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仕事ができない私と優秀な後輩高瀬君

「先輩、すみません。ここが分からないのですが…」


今日もまた、高瀬君が私に質問を投げかけてきた。ああ、胃が痛い。


高瀬君は今年、入社したばかり。人懐っこい笑顔のおかげで、瞬く間に営業所の人気者となっている。 彼はこちらの説明もきちんと聞いてくれるし、よく理解してくれる。分からない箇所もすぐさま質問する真面目さもあって、上司や同僚たちからのウケもいい。


そんな高瀬君の教育係を任されているのが私なのだが、正直「私が彼に教えられることなんてあるのかな?」と自信がない。


私は事務職で高瀬君は営業職。本来なら、営業の担当者が教育すべきなのだが、皆多忙のため研修中の対応を私が引き受けている。


そのため、どうしても自分の知識だけではカバーできない点が出てくる。そう、高瀬君の質問にうまく答えられないのだ。


せっかく質問してくれた高瀬君に申し訳ない。私がもっとしっかりできたら。そう思う反面、「無能な私と優秀な高瀬君」といった構図が頭にこびりついて離れない。


地味で仕事を覚えるのが遅く、人とコミュニケーションが取れない私と違って、高瀬君はもう自分の居場所を見つけていている。最近では上司からの「こんなことも分からないのか」という視線も痛い。「お願いだから私に質問しにこないで」と強く願うだけの自分にも嫌気が差す。

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