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虎倉街の偽の射影たち  作者: 主道 学


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再び学校へ行ってみよう その2

 下り坂を突っ切り、自宅まで30分だが、行くぜ!! 

 一直線だーーー!!

 転ばないぞ! 転ばないぞ!!


 途中、遠くから……いや、学校から、先生の怒声が聞こえて来たような感じがするけど、気のせいだ。気のせいだ。


 二階建てで赤い屋根の俺の家が見えてきた。


 そこへ影が二人たむろしている!!


「ウッラーーーー!!」


 俺は心影流の体当たりを二人の影の真ん中へかました。

 主に右肩と左肩と頭突きを主に使う。心影流のこの技は、ただ倒れ込むような体当たりとも見てとれる。

 だが、二つの影の顎に右肩と頭突きがクリーンヒット。

 見事、顎を粉砕してやった。

 ノーダメージだけどな。

 あの二人の影は多分、見張りだ。俺の家のどこかに必ず陽だまりの刃がある。

 俺はキッチンにたどり着いた。

 そこには……。 


「遅かったな……」

「おにいちゃん……」


 俺の影と妹の影がキッチンの中央に佇んでいた。

 

「お前に陽だまりの刃は渡させないんだ……」

「うぎっ!」


 俺の影がスッと構えた。

 心影流だ!


 俺は考えた。

 陽だまりの刃ってどこにあるんだ?

 どんな形だ?

 誰かが持っているのだろうか?


 そこで俺は、キッチンの窓際にあたる場所まで後ずさった。そして、俺の影と妹の影の顔の向きを観察してみることにした。


「はんっ! そんな陽だまりの刃なんていらないぜ! ちみっちゃい!」

「……?!」


 俺のハッタリに怒った感じの俺の影は、キッチンのとある椅子を見つめた。

 うぎっ! そこなのーー??

 今まで、一度だって座ったことがない椅子だ。

 その椅子は……この家にいるはずのない人の古い椅子だ。


 窓の外からそよ風がカーテンの隙間から吹いてくる。


「はっ! お前は何もわかっちゃいない!! この椅子に座っていたあいつはなあ……いわくがあって、昔……」

「おにいちゃん!! それ以上は言っちゃダメ!!」


 ……ええい! 肝心な時に!! 我が妹の影め!!


 俺はすぐさま俺の影に飛び掛かった。

 俺は影の不意を突く。飛び掛かったそのままの態勢から、両手で倒れ込むかのような掌打を見舞いした。俺の影の両肩に、思いっきり掌打がぶち当たり影が尻餅をついた。


 立ち位置を整えて心影流を構えた俺に、俺の妹の影の上段回し蹴りが後頭部を狙う。


 が……。


「うんにゃー!」

 俺は右肘で妹の影の足を打ち返した。心影流は最強の超接近戦用の守りの技だ。不意打ちとかでない限り。誰にも破れない。


「我が妹の影よ! お前はこうだーーー!」


 カーテンで、妹の影の顔面をグルグル巻きにした。

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