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高瀬ルート もう逃げられませんよ?

もう、逃げられない!そう思った私は、手当たり次第に高瀬君に物を投げつける。

机にあった雑誌。テレビのリモコン。ドレッサーにある化粧水も。無我夢中なので、果たして高瀬君に当たっているのかは分からない。それでも、私は止められなかった。

と、「ダメですよ」「そんなことをしたら」再び、穏やかな高瀬君の声が耳元に響いた。「全然、怯んでいないじゃない」どうして、こんなことになってしまったんだろう。 「僕、いい加減に怒りますよ?」今までにない鋭い視線に思わず体が強張る。

そんな私を見て満足したのか、高瀬君が「あ、僕先輩の手料理が食べたいな」と明るい調子で話しかけてきた。 手料理を食べたい…?まさか、泊ろうとしているの?…とにかく今は彼を刺激するのは危険だ。私は高瀬君のお願いのために、ひとまずキッチンへ向かう。

「様子を見て逃げよう」リラックスしているから逃げるなら今だ―私は静かに玄関へと続くドアに手をかける。 「どこに行こうとしているんですか?」ドアを握る私の手をギリリと掴んだまま高瀬君が問いかけてくる。

ここで慌てたら怪しまれる。「ちょっとトイレに行こうとしただけだよ」緊張がバレないようにゆっくりと答える。

そんな私の表情を見て高瀬君がにっこりと微笑む。良かった。疑われてはいないみたい。そんな私の考えを見透かすように高瀬君が笑いながら言った。「先輩、嘘をつくのが下手ですね」「また僕から逃げようとしたでしょ?」淡々と私を追い詰めてくる高瀬君は、先ほどのようなドロっとした感情の読めない瞳で見つめてくる。

私を後ろから力強く…逃がさないとでもいうように抱きしめながら高瀬君が言った。「僕は絶対に先輩を離しませんから」

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