらい出来て、理由もなく全員俺が大好き!・・・とかも全部、全部いらないです!
中 二 病 や め ま す !
だから・・・だからせめて・・・。
「 普 通 の ハ ー レ ム だ け は く れ よ っ ! 」
そして少年は、カバンから取り出した缶(50万円溜まる貯金箱と書かれている)を開けると、賽銭箱に大量の・・・本当に大量の硬貨をぶちまけた。
神は思った。
このくそやろう・・・人生、どう破綻らせてやろうかな・・・。
だって、お賽銭、・・・ゲーセンのコインだったからね。
そ れ か ら 、 千 日 後 の こ と で あ る ・ ・ ・ 。