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聖少女暴君  作者: うお座の運命に忠実な男
余命一年のヒロイン編 第五章 令和最小のミステリー
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5-2 ミステリー回、ヒント編

『恩は二倍に、恨みは三倍に』ここは姫川さんの自宅。リビングの正面には姫川家家訓として横長の額縁が飾られていた。


 突如出現した姫川天音弐号を名乗るドッペルゲンガーの正体は?


「名探偵でもあるボクの朱雀の瞳が告げるところによると、この人は複数の秘密の通路から侵入した師匠の双子の超能力者ではないでしょうか」

 黒咲ノアちゃんが眼帯を解いた。 


 彼女は右目に朱雀を封印(本人談)している。もうひとりの姫川さんの正体を予測した。


「ノアちゃん、いくつノックスの十戒に違反しているの? あなたミステリーマニアでしょう」

 村雨さんが咎める。


※ノックスの十戒……推理小説におけるタブー。ヴァン・ダインの二十則というものもある。良い子は調べてみてね!


「それは秘密です」ノアちゃんは眼帯を装着した。


「脱げ! このババア」


「あ~れ~。犯される~」


 夏服を着た姫川さんと冬服を着た姫川さんは取っ組み合いのキャットファイトをはじめた。


 折笠さんが毅然とした態度で進みでた。


「ふたりとも、気をつけ!」


 姫川さんたちは整列して気をつけした。ふたりとも折笠さんには頭が上がらないらしい。


「これからわたしが五つの質問をします。正直に答えないとしっぺです。いいですか」


『はい』ふたりともしっぺに目の色を変えておびえている。


 冬服を着た姫川さんをA。夏服を着た姫川さんをBと表記します。


「ひとつ。あなたの血液型はなんですか?」

 Aの姫川さんの回答「O型です」

 Bの姫川さんの回答「A型だよ」

 折笠さんはメモを取りながらつづけた。


「ふたつめの質問。あなたの誕生日は?」

 Aの姫川さんの回答「三月一日です」

 Bの姫川さんの回答「八月二一日。今日だよ」


「みっつめの質問。あなたはどこで生まれましたか?」

 Aの姫川さんの回答「ロシアです」

 Bの姫川さんの回答「ロシア生まれの日本育ちです」


「四つめの質問。あなたの年齢は?」

 Aの姫川さんの回答「魂年齢一七歳で~す!」

 Bの姫川さんの回答「今日一八歳になりました」


「最後の質問。わたしの後ろにいる子たちのなかで一番右にいる子の名前は? この質問は冬服を着たヒメから答えてください」


 Aの姫川さんはくちびるをもごもごさせた。

「答えられないんですか?」

「突発性若年齢痴呆症で~す」


「もうひとりのヒメは答えられる?」

「忘れたの? あたしたちの後輩の村雨さんじゃない」


「思いだしました。その人は村雨さんです」

 Aの姫川さんは取り繕うように回答した。


「質問は以上です。真実がいつもひとつとは限りません。事実に対してプリズムのように人間の主観が入り込むからです。ですがわたしは複数の事実からひとつの真実にたどり着きました」


 折笠さんはメモの内容を後ろにいるわたしたちに見せた。


 えーっ⁉ こんなことあります⁉ もうひとりの姫川さんの正体は……!


「ニセモノはあなたよ!」


 折笠さんが示した相手は誰でしょう? 次回、回答編です。


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