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第2話 告解。
「私は間もなく死ぬだろう。その前にお前に告解を。」
「大司教…」
伏せっていたことは知っていた。大きな集会にも姿を現さなかった。
お見舞いに伺いたいと思ってはいたが…こんなに衰弱しているとは思わなかった。
そっと手を添えて、彼の背中の後ろに羽根枕をあてがう。
「聞いてくれるか?長くなる。」
「私でよろしければ。」
「いや、お前でなければならないんだよ。私を、私の話を君の友人のアルフォンスとして聞いてほしい。」
私がゆっくり頷くのを見て、彼は穏やかな笑顔を浮かべた。
「まずはお前に謝らなければならない。すまなかった。」
驚く私に、彼はつづけた。
「何度も何度も…君の愛を受け入れられなかったことを、ここに詫びよう。私は知っていた。お前が私を愛してくれていることを。お前の手を取って、お前と生きていく人生もあったのだと思う。何度も何度も。私はそれでもアナスタを諦められなかった。あの人でなくてはならなかった。なぜなのかと、あの人が亡くなってからずっと考えてきた。長い長い孤独の中で。」
「・・・・・」