再び学校へ行ってみよう その5
「ピンポン……ピンポーンー……。こちらは虎倉街防災センターです。虎倉街三丁目にお住いの……向井 広助さんが……。昨日、午後17時から今朝にかけて……散歩に出かけたまま……戻ってきておりません……。服装は赤色の服。水色のズボン。角刈りの頭で……。見かけた人は……。繰り返します。虎倉街三丁目にお住いの……向井 広助さんが……昨日……」
町内放送だ!
俺は耳を疑った。
「うぎっ! 三丁目の向井さんって……? 今朝会ったじゃんか?! おかしいだろう!」
どこかで聞いたことのある名だった。
近所の向井さんの下の名は確かに広助だった。
「どうするよ。影洋? 確か、向井さんってお前の近所の人だっただろう?」
喧嘩が終わって、公平の奴が俺に聞いて来た。
俺は激しく葛藤した。
「うぎぎーーー……」
「……じゃあ、これならどうよ。先公には俺が適当なこと言っておいてやるよ。突発性下痢性歩行障害とかだってな」
「……ありがとな公平! その病名以外は礼を言っておくぜー! それじゃあ、先生に言っておいてくれよな! ……後で絶対確認するからな……みんなに公平が俺の仮病をなんて言ったか……じゃあな! ありがとなー!」
俺は近所の向井さんを、探しに登り坂を学校とは逆に下っていった。




