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聖少女暴君  作者: うお座の運命に忠実な男
第二章 バスケ部からの逃亡者
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2-7 童貞からかうの、良くないと思います!

【鳴海千尋 視点】

「うちのパパのはじめてはソープランドだったって話してくれたわ。三○過ぎて童貞だったら苦しいでしょう? はじめてがソープでも良いと思うわ。操を立てる相手もいないんだからとっとと卒業しちゃいなさい」


「折笠~おまえー!」

 護国寺先生は折笠さんのからかいに顔を真っ赤にして怒っている。


「先輩たち! 童貞からかうの、良くないと思います!  性的体験があろうがなかろうがわたしたちが護国寺先生にしていることはいじめと変わりません! 女性という立場を利用して先生を辱めているんです」

 わたしこと鳴海千尋は大声で怒鳴った。


 部室がいっせいに静まりかえった。みんなわたしが大声をだしたので驚いている。


「はひ。すみませんでした」

 ふざけすぎていた姫川さんと折笠さんも声をそろえて謝罪した。


「わたしじゃなくて、護国寺先生に謝ってください!」


「はひ。護国寺先生が大好きだからからかいたくなっちゃいました。やりすぎました。ごめんなさい」


 折笠さんは姫川さんと頭をそろえて護国寺先生に謝罪した。


 謝罪文に『大好きだから』って入れるのはあくどいなあ。折笠さんも姫川さんに負けず劣らずの策士だ。


「……謝罪を受け入れます。おれも本気で怒っているわけじゃない。鳴海さん、よく怒ってくれたね。見直したよ。おとなしいタイプだと思っていた」


 わたしは照れながら頭をかいた。

「鳴海さんはやるときはやるタイプなのね。それでこそあたしが見込んだだけあるわ」

 姫川さんも感心している。


「ばか騒ぎはこれくらいにして。うっしー! 今日誕生日じゃない? はい、これ!」

 姫川さんが後ろ手にもっていたプレゼントをサプライズした。


 わたしは知らなかったけど付き合いが長い姫川さんと折笠さんは先生の誕生日を知っていたらしい。


「覚えててくれたんだ……。ちょっと待て。ばか騒ぎを起こした張本人がその発言をするのはどうかと思うが」

 護国寺先生はまんざらでもなさそうだが困っている。


「プレゼントは貰えないよ」

「詩乃とふたりで選んだ一〇〇円ショップの観葉植物ですよ。なぎの木です」

「それくらいならいいか」


 なんかすごい。村雨さんがメンバーに加わりひとりずつ仲間が増えていく。 もしかして姫川さんと折笠さんについて行けばeスポーツ部発足も夢じゃないかも?


「来週は詩乃の誕生日もあることだし、バースデー兼中間テスト前の合宿をやります!」

 姫川さんが折笠さんに視線を振る。


「みんなうちに泊まるといいわ」

「泊まるってお部屋は大丈夫ですか?」

 わたしが当然の心配をすると折笠さんは気にも留めていない。


「うち、9LDKだから」

「9LDK⁉」


 わたしは1DKのアパートに家族三人で暮らしてるのに! ぶくぶく……

「格差ー‼」

 わたしは泡を吹いて卒倒してしまった。


挿絵(By みてみん)

鳴海千尋のイラスト



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イラストレーターはイナ葉さま(Xアカウント@inaba_0717)

無断転載・AI学習禁止です。


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