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第八話 お誘い④
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その日の帰り道、まだ熱の残る夜風に吹かれながら、俺は五十嵐にぴったりのお返しを思いついた。少し珍しいアイテムだから調達は難しかったけど、夏休みが始まってすぐに隣町のショッピングモールまで出掛けることができたので、最終的には自分の納得のいく物を手に入れることができた。
せっかくだし、渡すのは縁日の日にしよう。十二時半に駅で待ち合わせて、一緒に色々楽しんで、帰りにこれを渡して――もし次遊ぶ約束までできたら、我ながら完璧すぎる。
……五十嵐、喜んでくれるかな。選んだ理由を話したら、どんな顔するかな。
そう考えるだけで、胸がほわーって温かくなる。俺、かなり五十嵐のことが好きみたいだ。
四月の頃を思い返せば、なんでだろうって、すごく不思議な気持ちになった。最初はあんなに、意地悪なやつだって思っていたのに。
今は、五十嵐のそんな一面も可愛いなって素直に思う。五十嵐と過ごす時間は、全部がキラキラと輝いているように感じられる。




