7-1 MOD新キャラクター発表です!
いまは二学期。一〇月初旬。
夏休み中は毎日投稿してオンライン対戦で腕を磨いた。勝率は姫川さん一位。わたしこと鳴海千尋は二位。黒咲ノアちゃんが三位。四位は同率で折笠さんと村雨さんが並ぶ。
黒咲ノアちゃんは新入部員ながら格闘センスはピカイチ。姫川さんやわたしとも互角の戦いができる子だ。
そしてメディウム・オブ・ダークネス大型アップデートに伴うダウンロードコンテンツの新キャタクターが発表され、プレイアブルキャラクターとして実装された。
DLC第一弾
『創竜刀装備アストリア』
『イスタリスの女王 神凪マハル』
『ノベリスト 银月暁』
創竜刀装備アストリアは原作小説のクライマックスで、ソードマスターのシオンから愛刀を託されたアストリアである。
神凪マハルは東方の聖地イスタリスを収める女王である。立法・行政・司法すべてを女王が司る超カリスマの天才児。
银月暁は原作では小説家という立ち位置で成り行きからパーティに同行した。小説のラストシーンでは聖エルファリア王国の諜報機関エージェントだったことが判明する。
創竜刀装備アストリアは氣を込めたオーラブレードを扱うが、二刀流モードは削除された。
必殺技は『二刀流乱舞の太刀』がなくなったかわりに飛び道具の『オーラショット』が加わった。さらに超必殺技として『闘神剣舞』が追加。
ノーマルアストリアに比較して飛び道具が加わり攻撃力も増加した攻防に隙なしのキャラクターとなっている。
神凪マハルは当身技と得意とするキャラクター。必殺技は『女王の結界』『イスタリスの残酷姫・降臨』『国宝八咫鏡』など。当身で発動する超必殺技『八岐の鞭』は全キャラクターで一番の破壊力を持っている。
银月暁はノートに書いた文章が実体化するという小説家らしい必殺技をもっている。『え~と、え~と、これかな?』はノートから動物が飛び出して相手に突進。
『危ないですよ?』は万年筆でめった刺しにする。
超必殺技『わたしは良い女だからうそをつくのが上手いのです』は裏の顔であるエージェントとして覚醒。そのラウンドの間、基本能力と必殺技がべつのものに進化。
エージェントとしての能力は破格に設定されている。ここからが本番といえるテクニカルキャラクター。
新キャラクターというものはじつにわくわくする。往年の格闘ゲームでも新作発表のたびに新キャラクターに誰が選ばれるのか、プレイヤーたちは胸を躍らせていたという。
原作では戦闘シーンがなかったキャラクターも原作者が考案するという嬉しいサプライズもあった。
第一弾ダウンロードコンテンツはすでに発売中。第二弾は一〇月中旬に実装。
このニュースはMODプレイヤー以外にも良い意味で衝撃を与え、プレイ人口も増えることとなり、オンライン対戦が賑わった。
原作小説を手に取ってくれる読者さまも増えたという。
一〇月下旬から一一月には格闘ゲームの世界大会GEROのオンライン予選が行われる。
来月には文化祭があるが、わたしたちは天文よりeスポーツに注力しているので、フリー対戦という少し手を抜いた内容を予定していた。
お客さんたちを接待して格闘ゲームを紹介することでプレイ人口が増えてくれればという願いを込めている。新入部員がノアちゃんしかいなかった現実も深刻だ。
三年生が卒業してしまえばeスポーツ班は三人になってしまう。来年はメンバーが増えなければ天文部とともにeスポーツ班が廃部する危機になる。どうなっちゃうのかな。
それでは新章スタートです。余命一年のヒロイン編・第七章『うっしーとのタイマン勝負』です。
つづく




