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近所を見に行こう その3
比水公園を囲むかのように建つ、住宅街がグラグラと激しく踊りだした。地鳴りは耳を塞ぎたくなるほどに大きくなった。桜の木々はこの上なく右へ左へと揺れ動く。
瞬間、夜空が光った。
その光の中から、神々しい女神のようなこの世のものとは思えない美しい女性が現れた。
「影洋。さあ、今こそ試練の時です! そして、ようこそ影の世界へ!」
神々しい女神は、そう言うと、辺りは光の輝きに包まれた。
その光は、俺と光の影を完全に消し去った。
…………
「やっと、地震が収まったぜーーー! 光! 無事か?! それにしても、なんだったんだろ? あの綺麗なお姉さん? いや女神様か? 影の世界へようこそって?!」
「おにいちゃんこそ……無事? それよりおにいちゃんと私の影が消えちゃった……影の世界だから? ねえ、おにいちゃん?」
「おう! なんだかそんな感じだな!」
俺は未だカクカクとした足と腰を安定させる。
今は自分の影と光の影のことは、まったく気にしなくてもいい。
それよりも、周囲の建造物や桜の木々はグラついただけでなんともなかった。桜の花弁もひらひらと普通に舞い落ちている。ほんとに有難いや。けど……。




