狂戦士レヴァンの誕生 #3-24
文章が乱れているところがあったりしますが、
後日(2年後くらいでしょうか)大改稿を行うつもりですので、
その時までお待ちください。
アルとガントは偶然カノッサで会った。二人とも用事を済ませ学院に戻るところだった。二人とも一人旅より二人旅の方が良いという考え方だったから、二人は学院にまで一緒に帰るつもりでいた。邪魔が入らなければ。
街道を歩く二人のもとへ、空から何かが下りてきた。
「やあ、二人とも一緒にいてくれたおかげで手間が省けたよ」
吃驚仰天の二人をよそにして、シータが喋り続ける。
「二人に頼みがある。今日立太子式がある」
「立体式?」とアルが首を傾げる。
「違う。立太子式だ。王が跡継ぎを指名する事だ」
「なるほど。サンキュー、ガント。で、頼みとは?」
アルはシータに尋ねたつもりだったが、ガントが答える。
「ミシェイルことヴァリウス王子が正式に跡継ぎとなられるのを是としないものが、それを阻止せんと行動を仕掛けてくるので、その対処を私たちの任せたいという事だろう」
「さすがはガント。私が言いたいのはまさにその事だ。が、時間が無いから、話は移動しながらしよう」と言いながら、シータは二人を天馬に乗せる。天馬は三人乗っているのにもかかわらず優雅に羽を動かすと、王都に向かって飛び始めた。
「で、王都に行って何をすりゃいいんだ?」とアルが訊くと、「三人で暗殺者たちを潰しに行くのだ」とシータが答える。
「敵の所在が分かっているのでしたら、軍をぶつければ良いかと思うのですが」
「ガントの言う通りなのだが、敵の所在は不明。今から虱潰しで当てるしかない」とシータが言うと、
「それじゃ運勝負。不確実すぎる。ガント、何か良い手は無いのか?」
アルの若干無茶な質問に、ガントは危険な策を唱える。
「少々危険ですが、三人で手分けして探すしかなさそうですね」
「ああ、そうしよう。怪しい敵を見つけ次第、火球を空に打ち上げて合図して合流だ。くれぐれも単騎で特攻を仕掛けないように」
「了解。それと、火球が音を派手に出さないように注意しないとな」とアルが返事すると、ガントが「そうだな」と賛成した。すると、シータが二人に向かって、
「さて、もうすぐ王都上空だ。いいか、敵が王都内にいる事は確定している。そうでなくては王子を襲えないからな。ここからは死と隣り合わせだ。くれぐれも気を付けろ。まあ、二人なら問題無いだと思うんだがな」
「わかってるって」
「はい、気を付けます」
「良い返事だ。じゃ、下りるから、あとは各自よろしくな」




