心影山へ行こう その7
「うっぎーーー!! 光!!」
なんでかー! 我が妹が心影流の構えをして大男の顎に強烈な肘打ちを打っていた。
「なん?! ……?」
「おにいちゃん! 私も戦えるよ!! これがおじいちゃん直伝の心影流!!」
続けて妹は、遠くの大男の間へと突っ込み。頬と顎と足、そして腹部を主に攻撃していた。
技の切れ味は、俺の心影流よりも洗練されている。
そういえば……おばあちゃんよりおじいちゃんの方が強かったっけ?
あっという間に三人の大男を打ちのめした妹は、こちらにグッと拳を握って勝利をアピールしている。
なんの! 俺も負けてられない!
一瞬で、四人の大男の側頭葉に右回し蹴りをお見舞いした。
「おにいちゃん! さっすが!」
「おうよ!!」
武装した大男を全員倒すと、杉崎は当然のように気を失って倒れていた。
気を失っている杉崎を背負うと、トンネルを急いで抜けようとした。
なんだかんだで、ようやく下山した俺たちは、恵さんの屋敷へとダッシュで向かう。
だって、杉崎の家を知らないからだ。
「うぎっ、雨ーー?」
「ほにー?」
そういえば、今日は天気予報でにわか雨が時々降るんだった。
激しい雨音が降り出した。
幸いに登山道具一式の中には、折り畳み式の傘とレインウェアがある。
大雨の中で、時折稲光が辺りを覆う。
俺たちはずぶ濡れになりながら、書統学校まで走って来ると、下校途中の公平が恵さんの屋敷へと走っていた。大方、また親父さんと喧嘩でもしたのだろう。
「なあ、公平ー! また親父さんと喧嘩かー?」
「ああ! 影洋か?! 進路なんてそんな急に決められないぜー。それより、杉崎を負ぶっているけど、なんかあったんかー?」
「ああ……後で話すよー」
「おにいちゃーーん! 空が!!」
「うぎっ!!」
走りながら公平と話していると、暗黒の大空に広大な稲妻が迸った。
と、突然。
俺たちの目の前が強烈に光りだした。
その光に包まこまれると。
光の中から女神様が現れた。
「影洋! もう仲間を見つけたのですね! 良かった……もうすぐこの世界も終わりを告げます。早く影の王国を打ち倒すのです!」
それだけ言うと、女神様は忽然と消えた。
「な、なんだ? 今の?」
「ええい、恵さんの屋敷に行ったら全てを話すよ!!」
「おにいちゃん! 私も影の王国と戦うよ!!」




