双剣士ガントの誕生 #2-5
試験一週間前から試験まで、つまり試験までの一週間、次のようなことが毎日繰り返された。
試験勉強に没頭するアル。それと対照的にチェスをするガントとレヴァン。
このごろ一人で研究しているらしいレヴァンは腕を上げたのか、それとも偶然なのか、レヴァンは一敗六分けだった(チェスの引き分けは狙える)。知能指数が違う二人の対戦において引き分けが多いのは、レヴァンが上達したと考えるのが妥当だろう。それでも、ガントの壁はキリンより高かったが。
さて、三人の定期考査結果は果たしてどうだったのだろか。学年順位で見てみよう。
初日、魔術。
――実技、アル十位、ガント三位、レヴァン八十九位。
――筆記、アル二位、ガント三位、レヴァン九十九位。
二日目、武術。
――アル二位、ガント一位、レヴァン五位。
三日目、薬学。
――アル二位、ガント一位、レヴァン三十五位。
四日目、地歴。
――アル一位、ガント四位、レヴァン三位。
五日目、算術。
――アル七位、ガント二位、レヴァン一位。
六日目、芸術。
――アル八位、ガント九位、レヴァン三位。
七日目、科学。
――アル八位、ガント一位、レヴァン二三位。
総合成績。
――アル一位タイ、ガント一位タイ、レヴァン十六位。
解説を始めよう。
レヴァンの魔術の筆記テスト結果が悲しいことになっているのは、かの有名なケアレ・スミス氏と仲良くなるという致命的ミスで、解答欄から答えが一つずつずれてしまったからある。
しかしながら、算術では一度もミスなく見事満点の一位である。また、芸術では一、二位と遜色なく、小数点以下しか点差が無い。それに加えて、彼は芸術で「三線弾く詩人参上(原題:3sinθ-4sin^3θ=sin3θ)」を描き大絶賛され、その美的センスを開花させたのだった。
さて、アルとガントにおいては、どちらがどれだけ多くのミスを減らせるか、という勝負である。今回、結果的に同点なのは運命の皮肉だろう。二人にとっては勝敗がつかないのは不本意だったようだ。
結局、三人の中で総合順位的に最も悪くても、一番満足しているのはレヴァンだったのだ。




