其の一 恋する乙女
私はミライ・フルー・ドルチェ。
今からほんの数日前の事。
自分の命を救ってくれた青年…ユウ・シャープに出会ったの。
そんな彼に恋をしている、8歳の女の子が私。
そんな彼が、私が15歳になったら結婚しようと言ってくれたの。
だから、その時までに私も成長しないとね。
そんな私のお父様は特級剣士っていう、とっても強いヒトなんだって。
なんでもこのドルチェ家は、代々強いヒトを生み出す凄い家系なんだって。
そんな私は、ドルチェ家では珍しく女の子として産まれちゃったの。
そんな私も強くなれるのかな…??
そういえば、お父様はゆっちゃんとの出会いから別人になったように変わったよ。
まず、奴隷のように雇ってた兵士さんは全員自由になった。
何人か、自分の意思でのこってくれたけどね。
で、このビブラー集落の復興に力を入れだしたんだ。
特に、ヒト不足の事だね。
このビブラー集落は、少し前に魔物の襲撃で、集落のヒトはほとんど死んじゃったんだ。
だから今まで、集落には私達しか居なかったの。
そこで、お父様は冒険者さんの宿を新しく作ったり、ビブラー集落に移住してくれるヒトにいろいろな援助をしたりして…。
あ…もちろん魔族も受け入れるようにしてたよ。
そのおかげで、今では集落の半分くらいの家にヒトや魔族が住んでるようになったよ。
冒険者さん達も寄ってくれるようになったね。
あの時ゆっちゃんたちが来てくれたから、こんなに幸せな生活ができてるんだよね。
はぁ…ゆっちゃん…。早く会いたいよぉ……。
◆◆◆
「ただいまミライ。」
「あ!!おかえりなさい、ゆっちゃん!!」
「今日もお仕事お疲れ様!」
「ありがとうミライ…。でも、ちょっと疲れたから……今日も抱きしめてほしいな〜。」
「もう…。ゆっちゃんはほんとに甘えん坊さんね…。まあいいよ!いつでも抱きしめて上げるからね!!」
「……。落ち着くなぁ…。ついでにキスもしてほしいなぁ……。」
「えぇぇ!!もう!!ゆっちゃん大好き………。」
◆◆◆
「……!ミライ!!起きろ〜!!」
「ぷはぁぁ!!……、あれ、ゆっちゃんは……?」
「もう。またユウが夢にでてきたの??」
「うん…。ゆっちゃん私にデレデレだったの。」
「ふぅ…。ユウの事考えるのはいいけどさ。たまには早く起きなきゃ…だろ??」
「はぁい…。」
「わかればよろしい。さぁ、ご飯を食べよう。」
未の刻。
寝過ぎちゃったね。
でもお父様…ああやって言うなら起こしてくれればよかったのに……。
でも、お父様も忙しいもんね。
私が変わらなきゃいけないよね。
・
・
お父様は、お母様が亡くなったあと自分で料理ができるように特訓したんだ。
正直、見た目はよくないんだけど、味は結構おいしいんだよね。
朝食の後、お父様は仕事に行くんだ。
お父様の仕事は、集落の様子を見たり、警備をしたりとか。
たまに、遠くの依頼を受けに行くこともあるね。
で、これが一番大切なことなんだけど、特級剣士のヒトは、国の偉い人と話し合いをよくするんだ。
実際にお父様と一緒にいられるのは、月に数日だけなんだ。
私はその数日だけだけど、お父様に稽古をつけてもらってるんだ。
かなり厳しいけど、ゆっちゃんと一緒に冒険するために頑張るんだ。
まっててね…ゆっちゃん!!




