第三章 第1話 カルラさんがテクニシャンだった結果・・・ その11
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心臓がヤバいくらいに早くなってきている。
ヌーブラで視界を塞がれているが、おそらく眼の前には、上半身裸のカルラさん。
そもそも、暴発って!?
いや、わかるよ?
聖剣だと思ってたカチカチのやつが実は水鉄砲で、ぶしゅーって出たら、ハイお終いってことでしょ?
カルラさん?言っていいですか?
ズボンの上に乗られてグリグリされてる時点で!!
トリガーはギリギリの状態だからな!!?
童貞なめんな!?
すぐ暴発するわ!!大爆発でな!!
「や、やめて、くだしあ・・・」
流石にこれ以上はマズイと理解した理性マン。渾身の力を振り絞ってカルラさんを押しのけようと試みる。一旦距離を取る策だ。
エロマンたちからは大ブーイング!!
「 ぃ や ん っ ! 」
カルラさんが、わざとらしい、明らかにつくった声で、可愛くあえいだ。きっと顔は笑っていただろう。
彼女を押しのけた俺の手のひらに、ほんわり暖かい、モチっとした、マシュまろっとした、ふにゃりとした感触。
そう、おっぱいの、おっぱいっとした感触。
完 全 な る 、 生 お っ ぱ い の 、 感 触 。
押しのけ作戦失敗!!完全なゼロ距離!!
エロマンたちからは大喝采!!
口が半開きでかくかく震える。
「あ、あわわ、ち、ちが、ちが、チガウ、ちがうううんでです!す!すーっ!」
わざとじゃないんだ!ホントなんだ!!
このままだとほんとに暴発すると思って!!
それだけは避けようと思って!!
カルラさんは、保母さんが園児に話しかけるような優しい感じで
「うん、うん、わかってるよぉ?
わざとじゃないよねぇ?しんちゃんは悪い子じゃないもんねぇ?」
「ふぇ?あ、なまえ・・・」
「あ、カバンについてた定期の名前見えちゃった。
ハイタニシンタロウくん・・・しんちゃんwww」
名前バレた。あっさり。もうダメだ。
「だいじょうぶだよ?しんちゃんに悪いようにはしないよ?
ユウおねぇさんに任せてね?」
そう言えばこの人は赤城ユウ・・・自分から名乗った。果たして本名だろうか?
でも、俺って本名知ったからってそれで支配する手段があるわけでもないしな。
「余計なことは、考えないで、ほら・・・」
俺の心の内を見透かしたのか、カルラさんは、俺の手のひらを柔らかい手で包み込んで自分の胸に押し当てた。
ふにゅ・・・。
「ひやっ!?」
柔らかな手と柔らかなおっぱいにサンドされた俺の震える手。
手の甲と手のひらが、歓喜の声を上げている。
今までにこんなにも暖かく柔らかな感触に包まれたことがあっただろうか?
脳内検索で1件ヒット。
小学校の時、小学生になったばかりの瑠璃が母親に頼み込んで誕生日に「バケツプリン」なる食品玩具を買ってもらったことがあった。誕生日ケーキの代わりに。
それは牛乳を混ぜると小さいバケツサイズのプリン的おやつが作れる代物だった。
完成したバケツプリンを見て、満面の笑みを浮かべていた瑠璃。
ハッピーバースデーを歌い、さあ、スプーンで掬って取り分けよう・・・とした時、俺は「カラメルソースは兄ちゃんが掛けてやるな!」と名乗り出た。
「うん!にぃに!お願い!」と笑顔の瑠璃。
俺は、カラメルソースの袋を切ろうと、「こちらからのどこからでも切れます」と書いてあったところに爪を立てた。
でも、あのカラメルソース。
ど こ か ら も 切 れ な か っ た ・・・ 。
切れると思ったものが切れなかった。
俺は、「むんぐ~~~~っ!」と力を入れた。
で も 切 れ な か っ た ・・・ 。
俺はズルっと指を滑らし・・・バランスを崩した。
思わず手をついた。
大 き な 、 大 き な 、 プ リ ン の 中 へ ・・・ 。
ブジャッ!!とはじけ飛び散るプリン。
すっとんだカラメルソースの袋の角がオヤジの目にクリティカルで刺さる。
「ギャッ!」と仰け反ったオヤジの膝にテーブルは蹴り上げられ、母が用意したチューリップ唐揚げやサラダやポテトやミートボールの大皿たちは床に滑り落ち、フルーツポンチのボールは、いつもよりちょっとおしゃれなおろしたてのワンピースを着た瑠璃にぶちまけられた・・・。
母の怒号。
「ワシの目がぁぁぁぁ・・・」とのたうち回る父。
なお、親父は普段ワシとか言わないのでム◯カのセリフだったことは疑いない。
ここぞとばかりに言ったんだ!
たしかあの時はかなみとマコ姉もいて・・・慌てて掃除したりしてた。
瑠璃はソーダとフルーツまみれでマコ姉に体を拭かれながら呆然としていて・・・。
俺も、プリンのバケツに手を突っ込んだまま、呆然としてた。
柔らかい、柔らかい・・・感触に、俺の手は包まれていた・・・。
・・・・・・・うん。
嫌 な 思 い 出 、 ヒ ッ ト し た ――――――― っ !!
おれ、高校生ですが!!
今ちょっと泣きそうな感じになりました!!
ごめん!ほんとゴメン!瑠璃!!
「ほらぁ、よけいなこと、かんがえないのぉ!」
カルラさんがちょっとプンスカ怒った声で、俺の手をにぎにぎした。
強制的に、おっぱいモミモミ・・・。
封印されていたトラウマで一瞬性欲がはじけ飛んだものの、すぐにエロマン復活した。
だって、生おっぱいって触ると揉むは、ぜんっぜん別物っ!!!
形が・・・ないっ!!
カルラさんのおっぱい、めっちゃ!めっちゃ!柔らかい!!
揉み込むと、その分沈みこむ。マシュマロより!柔らかい!!
だって、ちょっと考えてみて?
「揉む」って感じは「手偏」に「柔らかい」でしょ?
手は柔らかいものと切り離せないんだよ!!
どこからでも切れますってのも、切れなかったんだよ!!!
柔らかいものは揉み続けるしかないんだ!永遠に!!
俺はこのままカルラさんのおっぱいを揉み続けるだけで一生を終えるんだ!!
その12に続くんだ!!




