再び学校へ行ってみよう その10
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「今日は関東地方では雨ですね。北関東では……」
どこかから、天気予報が聞こえてくる。
「おにいちゃんー!!」
「影洋くん! 起きてーー!!」
「ぶっ! むにゃーーーー!!」
俺の顔面に、何か柔らかい物体が二つ当たった。
いや、枕だろ。これ。
それと、当たったのではなくて、激突した。
「う……うがーー! ここはどこだーーー!!」
俺は、起き出して辺りを見回した。
女物の洒落た家具や洋服箪笥に、ピンクの柄のテレビ。俺が寝ていたベッドからもいちごの良い匂いがしている。
「やっと、起きた。ああ、良かった」
「おにいちゃん。ずっと、目が覚めなかったんだからね」
杉崎と我が妹だった。
それにしても、起こし方が!? 鼻血出るだろーー!
俺は内心、叫んでいた。
うーん。どういうわけか、多分ここは杉崎の部屋?
一体?
うん?? 影斬りの刃がないぞ!!
「影洋くん。駅の近くの道路で倒れていたから」
うぎっ! 案外世話焼きな!
メガネを掛けた杉崎は、こんなのいつものことよみたいな顔で言っている。
「影洋くん。気にしないでね。私……ハンバーガーの紙袋とかコンビニのビニール袋とかよく拾うから……」
「俺は紙袋だったのか……?」
「おにいちゃん……大丈夫だったんだよね」
「うぎっ! 我が妹よ! あの不気味な影は?」
「ほひ? どっか行ったよー」
「……」
もしや……と思って、俺は青ざめベッド脇に設置されている目覚まし時計を見た。
「うっぎーーーー!! 明日になってるーーーー!?」
目覚まし時計は冷酷にも……深夜の1時を指していた。




