消え去る日常
‼︎ 注意 ‼︎
本作品は、タグにも表記の通り非常に低レベルの駄作です。
そういった作品を見たくないという方は、ブラウザバックを推奨します。
大丈夫という方は、このままご覧ください。ちなみに誹謗中傷等の苦情は一切受け付けておりませんので、ご遠慮願います。
ある教室では、いつものように授業が行われていた。
生徒は皆、黒板を眺める者やノートを書く者など真面目に授業を受けている中、ひとり窓際の席で外を眺める少女がいた。
「あの子達、楽しそう…」
ブツブツと独り言を呟く彼女に教師が近づき、彼女の肩を指でつつく。
「伏間、どこを見てる?ちゃんと授業を受けなさい」
「すみません…運動場で遊んでいる子ども達が気になったもので」
「子ども達…?」
教師も窓から運動場を見渡すが、人影一つ見当たらない。
「誰もいないじゃないか。目を開けながら夢を見れるなんて、さすがこの学校一の不思議ちゃんだな」
呆れたような口調で教師が言い放ち、クスクスと笑うクラスメイト達。
しかしそんな毒舌など気にも留めず、再び窓の外を見入る少女。
彼女の名は伏間琴羽。
これは、そんな変わった少女のお話…
1日の授業が終わり、帰り支度をする琴羽の元に1人の同級生が駆け寄る。
「プスコ〜っ!今から帰り?一緒に帰ろうよ!」
「もう、マジコったら…」
話しかけてきたのは彼女の親友、眞嶋好美。
プスコとは琴羽のあだ名であり、マジコとは好美のあだ名。
「昨日さ、駅前に新しいカフェがオープンしたんだって!今から寄ってかない⁉︎」
「いいね、行こう行こう!」
帰路に着きながら、いつもの会話を楽しむ2人の後ろから怪しい人影がつけてくる。
「マジコ、あの人…怖い」
「え⁉︎もしかしてストーカーって奴⁉︎
どこ⁉︎どこにいるの⁉︎」
怯える琴羽とは対照的に、血相を変えストーカーらしき人物を探す好美。
しかし…
「そんな奴いないじゃん…気のせいじゃない?」
「で、でも、確かにあそこに…」
そう言い琴羽は電柱を指差すが、やはり好美はその人物を見つけられない。
「あんた、きっと疲れてるんだよ。誰もいない運動場をじっと眺めたりとか…
最近のプスコ、ちょっと変だよ?」
「そうかな…やっぱり、変なのかな?」
好美が琴羽の肩に手を添え、再び歩き出す2人だが、付かず離れずの距離を保ち人影はついてくる。
すると好美が急に振り返り、
「ちょっと!この子が怖がってんじゃない!いい加減にしないと、私が許さないよ‼︎」
閑静な住宅街に響き渡る好美の怒声。
誰もいない背後に向かって吼える姿はさながら滑稽だったが、それでも彼女は真剣だった。
「マジコ…」
「気にしないで。あんたがこんなに怯えてるのに、黙ってるのは癪だったからさ」
「ありがとう…」
思わず泣き出してしまう琴羽の涙を優しくハンカチで拭う好美。
そして琴羽が後ろを見ると、人影は消えていた。
「いなくなったみたい…」
「そう、よかった…
プスコ、今日はもう帰って休んだ方がいいよ。カフェはまた今度にしよ?」
「ごめんね…」
琴羽の家の前まで付き添った好美が、彼女に手を振る。
「じゃね、プスコ。また明日!」
「うん、バイバイ」
好美と別れた琴羽は急いで玄関の中に駆け込んでいった。
「ただいま…
ちょっ、お母さん⁉︎どうしたの⁉︎」
リビングに入るなり彼女の視界に飛び込んで来たのは、テーブルに突っ伏す母親の姿。
琴羽が背中を摩ると、母親はゆっくりと顔を上げた。
「おかえり…琴羽、今日は早かったのね」
「うん、部活が今停部中だから」
母親の顔は酷く窶れていた。
この家庭には父親はいない。
5年前に交通事故で亡くなったのだ…
「それよりお母さん、体調悪いの?
家事なら私が代わりにやるから、休んでて」
「大丈夫よ、ちょっと目眩がしただけ。
心配してくれてありがとね」
椅子から立ち上がりキッチンに行く母親を目で見送りながら、琴羽は自室へと向かう。
2階の自室の窓から外を見ると…
少し離れた電柱の陰に、また例の人影が。
「やだ…まだつけてきてる」
急いでカーテンを閉める琴羽。
そして後ろを振り向くと…
目の前にその人影がいた!
「きゃあ‼︎な、何?なんなのっ⁉︎」
思わず腰を抜かす琴羽。
謎の人物が、全身を覆っていたフード付きの黒コートを脱ぐと…
現れたのは小柄な銀髪の少女。歳にすると10歳前後くらいだろうか。
少女が近づき、腰を抜かした琴羽に目線の高さを合わす。
「ごめんなさい、脅かすつもりはなかったの」
「脅かすつもりはなかったって…
急に目の前に来られたら誰だって驚くよ‼︎
第一、どっから入ってきたの⁉︎」
窓の鍵は閉めている。部屋のドアは自分が入った時に鍵をかけた。この部屋は押し入れなどの人が隠れられるスペースは存在しない。
よって、この状況は通常ありえないのだ。
「先に言っておくわ、私は人間じゃない…
どこにだって行けるの。鍵なんて関係ない」
「あなた、一体…」
「それは言えないの…
でも、あなたに危害を加えるつもりはないから安心して?少なくとも、私はね…」
「えっ…どういう事?」
意味深な発言をする少女が、おもむろに懐から小瓶を2つ取り出し琴羽に手渡す。
「これをあなたに…大事な人に渡して欲しいの」
「私の、大事な人?」
ワインのコルクみたいな栓がしてある透明な小瓶の中には、塩のような顆粒がぎっしり入っていた。
「いい?それは決して開けちゃダメ。
必要な時が来るまでは…!」
「さっきから何を言って…」
琴羽の台詞を最後まで聞かず、踵を返し立ち去る少女。
少女は壁をすり抜けていってしまった…
「もうっ!一体何なの…!
これ、何だろう…」
小瓶をまじまじと見つめる琴羽。
疑問はただ増していくばかりだった。
翌朝…
学校の制服に着替え身支度を済ませた琴羽が朝食を摂るためにリビングへと向かうが…
食卓には何も用意されていなかった。
「あれ…お母さん?朝ごはんまだ出来てないの?」
『まだよ、これから作るの』
リビングの隣のキッチンにいる母親が、手に包丁を持ちながらこちらに背を向け、掠れた声で応える。
「お母さん、もしかして風邪引いてる?」
今度は何も応えず、黙って振り返る母親。
彼女の目は…真っ白だった。
「いやっっ…お母さん…⁉︎どうしたの⁉︎」
『朝ごはんの材料は…
アンタだよ‼︎』
逆手で持つ包丁を振りかぶり琴羽に襲いかかる母親。
琴羽は咄嗟に包丁を持つ腕を掴むが、刃先が彼女の頰に刺さってしまう。
「痛っっ…‼︎」
琴羽は壁際に追い込まれている為、後退する事が出来ない。
母親の力は凄まじく、包丁の刃はさらに頰に食い込んでいく。
「うぅ…このままじゃ…‼︎」
「足よ!足を狙って‼︎」
突然飛び込んでくる聞き覚えのある声。
無我夢中だった琴羽は黙ってその声に従い、母親に足払いをする。
体勢を崩した母親はそのまま転倒し、すかさず距離を取る琴羽。
そこでようやく声の主を確認する。
それは、あの銀髪の少女だった。
「あなた、何でここに⁉︎」
「そんな事は今はどうだっていい‼︎
ほら、アイツが立ち上がるよ!あの瓶は持ってる⁉︎」
琴羽は黙って頷き、通学鞄の中から例の小瓶を取り出す。
『殺してやる、伏間ぁ!
お前のせいで、お前が助けなかったせいで、死んだのだ…‼︎
お前が殺したんだぁ‼︎』
そう絶叫して、のっそりと立ち上がる母親。
その声はもはや琴羽の母のものではなく、まるで数人の声が重なったような気味の悪い声だった。
「何の事だかさっぱりだけど、私は人殺しなんかしてない‼︎
妙な言い掛かりはやめて頂戴‼︎」
『黙れぇ‼︎』
鬼気迫る表情で再び包丁を振りかぶり琴羽に斬りかかるが、
琴羽は難なく回避。テニス部所属の彼女は、フットワークには自信があった。
「で、この瓶はどうしたらいいの⁉︎」
銀髪の少女に問いかける琴羽。
「その中には特製の御清め塩が入ってるの!それを振り掛ければ、あなたのお母さんに取り憑いた『モノ』を追い払える‼︎」
「わかった…!」
急いでコルクを抜こうとするが、堅すぎて女の力では抜けそうにない。
「何か、ないの…⁉︎」
千枚通しのような尖った物を探そうとするが…
目の前には既に母親が迫ってきていた!
『死ねええ‼︎』
「こうなったら…‼︎」
降りかかる包丁に向けて小瓶をかざす琴羽。
包丁の切っ先が小さなコルクに突き刺さり母親の動きが止まる。
普通ならそんな芸当は至難の業だが、テニス部で培った動体視力がそれを可能にさせたのかもしれない。
そして包丁に刺さったままのコルクから、勢いよく瓶を抜き取る。
「これでも…食らいなさい‼︎」
母親の顔面目掛けて中の塩をぶち撒ける琴羽。
塩は瞬く間に母親の体内に吸い込まれていき…やがて母親の身体から半透明の霧のような気体が出現し、どこかへ消え去っていった。
「お母さんっっ、大丈夫⁉︎」
脱力し崩れ落ちる母親の身体を抱き止める琴羽。
返事はない。どうやら気を失っているようだ。
「なんで、こんな事にっ…!」
母親を抱きかかえながら、涙目になる琴羽。
彼女の元に銀髪の少女が寄り添う。
「今のはただ、取り憑いていたアイツをあなたのお母さんの身体から追い払っただけ。
消滅したわけじゃないわ。
今度は別の人間に取り憑いて、再びあなたの命を狙ってくるでしょうね」
「そんな…じゃあ、またお母さんが取り憑かれるなんて事も…?」
「このまま放っておけばその可能性は高い。
でも私がこの後正式にお祓いとお清めをしておくから、その心配は無いわ」
「あなた、ホントに何者なの?」
懐からお札の束を取り出す少女に、怪訝な表情で質問する琴羽。
「今はまだ言えないの…ごめんなさい。
でも、これだけははっきり言える」
「え?」
キョトンとする琴羽を真剣な眼差しで見つめる少女。
「これであなたは歩まなければならなくなった…屠霊師としての、道を!」
「屠霊、師…!?」
聞き慣れない言葉に顔を顰める琴羽。
この時、既に運命の歯車が動き出していた事に彼女は気付いていたのだろうか…
つづく
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いかがでしたか?とてつもない程の駄文だったでしょう?アクセス数の少なさにきっと納得がいったと思います。
こんな誰も読まないような迷作を読んでいただいたあなたに、心より感謝いたします。