心影山へ行こう その8
四人で、恵さんの屋敷の敷地内へと入る。
後は……。
芝生。
芝生。
芝生。
……到着。
「おかえりなさいませー」
「おかえりなさいませ!」
「恵お嬢様は、二階にいらしております。影洋さまと光さま。ご夕食は8時になります。あと、公平さまはいつもの物置でよろしいでしょうか?」
執事さんが、そう言うと出迎えの使用人たちが一斉に頭を下げてから、さがっていった。
いつも思うんだけど、どこら辺から俺たちに気が付くんだろう?
別に気配を消したわけじゃないけど、ある程度客人とかが近づいてくると、気が付けるようにと、監視カメラとかが恵さんの屋敷には取り付けてあるのだろうな。
「ああー、疲れたーーー!!」
「おにいちゃん!! 杉崎さんが起き出しそう! 早く二階へ!」
「ありがとなー! 物置の整理頼んだぞ!」
公平が地下へと向かうと、俺は骨董品が多く飾られた二階の踊り場まで杉崎を背負いながら階段を上がっていった。すると、杉崎が目覚をさましたようだ。
「あれ? ここって、私の家? ここはどこ?」
「うんにゃ! ここは恵さんの屋敷だ。お前が気を失ったから、ここまで背負ってきたんだぜ。なにせ、お前ん家がわからなかったからなあ。さすがに少し疲れたぞ」
「おにいちゃんー。二階へ早く行こうよー。登山道具一式が重いよー」
「了解! 光は登山道具一式をそこへ置いて先に行ってくれ! 後で持ってってやる!」
「え、ちょっと!? 私を負ぶったまま!?」
俺は、杉崎を背負ったまま二階の恵さんから貸してもらっている、自分たちの部屋へと向かった。
そういえば、おじいちゃんとおばあちゃんの部屋って? 一体どこだ?
うぎっ! 扉を開けると、案の定。おじいちゃんとおばあちゃんが、湯飲み片手に静かにテレビを観ていた……。
いつの間にか朝の時間になっていたようで、テレビには、あの時の小春という気象予報士がでている天気予報だった。
「今日はここ比水公園にいますよー。うーん、空模様からして時々、大傘が降りますねー。最低気温は5℃で最高気温はたったの10℃。湿度は……。皆さんそういうことで、頭上に注意してヘルメットを忘れずにしてくださいねー。後は……最近……影との……バランスが、時々崩れかかっていま……ので、世界に均衡を心がけましょう……」
今度は小春という気象予報士は、比水公園の噴水のところで一人で喋っている。
うぎっ!
大傘が降る。だって!?
そして、なんだか不気味だぞ!?
「今週は天気は不安定な地面に覆われていますね。ということで、換気を良くすると過ごしやすくなりますねー。以上、天気予報でした。では、また!」
「小春さん。ありがとうございました。それでは皆さん今日は大傘と影の活動に注意しましょう。最近になって、影の活動が活発になってきましたね。次は経済です」
ニュースキャスターの人も大真面目に話していた。
はあ?
不安定な地面!?
おかしいだろ?




