表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖少女暴君  作者: うお座の運命に忠実な男
第四章 対抗試合! 茶道部に勝て
32/153

4-8 恋ちゃん可愛いよ!

【週末 金・土・日 定期更新です!】

「ここがうちらの部室……の控え室」


 九条さんに案内されて部活棟に移動する。歩くと床が軋む。木造建築の校舎だった。


「九条さんはなぜ格闘ゲームをするのですか」

 村雨さんが上目遣いに質問を切りだす。


「ふむ。哲学的な質問ですね」九条さんは指ぬきグローブを顎にあてる。


「野球選手が野球をする理由と同じですわ。あたくしもeスポーツに魅入られた人間のひとり。そこにいる姫川さんのようにね」


 九条さんは矢のような視線で姫川さんを射る。姫川さんをライバル視しているようだ。

 姫川さんは涼しい顔。


「あたしなんて九条さんほどじゃないよ」


「ふふ……。ご冗談が好きなお方。あなたの魂は九九パーセントゲームでできているじゃありませんか」


 意味深な九条さんの発言を姫川さんは否定も肯定もしなかった。


 TVが設置してある茶道部控え室に案内される。かすかに抹茶の匂いがする。


「姫川さん、遅いっすよ」

「待ちくたびれたよ。お姫様」

 控え室で待っていたのは鳳女学院茶道部二年生の七瀬一葉(いちよう)さんと、同じく一年生の二ノ宮(れん)ちゃん。姫川さんとは面識があるようだ。


 恋ちゃんはヘッドフォンを外した。なんという美少女。背が低くて、さらさらのショートヘアにビー玉のように光る瞳。透明感のある肌。そして心地よい高音の美声。女のわたしから見ても恋ちゃんはすごく可愛い。

挿絵(By みてみん)


「恋ちゃん、結婚して!」


 姫川さんが恋ちゃんに抱きつこうとする。恋ちゃんはとびきり可愛らしいから、気持ちがちょっとわかるけど、この人の場合、冗談とも思えない。


「いやだよ。まったくお姫さまはいつもこれだもん」

 恋ちゃんは姫川さんのことをお姫さまと呼んでいるみたい。


「わたくしというものがありながら……」

 村雨さんが姫川さんの様子を見て爪を噛んだ。

 ややこしいことになってる!


「恋ちゃんはあたしたちのものです」

 七瀬さんが恋ちゃんを抱き寄せる。


「ボクは誰のものでもないぞ。恋ちゃんは恋ちゃんのものだい!」

 恋ちゃんは両腕を振って叫んだ。


「恋ちゃん、ボクッ娘なの⁉ 可愛い! 絶滅危惧種!」わたしは抱きつこうとした。

「絶滅危惧種って言うな!」恋ちゃんは顔を真っ赤にして怒った。


 簡単な自己紹介が終わった。

 部屋を一望して驚いた。巨大なコントローラーがある。


「それはなんですか?」

 わたしがそれを指さすと姫川さんが答えた。


「アケコンだよ。アーケードコントローラー。ゲーセンと同じ操作ができる。見たことない? うちの部室にはないもんね」


 九条さんたちはふだんアケコンで対戦しているらしい。わたしたち天文部はゲームハードの標準コントローラーでプレイしていた。姫川さんいわく、学校にアケコン持ってきたら部室でゲームしていることがバレちゃうからだそう。


 これは手ごわそうだ。

「まず試合形式で対戦する。そのあとフリー対戦ね。三人対四人だけどハンデとしてはちょうどよいでしょう」


 姫川さんがホワイトボードに対戦表をつくる。

先鋒 七瀬一葉 VS 村雨初音

次鋒 二ノ宮恋 VS 折笠詩乃

大将 九条沙織 VS 鳴海千尋

特別枠 姫川天音


※次回は対戦がはじまります。よろしくお願いいたします。


「いいね」や「お星さま」、ブックマークで応援していただけますと嬉しいです!ご感想お待ちしております。イラストレーターはイナ葉さま@inaba_0717です。無断転載・AI学習禁止です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ