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聖少女暴君  作者: うお座の運命に忠実な男
余命一年のヒロイン編 第九章 クライマックス! 世界大会GERO
135/153

9-13 本当の姉妹になろう

 第三戦。九条沙織VS村雨初音。

 村雨さんの持ちキャラはノベリスト・银月(インユエ)(シャオ)。彼女は小説家だが、聖エルファリア諜報騎士団のエージェントでもある。


 九条さんのラウニィは恋ちゃんとの戦いでライフも減りゲージも使い果たして虫の息。


 ラウニィは银月暁のライフをガリガリ削っていく。防御を捨てた捨て身の戦術が功を奏した。


 银月暁のゲージが溜まり、『よい女はうそをつくのがうまいのです』が発動。すべての基本能力と必殺技の性質が向上。そこから逆転してラウニィをKOした。九条さんは敗北したが十分に役目を果たした。無傷の姫川さんに大幅に有利な状態で引き継いだのだから。


 第四戦。姫川天音VS村雨初音。


「お姉さま、ここまで来ました」

 村雨さんは姫川さんに敬愛の視線を送る。


 試合を見守るわたしこと鳴海千尋には彼女の考えていることが手にとるようにわかった。


 ――全力のお姉さまに勝てるとは思わない。わたくしを愛しているなら本気でぶつかり合ってほしい。


 ふたりは見つめあった。姫川さんは闘志を秘めた微笑みをかえした。


 試合開始。姫川さんの持ちキャラは創竜刀アストリア。


 村雨さんは引きつづき银月暁。暁は満身創痍。それでも善戦した。これまでの村雨さんは不利になると試合を諦めてしまう傾向があった。


 護国寺先生とのマンツーマン指導で、格闘ゲームに一番必要な「粘り強さ」を手に入れたのだ。


 ゲージを溜めた暁が『よい女はうそをつくのがうまいのです』でエージェントに覚醒した。


 投げ超必殺技『シルバームーン・アーチ』を仕掛けようとしたとき。創竜刀アストリアは投げ抜けから超必殺技を発動。連続して画面暗転する。


『闘神剣舞』がつきつぎにヒット。暁はKOした。村雨さんと姫川さんの実力差からすれば当然の結果だった。



「お姉さま……」


 対戦台をはさんでふたりは見つめあった。

「おいで。約束通りご褒美あげるから」姫川さんは慈愛の眼差しで彼女を見つめた。

 村雨さんは眼鏡をはずして駆け寄った。

挿絵(By みてみん)


「お姉さま! わたくしは……!」

 村雨さんは彼女の胸に抱かれた。


「なにも言わなくていいよ。あたしたち、本当の姉妹になろう」

挿絵(By みてみん)

 姫川さんは彼女の髪の匂いを嗅ぐように額にキスした。バラの芳香がする光景だった。


 いつのまにか二ノ宮恋ちゃんも九条沙織さんの胸のなかで泣いていた。このふたりの関係性がひとつの結末を迎えた瞬間である。ふたりは姉妹として魂の契りを結んだ。


 気がつくとわたしこと鳴海千尋の隣に黒咲ノアちゃんがいる。


「パイセン。せっかくだからボクのこと抱きしめてくれませんか? ひまだから妹にしてください」


「ええ? なんで?」

「胸が余っているでしょう」


「べつにいいけど」

「やったー!」


 ノアちゃんはわたしの胸に顔をうずめた。


「ちょ……、どこ揉んでるの」


「じつはボクはおっぱいが大きい先輩だけをパイセンと呼んでいたのです」

「気づいてたよ! もう! げんこつだよ」


 レンコンさんチーム 準決勝進出



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イラストレーターはイナ葉さま(Xアカウント@inaba_0717)

無断転載・AI学習禁止です。


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