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聖少女暴君  作者: うお座の運命に忠実な男
余命一年のヒロイン編 第五章 令和最小のミステリー
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5-3 令和最小のミステリー 解答編

土日はお休みして、次回は月曜日の更新です!

「ニセモノはあなたよ! ヒメの母親、姫川アナスタシア」


「さすが詩乃ちゃん、名探偵ね。令和のアイリーン・アドラー」


 アナスタシアと呼ばれたAの姫川さんはカツラを脱いだ。

 巻き毛の金髪女性が現れる。彼女は姫川アナスタシア、年齢三三歳。姫川天音さんの母親である。化粧で実年齢より若く見えるタイプである。


「アイリーン・アドラーは探偵じゃないですよ。ホームズをだし抜きましたけどね」


 黒咲ノアちゃんが横から『シャーロック・ホームズの冒険』を解説した。


 アイリーン・アドラーは作中で名探偵であるホームズに一杯喰わせた女性であり、ホームズは彼女に敬意を払い忘れなかったという。


「今日はヒメの誕生日。主役はヒメです。これはやり過ぎです」

 折笠さんはご立腹のポーズをつくった。


「だって! お友だちが来るって聞いたから、びっくりさせようと思って」


「その必要はありません」

 折笠さんは年上のアナスタシアさんを叱っている。


「どうせあたしなんて……。生まれ変わったらミジンコになってやる!」


「あ~、もう面倒くさい性格だな。茶番は終わり。わたしは〇・五秒で正体に気づいていましたから。鳴海さんなんておもらししちゃったじゃないですか」

 折笠さんがわたしこと鳴海千尋を横目に見た。


「もうお嫁に行けません」

 わたしはしゃがみ込んで泣いていた。


「鳴海さん、あたしのマーマが迷惑かけてごめんね。ショーツ貸してあげるから着替えてきて」

 姫川さんがわたしを気遣ってくれた。


「お姉さまのショーツ、わたくしも履きたいです!」

 村雨さんが挙手する。


「ボクも!」ノアちゃんまで。


「みんな頭おかしい。もうだめだわ」折笠さんが頭を抱えた。「鳴海さん、気を強く持って。わたしとあなたでこの作品の常識を守っていくしかないのよ」


「どこまでできるかわかりませんが、努力します」わたしは答えた。


「こらこら。未使用のに決まっているでしょう」

 姫川さんは困り笑いをした。


 アナスタシアさんは年齢よりかなり若く見えるタイプだがよく見ると天音さんより髪の色が濃くて瞳の色素が薄い。肌のきめの細かさも天音さんのほうが実年齢分アドバンテージがある。


「マーマは自分の部屋で待機して。そのまえにわたしの制服かえしてね」


「全裸待機しろっていうの?」


「自分の服があるだろうが! 甘やかすとつけあがるんだから!」


「自分の親にいうセリフじゃないわね」

 折笠さんはふたりのやり取りにあきれ顔。


「ところで天音ちゃん。あたしの日記見たでしょ」


「はい? 見てないよ」天音さんは視点が泳いだ。


「日記に糸くずを挟んでおいたのに床に落ちていた。この家にはわたしと天音ちゃんしか出入りしない。犯人は天音ちゃんしかいないわ」


「あたしをわなにはめたの? はっ!」


「認めたわね。判決、有罪!」


 アナスタシアさんは天音さんに飛びかかった。一瞬でお尻を剥いて叩きはじめた。

 わたしは見てしまった。天音さんの白桃のようなお尻を……。


「やだやだーっ! みんなのまえでお尻叩くなんてひどい!」


「あたしの日記を読んだ罰にはちょうど良いわ」


 アナスタシアさんは一〇回も天音さんのお尻を叩いた。シュールな光景だった。天音さんそっくりなアナスタシアさんがお尻を叩いている。


「アナスタシアさん。お尻叩くとあそこの病気になることがあるらしいのでそれくらいで」


  折笠さんの仲裁が入る。


「ちゃんと手加減したわよ」


「日本は体罰が禁止されているんだぞ。犯罪者め」

 天音さんは痛みと羞恥で涙目になった。


「あたしロシア育ちだもん! あたしのパーパはКГБ(カーゲーベー)の将校だったのよ。逆らったら半殺しよ」




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